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表題作恋にいちばん近い島

奥田麦央
28歳,稀少動植物の学術研究員・博物館学芸員
遊里道翠
26歳,ボニンハウスの新寮監兼料理人

その他の収録作品

  • 愛にいちばん近い島
  • あとがき
  • 恋の箱はつぶせない

あらすじ

全財産を騙し取られた翠が、人生をリセットするために選んだのは南の島の寮監兼料理人という仕事だった。なのに赴任した先で、大好きだった初めての彼・ムギと再会。
過去に失敗した相手だけど相変わらずかっこよくて優しいムギに、まだ翠の心に残る恋の導火線に火がついてしまう。
そんななか、島の固有種の密売事件が起き...?
動物たちがかわいくて、空と海が綺麗な癒しの場所で育まれる、アイランド・ロマンス♡

作品情報

作品名
恋にいちばん近い島
著者
川琴ゆい華 
イラスト
小椋ムク 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
ISBN
9784403524271
3.8

(81)

(29)

萌々

(27)

(15)

中立

(4)

趣味じゃない

(6)

レビュー数
15
得点
302
評価数
81
平均
3.8 / 5
神率
35.8%

レビュー投稿数15

運命だな…

電話もネットも使えない暮らしのなかで育まれていく恋。
しかも初恋の人との再会モノということで
「そんなの運命でしかないじゃん…!」と、
だいぶ前のめりになって読み進めましたが
とっても冷静なムギの言動のおかげで私自身の興奮も鎮めてもらえて(笑)
彼らの恋の行方も冷静に見守ることができました。

現代人にとって玄孫島での日々を日常として想像するのはなかなか難しいものがあったのですが
"人生をリセットするため"という目的には適した暮らしで、翠はそこで半年かけて未来のことを考えていく予定だったけれど。
待っていたのは島行きを決めた時点で実は未来もはひっくり返っていたという素敵な逆転劇で、
本当にドキドキが止まりませんでした…!
こういう『運命を感じずにはいられない』シチュエーションに弱い民にとってはたまらない展開だったなと思います。

翠の抱える過去がなかなかに重たいので
運命の再会のなかにもその切なさはピリッと潜んでいて、メリハリのあるストーリーに引き込まれます。
身の回りで問題が起きたりしてハラハラつつ
少しずつ心を明かし合う様子はしっかりと甘さがあり、そして最後には良いところに着地するというテンポの良さがめちゃくちゃ心地いい作品でした。

1

離島で叶う、10年越しの再会愛

小笠原諸島に浮かぶ離島が舞台の、再会ストーリー。
「玄孫島(やしゃごじま)」、どんな島なんだろう?とググっても何も情報が出てこなくて「??」と思っていたら、先生のあとがきによるとなんと”架空の島”とのこと!(°_°)
出てくる動植物や環境など、とても架空の島とは思えぬリアルさでした。

恋愛詐欺師に騙され、お金のために来た離島で希少生物を守る研究員たちの心意気に触れ、少しずつ心持ちが変わり成長していく翠(受)の姿が良かった・:*+.

中学時代の淡い…いや、かなり濃厚な想いが再燃し、一途に攻めを想う様子は「がんばれ!」と心から応援したくなる(๑ •̀ω•́)۶
この中学時代の恋愛パートが、一番萌えました。

自分の一番好きな展開が「攻めがとにかく受けを追いかける」というものなのですが、こちらはとにかく「受けが攻めを追いかける」ストーリー。
ムギ(攻)のこと好き好き大好き!!な受け君のお話なので、一途受け・健気受け好きな方にはかなり刺さるんじゃないかと。

前半の塩対応のムギにはやきもきして正直ちょっと物足りなかったけれど、後半、ムギが言動で溺愛っぷりを発揮してくれたおかげで、なんだか報われた気がしました。
お金も愛も翠のことも、欲しいものは全部手に入れるーって力強い言葉が良かった!

