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すごーく素敵な短編が4話収録されてます。
それぞれの個性が光る作品たちでした。
表題作は切ない吸血鬼のお話です。
吸血鬼が転生を繰り返す恋人と過ごすお話で、この度やっと人間に生まれ変わった恋人との蜜月。
甘い二人の暮らしに突如変化が…。
残される者の辛さを大切な人に味わせたくない、というのは永遠の命を持つもの共通の苦しみですね。
何度生まれ変わっても、何度も巡り合う、切なくてあったかいお話でした。
「モンテカルロの雨」
日本の落ちぶれ気味の中年?俳優レンさんと外国人俳優ジャンのお話。
映画の撮影のお話なのですが、この作品自体が短編映画のようでした。
ジャンの色気が半端ない。
そしておじさん受け。作者さんの濡れ場、擬音とか局部描写がなくとも、表情も過度のトロ顔じゃなくても凄くセクシー。
「ヨシキとタクミ」
わーい、ヤンキー×ヤンキーだぁ。
二人がホントに可愛い。タクミのHの時とツッパってる時のギャップも愛おしい。
こちらは他のよりちょっとエロ度高めでした。
「Be here to love me」
足フェチ先輩と美脚後輩。
これは良い魔性受けであります。
後輩君の足がホントすべすべで柔らかそう♡
カップルになるべくしてなった二人でした。
書き下ろしはヨシキとタクミ番外編でイチャイチャな二人が見られます。可愛すぎ!
「この珍奇なる本」とあとがきにあり。BLネタは果てなく浮かぶとか。すごい。
以前の短編集より更にバラエティに富んだ内容!
「モンテカルロの雨」
「ヨシキとタクミ」
「Be here to love」
どれも趣が異なりよかった。
これまでと比べて大ゴマが増えた印象。
雲田ワールドに連れていかれた!
どのお話もとても素敵でもっと読みたい!お願いします!
「ばらの森にいた頃」
正宗さーん!切ないです。
やっと恋人が人間に生まれ変わったのに。
二人の生活、バンパネラの生活、陽に少しずつ秘密を教えていく。でも同じバンパネラにはしてくれない。だってこんなことになるとは思わなかったんだもの!
残されて狂わないでねって正宗が涙を溢れさせて陽に噛み付き消えてしまって。
でも今度は正宗が猫に生まれ変わったようですね。何百年かしたら今度は人間に生まれ変われるかも。
切ないのに読後感はほっこりしました。
「モンテカルロの雨」
不思議なジャン。廉さんに憧れてとうとう共演。廉さんに男同士のラブシーンへの抵抗を無くして欲しかったのかな?謎の美形フランス人人気俳優です。
撮影ではなんと廉さんがいかされてしまって。
素晴らしい作品が作れたようですね。ジャンの表情を引き出せたのは廉さんだからですね。この先はどうなるんだろう。
「ヨシキとタクミ」
ヤンキー同士でケンカばかりですがタクミの実家の銭湯では仲良しです。ヨシキはタクミにムラムラしてるようで、あれよあれよとエッチしちゃって。
雲田さんの相手があれれ?という間にエッチにもちこんじゃうのが好きです。
「Be here to love me」
こちらもどうも後輩が最初から先輩を狙ってたのかな?先輩が後輩の体にメロメロなうちに言質も取って先輩を逃がさない感じで。いいですね!
とっても読みごたえのある短編集でした。
独特な感じがとても好きです。
あ〜もう!雲田はるこ先生大好きです!
前から先生のファンですが、この短編集を読んでますます好きになりました。
吸血鬼、映画俳優、ヤンキー、足フェチサラリーマン。
毛色の違う4つの物語。
どれひとつとっても、読後に「あれ?どんな話だったっけ?」「登場人物どんな人だっけ?」「本を閉じた瞬間に忘れちゃった」なんて事態にはなりえません!と自信を持って言いたい。
非常にクオリティの高い短編集だと思います。
切なくも官能的な表題作。
たくさんのばらと、血と、精液と。
視覚効果が高く、美しいファンタジー。
いかにも名手のショートストーリーといった、読者の想像力を利用した余韻の残し方には唸らせられます。
美しい舞台を背景に描かれた映画俳優たちの物語「モンテカルロの雨」
「ヨシキとタクミ」
敵対するヤンキー同士がどう恋に発展していく?と思ったら、銭湯で一時休戦をして裸の付き合いをする2人。
あーもう!これはビックリの可愛さ!
