• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作虹色のうさぎ

伊旗聖・パティシエ・24才
利府響太・イラストレーター・24才

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

恋人の聖の一途な愛情によって少しずつ過去のトラウマを克服しはじめる響太だが、「普通の恋人」の振る舞いに悩んでしまい…。

作品情報

作品名
虹色のうさぎ
著者
葵居ゆゆ 
イラスト
カワイチハル 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
シリーズ
箱庭のうさぎ
発売日
ISBN
9784344838499
3.7

(27)

(4)

萌々

(17)

(4)

中立

(0)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
5
得点
100
評価数
27
平均
3.7 / 5
神率
14.8%

レビュー投稿数5

本当の意味で幸せを手にできたと実感したラスト

箱庭のうさぎの続編です。
今作では自分が大人になりきれていないと聖のことを幸せにできないと思い込みどうにかしようと頑張りすぎてしまう響太のお話でした。
箱庭の時から思っていましたが、響太のことを身体的にはもちろん精神的にもものすごく生きづらそうだなぁと。自分を卑下するのが得意でこうと思ったら一直線で自分のことは蔑ろにしがちな響太が、今回自分は今の幸せから動きたくないと認めた上でそれでも聖のためにちょっとズレた方向へ無理をしていたのがとても切なかったし、この方向性がどうやったら修正されて響太に心の余裕ができるんだろうと不安になりながら読んでいました。

最後は文句なしのハッピーエンドで大満足です。
意図せずに荒療治のようにはなってしまいましたが、やはり響太のことを救うのは聖なんだなぁと再認識できました。
聖を絶対的に信頼し心に余裕が生まれた響太の可愛いこと!読後はとても幸せな気持ちになれました!

0

あぁ好きだなぁ…!

『箱庭のうさぎ』の続編です。

恋人同士になった二人。

今回は聖と聖の両親の関係に響太が思い悩んだり、
聖が事故にあってから響太がトラウマ状態になってしまったり、
主に響太が色々とマイナスに考えこんでしまいます。

聖の為に色々頑張ろうとする響太ですが、
聖はいつまでも面倒を見たい。でも響太が成長しようとしてるからと見守っていたのですがー…。


響太が考えすぎて頭の中ぐるぐるになっている中で、聖が響太に言った魔法の言葉。
普通なら有り得ないことなんですけど、聖が言うことでほんとにそうなると思える響太。

きっとこれは共依存なんだけど、ガチガチしていなくて今回もすごく良かったです。

シリアスな展開もあるのでエッチは『箱庭のうさぎ』よりも少ない気がしたけど
最後がすごく濃厚で最高でした…!!!!

やっぱり聖が沢山響太を甘やかす光景が読んでいて幸せだなぁと思いました(*´▽`*)

0

カプの成長期

前作で心療内科行きを強く推奨したかった二人。先行きがひどく思いやられた二人でしたが、なんと当作で成長しました。すごい!愛の力って偉大(笑)。
超世話焼きパティシエ攻め+ニグレクトされていた受け(尋常じゃない繊細なメンタル)が、なんだか二人で生きていけそう!と見守る親の気分になるお話、本編のみ240P超+先生のあとがき です。
地雷というか、受けが本当にメンタル繊細で、切羽詰まって辛そうにするシーンがあるので、そういうのがツライ方はご注意ください。

攻め受け以外の登場人物は
フランス人のパティシエ、攻めの母親、前作でも出た当て馬、受けの仕事仲間等。今回受けがイラストのお仕事をめっちゃ頑張ります!

カラー口絵は、二人の肌色一色で、とってもキレイです。モノクロは全部で6枚。一番好きなのは着衣二人がぎゅしながら眠りにつこうとするところの絵。いいなーぎゅしてもらってー暖かそう。

そう、ぎゅってしてもらっている受けが、今回は攻めの幸せに思いをはせるようになるのです。どうやったら幸せなんだろう、どうやったら一緒にずっといられるんだろうって考えてます。おー成長したじゃーん ってちょっと感慨深い(笑)。いろんなことを経験して乗り越えて、最後は甘えるのが上手くなって、もう本当に安心します。よかったね、響太。

先生のあとがきにもありますが、先生のブログ→ツイートで、おまけSSも読めます。
そっちもめちゃ可愛いですよ、是非どうぞ~♡

2

ホットケーキが食べたくなりました。

「箱庭のうさぎ」の続編です。
前作でようやくくっついた2人。安定のラブラブです。
今回は、聖(攻め)に甘やかしてもらっている響太(受け)が、自分も聖を幸せにしたい、聖の両親に認めてもらえなくても響太が聖に頼り切っているだけじゃないとわかってもらいたいと、仕事の幅を広げて頑張る話でした。

