無垢な華は、伯爵の指で淫らに色づく

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表題作伯爵と囚われの華

アルトゥール・クラウゼヴィト
38歳,受を引き取った美貌の伯爵
ユーリス
18歳,レテ侯爵家の最後の血族

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

貧民街で死にかけていたユーリスは、美貌の伯爵アルトゥールに拾われた。実はレテ公爵家の最後の血族だと素性を知らされ、ユーリスは貴族としての教養と知識を身に着けるよう強要されるのだった。
生きるために始めたユーリスの努力は、やがてアルトゥールを失望させたくない、彼の愛を得たいという狂おしい思慕へと変わっていく。しかし彼が想うのはユーリスの亡き父で…?
美しく冷徹な伯爵と養い子との、禁断の愛。

作品情報

作品名
伯爵と囚われの華
著者
小中大豆 
イラスト
小路龍流 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA(アスキー・メディアワークス)
レーベル
B-PRINCE文庫
発売日
ISBN
9784048922678
3.7

(41)

(11)

萌々

(17)

(7)

中立

(4)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
7
得点
148
評価数
41
平均
3.7 / 5
神率
26.8%

レビュー投稿数7

あー、切なすぎます!

前半と後半でアルトゥール伯爵の性格が全く違うように感じます。
長く美しい銀髪をもち感情をあまり表さず理性的で権力、財力もある完璧な人。誰もが目を奪われるクールビューティーな攻め、アルトゥール。
誰とも真剣にお付き合いしない代わりにワンナイトの相手はたくさんいます。
そんな彼のことが好きなユーリス。全く相手にされません。
私から見たら甘いシーンなんて全くありません。ユーリスは完全に恋愛対象から外れていて塩対応されてます。
この前半の感じになかなか慣れず少し読んでは止まり、数日かけてやっと読み終えました。
体の関係をもってもそれはそれ。そんなことあったっけという位にそっけなくお家存続のためユーリスに結婚を勧めるアルトゥール。
全く真意が分からずユーリス以上に私が苦しかったです。
後半アルトゥールが自分の気持ちに気づき酔っ払ってユーリス邸にやってくる所から、やっと落ち着いてスラスラ読めました。

アルトゥールのクールさが私にはしょっぱすぎましたが、そんな前半があるからこそ後半が盛り上がって面白くなるんです。
この作品を読み自分は攻めに対等に扱われない、恋愛レースのスタートラインに立たせてももらえない受けが可哀想で胸が苦しくなるんだなと分かりました。
お話としてはキレイにまとまっており、そういうのが気にならなければ楽しめる素敵な作品でした。

0

スタンダードな『貴族もの』

『高級娼婦と駆け落ちした公爵の息子が貧しさの中で両親を失い、もう体を売るしかない所まで追い詰められたところで、その公爵に想いを寄せていた伯爵に拾われてその養い子になる』
おまけに、
『その子が養い親の伯爵に恋をするのだけれど、伯爵は様々な男性とラブアフェアを繰り返すばかりで本当の恋をする気配がない』とか、
『伯爵が本当に愛しているのは亡くなった公爵で、自分はその身代わりにすらして貰えないと、その子は恋心に絶望する』んですよ。
さらにその子は、
『前途ある公爵を誑かした売春婦を母に持つばかりではなく、自分も男娼だったらしいという噂が貴族の中では公然と語られ、差別に遭う』んです。
でも彼は、公爵家を再興し結婚して血筋を繋ごうとまでするんです。
全ては伯爵のために。

ああ!王道のロマン!