可愛い!エロい!なんなのこの子〜??
可愛すぎてこっちが逆上せそうになったよ。
足フェチサラリーマンと美脚で美しい後輩の、ちょっぴりアブノーマルな一夜を描いた「Be here to love me」
後輩の色っぽさに攻め同様悩殺されました…
ふんわり優しい雰囲気と少しレトロで可愛らしい絵柄に目がいきがちだけど、実は結構奇抜だったりするのが雲田はるこ流だなぁ。
舞台の作り方、小道具の使い方、表情の描き方、台詞回しの妙。本当にうまい。
その優しい雰囲気の裏で、1ページに、1コマに、たくさんの情報が詰まってるんですよねぇ。
1話なのに2話分くらいは読んだような、そんな錯覚に陥ってしまう不思議。
満足度の高い作品でした。
表題作の理解に関してはfandesu様のレビューにも助けていただきました。
そうか「ポーの一族」なんだこれ。根底にあるものの正体。
吸血鬼を指す“バンパネラ”が萩尾望都さんの造語だったことも本作を読んで初めて知りました。
萩尾望都さんは竹宮惠子さんや山岸涼子さんと一緒に、大学生の頃に漫画愛好者の友達に教えられて読んだのですが、萩尾望都さんだけ解らなかったんですよね、私にはちょっと難しく感じて他のお二方の作品に比べるとスラスラとは読めなかったんです。
雲はるさんの本作のおかげで、「ポーの一族」に20年振りに再チャレンジするいいきっかけになりました。
4つのお話が入った短編集です。
吸血鬼、おじさん、ヤンキー、足フェチとこれでもかってぐらいにバラエティに富んだ1冊で、ご自身では「珍奇なる本」などと形容されているのですが、読者としては色んなタイプの雲はる作品が読めて非常にお得感があります♪
描かれた時期も2011年〜2016年と開きがあります。
猫っ毛と落語心中をずっと描いてらっしゃったイメージの強い数年間ですが、こんな短編作品もポツリポツリ描いてらっしゃったのですね。
「ばらの森にいた頃」
数百年生きる吸血鬼と、転生を繰り返す彼の恋人のお話。
冒頭にも書いた通りで「ポーの一族」はほぼ通っていないに等しいので、私は私なりの捉え方ですが・・・
これはどう書いたらいいんだろうな、伝わるように書けるかが難しいんだけど、正宗が数百年かけて陽に渡し続けた愛情がしっかり結実したのがこのラストシーンだと思うのです。
作者の「昭和元禄落語心中」を読むと、雲はるさんが持っている孤独とか孤高の美学がなんとなくうかがい知れるんだけど、孤独は敵じゃなくて味方だよと優しく教えてくれるようなお話だと私は思いました。
何度も巡りあえることが約束されているのなら、「お別れだね」じゃなくて「また逢えたね」を大切にすればいいんじゃないかな。
陽の最後の笑顔を見ているとそんな風に思えてきます。
「モンテカルロの雨」
前途有望の若手俳優と、最後のチャンスにかけるおっさん俳優のお話。
表題作の円(輪廻)とはまた違うけど、これもまたぐるぐると回る人生の円(縁)のお話だなーと思いました。
人はこの世に生まれ落ちたら例外なく何処かで誰かに繋がってその誰かに何かを残しているのでしょうね。
作者持ち前の洒落たセンスが光ります。
「ヨシキとタクミ」
ヤンキー×ヤンキー。
これは持ってかれた〜〜〜萌萌萌
この作家様のセンスがにくいったらない!
喧嘩が終われば彼らも人の子。拳のライバルは恋愛に変換されないわけないのだ!(腐女子の持論)
「Be here to love me」
変態の域に達している足フェチの先輩と、先輩が女神と崇める脚線美の持ち主が後輩だったお話。
『ダメBL』に載ったお話らしいんですけど(2011年当時は女体っぽいのがダメだったそう)、今なら全然ダメじゃないですね。
ほんとこの数年でジャンルの幅が広がったと思います。イイコトダー(*´ー`*)
雲はるさんのあっさり描写なのにお色気ムンムンなエッチシーンもたっぷり堪能できる1編。
しっかりとオチもついてます◎
色んなお話が読めて、どれもがそれぞれに良い。色んな萌えが詰まってる作品集。
即断の「神」評価です!
【電子】シーモア版:修正○、カバー下なし、裏表紙なし