読んだ直後の感想は、(幸せになって)良かった!でした。
「箱庭のうさぎ」を読んでいるときも、響太が可哀想で心が痛くて、自分を守るためになかったことにしている感情を表に出せるようになればいいのに、と思って読んでいました。今回はそれでめでたしめでたしではなく、そこから先の二人の話で、まだ課題として残っていた聖のお守りがないとダメなところから前進できました。

初め、響太は早く大人にならなくちゃと突っ走ってどんどん自分を追い詰めてしまいます。タイミング悪く聖が怪我してしまったのもまずかった。祖母が亡くなったときのことを思い出してしまって、聖が死んだらどうしようとよけいに追い詰められます。甘えたいのに自分ばかり甘えちゃいけないと我慢するからよけいに悪くなってしまって、読んでて心が痛くなりました。
響太に甘えてもらえることが幸せで、頑張らなくていいと言いたいけど、外に出ようとしている響太にそれを言うことはだめだと見守ることしかできない聖も切ないです。
響太が聖を幸せにしなくちゃという強迫観念にも似た感情から解放されて、響太が甘えてくれるのが聖の幸せだとちゃんと理解できて本当によかったです。
でも、需要と供給は合ってるんですが、甘やかされるのを当然と思うんじゃなくて、自分も恋人を幸せにしたいと思う響太には好感を持ちました。違う方向に行っちゃってましたけどね。それに、恋人になってからは、恥ずかしがらずに「好き好き大好き、誰にも渡したくない」と自分の気持ちをちゃんと口に出して聖に伝えられるのも、とてもいいです。

登場人物もいい人ばかりで、気持ちいいです。年齢的には10も違わないと思う編集者の篠山やパティシエの成原はすっかりお姉さんお父さんのようになっていて、本当にいい人たちに恵まれて良かったねぇとお母さんになった気分でした。
ただ、今回初登場の天才パティシエのローランはちょっとよくわからなかったな。いい人だったんですけど、将来一緒に店を開くと決めている恋人のシェフがいるのにいろんな人と寝てるっていう設定は必要だったんだろうか?響太はローランなりの理屈があるんだろうって流してたけど。せっかくいい人だったのに出てきたときがこれだったから最初の印象が良くなかった。

カワイチハルさんのイラストは、相変わらずとても繊細で綺麗でこのお話しにぴったりでした。欲を言えば、響太が書いたイラストがどんなだったか、ちらっとでも見たかったな。

3

新しい世界を開いていく二人が素敵です

『箱庭のうさぎ』続編です。
もう出来上がってるカップルだし表紙も甘いしね、と思って安心していてはいけない内容。序盤はしっかり甘々でほのぼのですが、結構なシリアス展開も来ました…。主役二人の成長がメインになる作品です。そういえば、前作でも表紙が甘くて油断したんでした…!!

内容としては、二人の交際をカミングアウトした事で、攻めと攻めの家族がぎこちなくなった事に心配した受けが、なんとかしようと奮闘する、といったもの。攻めの家族を安心させるために、攻めに甘え続けるのはやめ、頼れる恋人になろうとするんですね。

最初は本当に甘々でほのぼのなのです。恋人になった二人の、甘えて、甘えさせてというイチャイチャ生活。新婚のバカップルそのものです。しかし、そこから受けが成長しなきゃと頑張りだす事で歯車がどんどん狂い始めます。恋人の事を思ってしっかりしようと頑張るのって、普通はすごく前向きでいい事のはずなのに、共依存っぽかった二人だと非常に苦しい事になる…。依存していた相手に依存するのを止めようとすると、こんなに苦しまなきゃいけないの…と読んでいてかなり切ない…(つд`) お互いを思う故のすれ違いが深刻すぎるんです。少しずつ外の世界に目を向けていけばよかったんでしょうが、一気に頑張りすぎて、もうパンク寸前になっちゃうんですね。

攻めも当然そんな受けに気付いていますが、受けよりも周りが見えているので、「頑張らなくていいよ」とは言えない…。本心としてはいつまでも自分だけに依存していて欲しいけど、それじゃダメだと言う事もよく分かってるんですね。自分の気持ちに折り合いを付けながら、見守るしかないのも切ないですよね。

そんな時に攻めが事故で足の骨にひびがはいって…という展開で、もう徹底的に受けが追い詰められます。読んでるこっちもしんどくて仕方ない…!!

しかし、最終的にはちゃんと二人らしい形を見つけ、とハッピーエンドです。ちょっと後戻りした感もありますが、まぁ、あんまり頑張りすぎず、自分達のペースでいくのが一番いいよね…という感じで。

絡みは最初と最後の2回です。まぁ、出来上がってる二人なのでしょっちゅうベタベタはしていますが。(笑) この作者さんの書かれるエッチって、結構濃厚でお気に入りなのですが、今回も足舐めから入る等、濃厚です!!

閉じていた世界から、少しずつ踏み出す二人…と、とてもさわやかな読後感でした。

10

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP