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表題作恋人までのA to Z

ザック・ミッチェル,レンタルビデオ店経営者,34歳
アンジェロ・グリー,映画好きの客,27歳

あらすじ

元カレの置いていった、いつも不機嫌な猫と暮らすザックは、ビデオレンタルショップ「A to Z」の経営に苦戦するかたわら、新しいビルのオーナー・トムとの虚しい恋に悩んでいた。そんなある日、ザックはクビにしたバイトの代わりに映画好きの客、アンジェロを雇い入れる。他人を信用せず、誰も愛したこともないアンジェロだったが、ザックの部屋で映画を観ながら、二人は次第に心を通わせていく。音楽フェスを通じて知りあったマットたちに誘われてコーダへ引っ越しする前日、一人の女性がアンジェロの元を訪れた―。夏が始まるコロラドで、ゆっくりと育まれる小さな優しい恋。人気のコーダシリーズ、第2弾。

作品情報

作品名
恋人までのA to Z
著者
マリー・セクストン/Sexton Marie 
イラスト
RURU 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
モノクローム・ロマンス文庫
シリーズ
ロング・ゲイン~君へと続く道~
発売日
ISBN
9784403560293
4.4

(37)

(20)

萌々

(13)

(3)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
10
得点
162
評価数
37
平均
4.4 / 5
神率
54.1%

レビュー投稿数10

いろんな愛

友人関係から心を丸ごと預けれるまでの流れがとても良い。
にぶちんお坊ちゃんザックがアンジェラの気持ちに気づいた時の反応!
天命受けたみたいにどーんってきて、そこからの見守り溺愛っぷり、
斜に構えたアンジェラが解きほぐされてく可愛さ、良い~

ザックをどんどん好きなってるのに友だち関係を崩したくないアンジェラがせつない。
やっと思いが伝わったね!これからますます?なのにアンジェラが本当に野良猫みたいで、ちょっと踏み込んだら逃げてきそうな雰囲気にハラハラしっぱなし。普段の掛け合いはとってもユニークで楽しげなのに!
「愛してる」に「知ってる」でしか返せないのせつない~
子供の頃の生活環境から、愛することを信じされなかったアンジェラが
ザックのおおらかさ、尊重してくれる姿、見返りを求めない愛から
自分の愛は「丸ごと預ける愛」と気づけたこと、良かったね良かったねという気持ち。

そこに至るまでの過程でのリバは愛を確かめ確固たるものにするためのガツガツした感じでこれまた良きかな。
普段のザック×アンジェラの優男風なザックの雄味増し増しな攻め方や、いじっぱりで小悪魔なアンジェラも!アナル舐めもドキドキしたー

「ロング・ゲイン~」を読んでなくても楽しめる内容だと思うけど、
その後のマットとジャレドが見れるのはご褒美!
前作では片方の視点だったのが、アンジェラから見たマットとジャレド、
お互いぞっこんなのに、それぞれ注ぐ愛の種類が違うのは興味深い。
そして何よりジャレドにタトゥーが入ってるって!
え?それを慈しむマットがいるってこと?そこ!めちゃくちゃ気になる!
今回はメインではないのにマットの溺愛っぷりすごくてのたうち回った。
マット×ジャレド好きだ~~~

アンジェラがマットに懐くのもとても微笑ましく、兄弟みたいな関わり方も良い。
お互いに恋人以外に心許せる人がいるって良いね。
マットには言えるのにザックには…というのは、ザック残念だねと複雑な気持ちだけど
嫌われたくないという心の表れなのかな。

この後、ザック×アンジェラ メインが2冊あるようですが、
あらすじだけ見るになんとも興味深い…
ザックの元カレ、ジャレドの元セフレが絡んでくるとか気になる!!!
ザックとアンジェラには課題が多いから、巻数があるという原作者さんの言葉も興味深い!!!
あ~良かったね、という終わり方だったのに、2人に何が起こるのか、
アンジェラのわだかまりはまだまだ堅かったということなのか…
マットとジャレドも登場するようなので、ぜひともぜひとも続刊お願いします。

1

パンくずの道

■ザック(レンタルビデオ屋の店主)×アンジェロ(映画好き)
視点がくるくる変わるタイプの作品です。互いの考えていることがわかる、実は思い合ってのすれ違いとわかるので、安心感があります。

ザックがあまり見ないタイプの人物で興味深かった。最初、トムといういかにも付き合っては(恋愛はもとより人として)ダメな男に振り回されるザック。ザックもアンジェロほどではないにしろ自己肯定感が低い。でもアンジェロに目覚めて、不安がるアンジェロを諭すときの彼は包容力を見せます。それも「自分はこれができないけど君はこれが出来る」という論法で、自分を大きく見せようとはしていない。しかも余りにもキャラクター違わない?という疑問を抱かせることなく、二面性がきちんとザック1人におさまっていました。

ジャレドにタトゥー入ってるなんて聞いてないですよ!電子書籍なのをいいことに全文検索かけたけど書いてなかったね。ええいマットめ大事なことを秘密にしおって。

3

遠いコロラドに思いを馳せて

一度も行った事ないけど。いいよね、BLで世界旅行気分を味わえて。私はコロラドの家の壁になりこのカップルの愛を見守った気分です。

攻めのザックはブラウンヘアで青い瞳、おっとりしたお坊ちゃん育ちの34歳です。受けのアンジェロは小柄で細身の褐色黒髪。親に捨てられ里親にも何人にもたらい回しにされて育った苦労人の27歳。気が強い。

