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表題作心を殺す方法(1)

篠原光
義弟
篠原春樹
義兄

あらすじ

親同士の再婚で義兄弟になった、10歳違いの春樹(はるき)と光(ひかる)。
人見知りな美少年・光は春樹にだけよく懐き、
春樹もそんな義弟をいじらしく思っていた。
時は流れ、高校生になった光は春樹への恋心を募らせる。
両親の旅行中、欲望が溢れた光は春樹の身体をまさぐり、
口淫を強要して、それをひそかに録画していた。
異常な関係に耐えかね逃げようとした春樹に、
光は音声を送りつけ、「逃げるなら親にバラす」と脅して
ついには春樹の後孔を犯し――。

愛憎極まる義兄弟インモラルドラマ、開幕。

作品情報

作品名
心を殺す方法(1)
著者
カシオ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
祥伝社
レーベル
on BLUE COMICS
シリーズ
心を殺す方法
発売日
ISBN
9784396783853
4

(247)

(139)

萌々

(41)

(29)

中立

(19)

趣味じゃない

(19)

レビュー数
26
得点
965
評価数
247
平均
4 / 5
神率
56.3%

レビュー投稿数26

美しく壊れていく、義兄

この作品で始めてカシオさんという作家さんを知り、この作品を読んだことでカシオさんのファンになりました。

最終巻まで読みましたが、個人的にはめちゃくちゃ大好きな神作品です。


親の再婚で義兄弟となった、春樹と10歳下の光。

初めて2人が出会ったのは、光が13歳の時。
人並み外れた美しさを持つ光は、それゆえに異性から過度の期待を押し付けられ、セクハラ紛いの扱いを受け続けたことで、周りから一切の心を閉ざしていました。

そんな光が、義理の兄・春樹のことだけはすぐに慕うようになります。

誰にも懐かない義弟が、自分にだけは懐き、微笑み、くっついてくる。自分より他の人と仲良くしていると、やきもちを焼く。けど名前を呼べば、パッと顔が明るくなる。
そんな光のことを春樹も可愛く思います。

幸せな、新しい家庭。
けれど、光だけは、普通の幸せなんて持てなかったんです。

その美しさゆえに、光の気持ちなどお構いなしに視線を、劣情を押し付けられる。異性からは性の対象、同性は近づいてこない。
幼い頃からそんな扱いを受けていたら、性格も歪んでいきますよね…。

春樹の前以外では、光には喜怒哀楽がほとんどありません。感情が欠落しているように。
全てを諦めているのです。勝手に興味を持たれ、期待に塗れた眼で、関わろうとしてくる。自分の存在が、周りを掻き回し誰かを傷付ける。
だから光からは決して誰とも関わろうとしないし、関わろうとしてくる人間も遮断するのです。

そんな光が、どうして春樹にだけは心を開くのか?
それは、最終巻で明らかになるのですが…
この時点ではまだ、疑問に思われる方が多いかもですね。そこは、最終巻のお楽しみですね…!


圧倒的美少年の光に比べたら、春樹は地味で平凡な青年なのですが、とにかくとても優しいのです。
その微笑みからも、優しさとか穏やかさとか、人の良さが滲み出ているような。


13歳だった光が高校生になり、物語は大きく動き出します。
ずっと、心の中にあった春樹への気持ちが、学校であったある出来事をキッカケに、溢れてとめられなくなったあの雨の日。

けれど、光はギリギリで思いとどまるんです。
そして春樹を遠ざけようとします。
もし、ここで、春樹も光から距離を置いたら、この先の悲劇にも似た物語は始まらなかったかもしれません。

でも、春樹はそんな光を放っておけなかったんですよね…。
光が何かを抱えているのなら、話を聞いて力になりたかったし、今手を伸ばさなきゃ、光を見失ってしまいそうで。

この時の春樹の優しさに、光は徹底的につけ込みます。悪気なんてなく。
帯の煽りがしっくりきます。
"天使の顔で所業は魔物"
読んでいても時々、光が悪魔のように思えます。とても綺麗な悪魔。

春樹が拒んでも、泣いても、逃げようとしても、あの手この手で逃げ場所を封じて、体を奪います。

春樹がとてつもなく可哀想です。
ゲイでもないのに、可愛がっていた義弟に無理矢理に犯される。
体の痛みも心の痛みも、きっと尋常じゃないはず。

穏やに微笑んでいた序盤の春樹の面影は消え、ストーリーが進むにつれてどんどん影を帯びていき、彼が少しずつ壊れていくのが分かります。

けれどそんな様が、胸が痛むのに目が離せない。
影を帯びていく春樹が、どこか美しいんです…。

今まで、口だけで止まっていた光の欲望がとうとう、後ろにまで伸ばされた時の春樹が、春樹の大きく見開かれた瞳から溢れ出る涙が、綺麗で…
痛々しいのに、でもそこが、"初めて"だということをリアルに強調していて、春樹の、痛み、苦しみ、喪失感、虚無感が強く伝わってきて、とても引き込まれるシーンなんですよね…

そのあとの、強引に襲ったくせに心配して慌てふためく光に向けられた春樹の虚ろな目と、その思い。
なんだか…ゾクゾクとします。

当初、優しい印象ばかり強かった春樹が、段々と怒りや蔑みや諦めや、負の感情を纏っていく様が本当に、読み応えがあるのです。

そして、英(はなぶさ)先輩。
春樹の大学時代からの先輩で、今は法律事務所で春樹の上司(と言うか所長)として共に働いています。
この人…私はすっごい好きです。
飄々としていてるけど根は真面目で、優しくて聡明で、基本的に男らしいし、イケメン。笑

英さんはゲイではありません。けれど、様子がおかしくなっていく春樹を、ただの部下以上に気にかけます。

光に犯され、心身ともにボロボロの春樹が、元気づけようとする英さんに誘われて2人で飲みに行く場面があるのですが、ここのくだりも凄く良いです。

礼儀正しかった春樹が見せるギャップ、英さんの優しさ男らしさ、2人の魅力が爆発してると思います。


この1巻では、光が春樹への劣情を形にして無理矢理犯し、それで穏やかだった春樹が少しずつ壊れていき、けれど英さんという存在に微かな救いを見出す…?というところで再び光に直面して…というところまでが描かれています。

私の最推しは春樹です。
光も英さんもとっても魅力的ですが、レビュー中でも何度も書いていてくどいかもしれないですが、壊れていく春樹が、しんどいくらい好きです( ; ; )
巻を追うに連れて魅力が増すばかりなんですよ…
色気が凄くて…。

あ…あと、光が現在高校生なので15〜6歳だと想定できますが、そうなると春樹さんは25〜6歳。この、春樹さんの、若いんだけど若すぎない絶妙な年齢と、その春樹さんのこと好きで無理矢理犯す高校生っていう年齢設定だけでもだいぶ萌えるんですけど私だけでしょうか…
ちなみに英先輩と春樹は3歳差。30手前の男の人って色気ありますよね…うわーこっちも萌える…!


1巻を読んだ時点で、すごい…!面白い…!と既に神評価でしたが、最終巻まで読むとまた、感無量です。更に更に好きになりました。
神評価より上がないのが残念なくらい。

この作品に出会って以来、カシオさんの作品を集め始めましたが、素晴らしい作品が多い中でもやはりこの作品がNo.1です。

12

怖い。けど面白い。

カシオさんの絵柄がちょっと苦手で。いや、ごめんなさい。でもあらすじを拝見して、面白そうだなと思って手に取ってみました。

読み始めたとき、

美しすぎるビジュアルを持つばかりに子どもの時から異性から性的な目で見られて、それゆえに他人に心を閉ざしてしまった弟くんが、親の結婚によって得た義理のお兄ちゃんによって精神的に救われ成長する話。

かと思ったんです。
いや~、全然違いましたね。

兄に並々ならぬ執着心を持つ光(弟)。
自分にだけ懐く弟を可愛いと思っていたらレイプまでされてしまう春樹(兄)。

もしかしたら読み手を選ぶ作品かな、と思います。甘い話ではないし、ハピエンが想像しにくい。

光が、なぜそこまで春樹に固執するのかが分かりにくい。けれど、それがかえって光の異常性っていうのかな、ホラーチックな怖さが増して面白かった。

一方の春樹も。
父親の幸せを壊したくない、他人に心を閉ざしてしまっている光を助けてあげたい。
そういう親切心があだになってどんどん追い込まれていく。

面白かった。すんごい面白かった。
って言ったら春樹が気の毒なんだけど。

2巻まで読んで、1巻の冒頭を読むと、これまたなんとも意味深。
冒頭のシーンは。喪服だよね。そして、二人とも年齢を重ねている。
ずっとずっと光は春樹だけを求めてたんだろうか。

どんな未来が二人を待ち受けているのか、続きが気になります。

9

悪循環が悪循環を呼ぶ

義兄の心情に感情移入するも美しさで人の幸せを奪っていく悲しい弟にまた同情してしまい、重苦しいテーマなのに心が沸いてついつい読んでその重さと緊迫感にエネルギーを消費して脱力してしまう。
読者すらも巻き込むこの漫画の悪循環はとても楽しいです。
早く続きが出てほしいです。

5

世界で一番好き

死ぬほどこの作品が大好きです。
これまで読んできた中で一番好きです。
春樹さんは壊されれば壊されるほど美しくなります。妖艶で危うくなっていくんです。
巻を追うごとに魅力が増す春樹さんを是非見てほしいです。

2

最高

鬼畜攻めが好きならこれでしょ
攻めの執着大好き。。ドキドキする

0

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