小中さんは『可哀想な運命に翻弄される健気な美人さん』を描くのがお上手ですよね。
『健気』という所がミソだと思うのです。
こういう子は、やはり幸せになって欲しいと思わざるを得ないじゃないですか。

惜しむらくは、もう少しユーリスが自分の力で活躍するところがみたかったな。
危機に陥っても、殆どアルトゥールが解決してしまうんです。
アルトゥール、スパダリ過ぎ……まぁ、ユーリスも18歳だしね。仕方ありませんな。

観劇や舞踏会の様子なども面白かったです。
あと、その後の2人がさらりと書かれるラストも『歴史絵巻』的な余韻があって好みでした。

0

お約束な萌え

辛い目に遭っている受と、それに気づかない攻。後ほどそれに気づき自分に憤りを感じる攻。決して辛い目に遭っていることを攻には告げない、健気な受。

というのは、割と定番です。が、定番はやっぱりいいのです。

健気な受が辛いことに耐えつつも結果的に年上の攻に大事にされる、という設定が好きな人は大いに楽しめます。

小中大豆さんの文章も好みです。文章を、今読んでると感じさせず作品世界に連れて行ってくれるのがとてもいいですね。

イラストも素敵でした。電子版にもイラストが入っていました。

定番プラスαが何かあればなーと思いましたが、楽しく読みました。

3

切なさ最高潮

受けは攻めの養い子で、しかも攻めが想っていたのは受けの亡き父……というあらすじを読んで、倒錯的すぎて生理的な嫌悪感を感じるのではと心配しましたが、そんなことはありませんでした。
状況に翻弄されて、それでも健気にがんばる受けが可愛い。
その素直さと純粋さ、でも馬鹿ではないところがグッときました。

攻めも、色々と浮き名を流す人物ではあるのに、クズさを感じさせない。
攻めの数いる恋人の一人さえも、嫌な奴だとは思えませんでした。
みんな、思うようにならない中で、それでも生きてるんだよねと思えたところが、とても貴族世界らしくていいな、という感想。
萌え要素もすべてきちっと萌えさせてくれて、切なさに悶え楽しみました。

そんな感じで、しっとりした気分で読み終わり、余韻に浸っていたら何故か小中先生の既刊本「ランジェリー男子」のお試し読みが始まったという(笑)
電書版のみのおまけ収録だと思いますが、貴族世界の恋物語の後に収録されているものとしては、あまりにテイストが違いすぎて笑いました。
でも笑ったことで、なんだかすっきりして爽やかな読後感を味わえたり(笑)
「ランジェリー男子」も面白そうなので読んでみようと思います。

4

銀髪ロング美形伯爵様×黒髪やんちゃ目美人侯爵様 歳の差20歳!

当作好きだわー。神でもいいかもと思いつつ出し惜しみ、萌2.
じわじわじわって後から嬉しさと切なさがこみあげてきますです。

国王がいて、歴然たる貴族階級がある設定。架空の国かな。移動が馬車 や
女子が大学教育を受けられるなんて話が出てくるんだけど 
18世紀ぐらいを想定すればよいのか?
貴族がサロンでお茶話で貿易の調整したりする世界での、貴族同士の
攻防戦も少々あります。

登場人物
攻めさん:伯爵。どうも侯爵より上 って設定みたい。
     爵位はよくわからん・・・
     銀髪ロン毛ヒスイ色の瞳の超美形♡男よりどりみどり状態らしい。
     最初、冷たい感じ。だんだん人間化してきます(笑)
受けさん:黒髪 10歳で貧民街で死にかけてるところからstart。
     攻めさんに拾われ、最初冷たい仕打ちでまたもや死にかけるけど、
     なんとか助かり攻めさんに可愛がってもらって
     可愛くキレイに成長・・・
     たくましい、やんちゃ、攻めさんを一途にloveです。
攻めさんのセフレ(男)やその娘、悪党代官みたいな奴(笑)、
お約束優しい執事 などが出てきます~

まあこの二人がすれ違うすれ違う。
受けは死にかけるし、お互いにケガ、病気するし、すれ違いとあいまって
切なさ 10段階評価の8ぐらいいってます。

最後は、黒髪やんちゃさんに、20歳年上の大人なはずの伯爵様が陥落して
ようやく一安心。
やんちゃさんは、百戦錬磨な攻めさんに足技なんかも見せてくれて、
おおお やるーってなとこです。
頑張る頑張る(笑)

頑張る受けさんと、クールなはずだったんだがな という攻めさんが
いいなーと思う方はぜひどうぞー
小路龍流先生の挿絵もめっちゃキレイです!

2

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