リバが一回ありますが、攻めも最初の元彼との関係では受けだったし、長身ですがキュートな人なので違和感ありません。百合カップル?アンジェロのイラストは可愛くて萌えの塊だったけどちゃんと大きい人を後ろから攻めてる絵がありました。

ザックの元彼のトムはザックを都合よく利用する最低な奴だったのですが結果的にはこの悪役のお陰でザックとアンジェロが結ばれたと言えなくもありません。

両思いになってからもアンジェロは幼少期に大人に愛されなかった事がトラウマとなりザックと噛み合わない部分も多く本当の恋人への道のりが遠い2人でした。過去の思い出に苦しむアンジェロを焦らず辛抱強く待つザックの態度が包容力のある大人で素敵でした。前作の「ロング・ゲイン…」も好きだったのでそのキャラ達の出番も多く嬉しかったです。

レンタルビデオ屋さんのお話なので沢山の映画のタイトルや内容紹介が出てくるのも楽しみの一つです。映画好きの方はぜひ。

2

愛の軌跡

マリー・セクストン作翻訳長編の2作目。
前作「ロング・ゲイン」とは一応関連しているが、本作だけでも大丈夫。

舞台は、デンバーの西の町・アーバダ。
そこでやる気も向上心もなにもなく惰性でレンタルビデオ店「A to Z」のオーナーをやっているザックが主人公。
物語は店の客で、映画に詳しくその後店で働くようになってくれたアンジェロとザックの視点を交互に描く手法で続きます。
ザックは人生にのらりくらり。鈍感。
アンジェロはそんなザックに恋してるけど、ザックは全然気づかない。それどころか店が入っているビルのオーナー・トムのルックスに惹かれ、トムの性欲処理相手になってしまっていてアンジェロは怒り、傷つき。
そんな2人の平行線が続くのですが、ザックはともかくアンジェロの心の揺れには読み応えがあり、長さを感じさせない。
後半、ザックとアンジェロがフォークフェスで前作のCP・マットとジャレドに出会います。
前作を読まなくても多分話はわかるとは思うけど…マットとジャレドはすっかり甘々の恋人同士。特にマットがデレデレ。
この2人との出会いで、ザックとアンジェロの運命が動き始めます。
ザックはトムに楯突き、アーバダを離れてコーダに店を移転する事にします。
ザックは意気揚々、なのにアンジェロは…
アンジェロの気難しさ、愛情を得てこなかった子供時代から来ているであろう一種の愛情恐怖、好きな人と一緒でも独りになりたい心、そんなものが噴き出す。
でもそこで今までゆらゆらと鈍感に生きていたザックが懸命にアンジェロを繋ぎとめようと努力していくんですよね。
頑なでもあり投げやりにもなる難しいアンジェロも、ザックになら安心感を得るように変わっていく。それは信頼し合っているマットとジャレド、彼らの家族たちを近くで見たことも関係しています。
頼りないザックがアンジェロを包む男になっていくこと、孤独だったアンジェロが誰かを信頼できるようになっていくこと、そんな愛の軌跡の物語なんだと思いました。

舞台がレンタルビデオ店、アンジェロが映画に詳しいという設定なので、実在の映画タイトルが色々と出てきます。カルト系と言われるものもたくさん。映画に詳しい方ならそんな点でも楽しめる作品。
私個人としてはリバ描写がガッツリで最高。

2

日常系ラブストーリーにもこんなに面白いものもあるんだ

当方は、どちらかというと、BL小説でも、世界観が作り込んであるファンタジーものや歴史もの、事件・職業もの等を好み、ラブストーリーがメインの小説については、時には退屈してしまうタイプです。
コーダシリーズの第二弾のこの小説を読み、「日常系ラブストーリーも、こんなに面白く出来るんだ・・!」と目から鱗でした。小説家を目指している方にも大いに参考になる一冊じゃないでしょうか。

ビデオレンタルショップの経営者(ザック)と従業員(アンジェロ)のラブストーリーという地味目な設定です。・・なのに、出てくる登場人物もユニークで、やり取りが楽しく、彼らを取り巻く日常のちょっとした出来事に惹き込まれ、読んでいて非常にワクワクします。

ビデオレンタルショップ経営者なのに、映画の事を全く知らないザックが可笑しかった。最初は途中から出てくるコーダシリーズの第一弾のカップルに再萌えしていましたが、後半にはアンジェロの分かりづらい可愛さに目覚め、充分萌えさせて貰いましたww

アンジェロは名前通り、天使キャラ・・という設定ですが、なかなかいい性格をしています。最後まで読むと、アンジェロが天使である理由が分かります(笑)。コーダシリーズ第一弾はゲイのリアルな恋模様という感じでしたが、第二弾はプラトニックラブ(魂同士の結びつき)がテーマでした。簡単に二人は引っ付くかと思ったら、なかなか難しかったです。またクィアやルーベだのBL用語(?)を履修しました。無駄に知識が増えていく・・。

ビデオレンタルショップが舞台という事もあり、映画の話も出てきますが、知っているタイトルばかりなので、不思議な気分になりました。作家さんは、アメリカのコロラド在住の方なのに、遠く離れた所に住んでいる日本人がほぼ同じ映画を見ている。。日本は洋画鑑賞大国だなと感じました。映画の話も上手くストーリーに組み込まれていました。

これだけテンポ良く楽しく海外小説を読めるというのは、訳者さんの力も大きいですよね。モノクロームロマンス文庫は良作揃いです。作品のセレクトも訳もセンスが有ります。コーダシリーズの新作やこの作家さんの他の小説も是非是非読みたいです。

6

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