1

表紙のとおりのほんわか優しいお話

大好きな川琴ゆい華先生の作品で、なおかつ小椋ムク先生の幸せいっぱいであたたかい雰囲気の2人に惹かれて購入。
幼なじみの攻めのムギと受けの翠が大人になって再開。
最初はよそよそしい2人が、だんだんとお互いの気持ちが通じ合うのが良かったなぁ。
島の研究所にいる仲間にバレないように、隠れてイチャイチャしているのが、2人の世界は幸せでたまらない…!
翠の過去の行動から、彼はちょっと頼りないような、危なっかしい感じの子だけに、ムギが翠のピンチに気付いて助けてあげるのが格好良かったなぁ。
最後は島の研究所の室長の粋な計らいで…。
室長が本当に良い人で、この人がいてくれて良かった!

島の自然、室長の人柄、幸せなムギと翠カップルが出てくる本作は、現実世界に疲れた時に読むのがおすすめです。

1

糖度の高い離島BL

読んでいて非常に萌えて癒された作品。
携帯電話の電波も届かない自然保護区の離島で繰り広げられるほのぼのとした生活描写が楽しいんです。
舞台は架空の島との事ですが、所々で事実も織り交ぜられているからか本当にありそうな島だなという気がして来ます。
稀少動物や島の固有種の保護・維持活動についても専門的に、けれど説明くさくならない分かりやすさで書かれているので入り込みやすいですね。
おじさんヤギの菊池さんも、保護された絶滅危惧種の鳥の雛「コムギ」もすっごく可愛かった!
動物たちとの触れ合いに癒され、もちろんそこで育まれる主人公カップルの再会愛も可愛くて癒される。
川琴先生作品の、あちこちにきゅんとする可愛さが散りばめられているところが大好き。
今作も、嫌な当て馬も居らずストレスなく楽しめる自然豊かな島BLでした。
小椋ムク先生のイラストもぴったりで素敵です!

全財産を奪われ、人生をリセットする気持ちで志願した離島の寮管理のお仕事先で再会したのは、中学時代に自然消滅してしまった初めての彼氏。
えーっ、そんなまさかの偶然ってある?と思いつつも、なんだか不思議と受け入れて読めてしまう川琴マジック。
前半は再会した2人が恋を育んで恋人になるまで。
後半は恋人となった2人が島でなかなかラブな時間を過ごせずおあずけ状態になったり、再び訪れる遠距離恋愛に悶々とする図…と、どちらも甘々なのですっきりと読めます。
後半なんてずっとイチャイチャしちゃってる。

受けの翠が嫌味のない素直で明るい頑張り屋な性格なのが良くて。
中学時代の家族からの嫌悪や、元彼に全財産を持ち逃げされたりと境遇的には結構不憫なのですが、持ち前の天真爛漫さと前向きさからか暗い雰囲気にはなりません。
最初は高給さに釣られていたはずが、島で生活して働く内に、島のこと・動植物のことをもっと知りたいと意識が変化していくのも良いのですよね。
翠がムギに対して全身で好き!大好き!と言う、どストレートさが本当に可愛い!
こんなの見たら可愛くて仕方がなくなっちゃうのも分かる。
一方、前半では寡黙で感情が見えにくかった攻めのムギ。
徐々に不器用な優しさを見せたり、くっついた後半ではすっかり甘さたっぷりの男となっています。
あと、意外と嫉妬深かったり熱いところがあったのも良いですね。
ムギとコムギの組み合わせも微笑ましくて好きでした。

くっついた後半の、えっちしたさに出来る場所はないかと島内をさまようカップルの図を想像して笑いつつ、人や監視カメラに見えないよう、決まった時間に小屋でこっそり隠れてするキスにときめく2人が可愛すぎるし、人に見られるかもしれないと思うと暴走しそうなのをセーブ出来るから…と密かに己の性欲と戦っていたムギにも笑ってしまう。
我慢していた分、念願のえっちが濃厚でですね!
これまた2人ともがお互いへの好きをぶつけ合っているというか、素直に「されて気持ち良いこと」や「して欲しいこと」を言葉に出して伝えるので、すーーっごく甘いんですよ…!
抱き方が優しいムギと、好きな人に抱かれてとろけてしまう翠のはちみつのようなラブと甘さに溢れたえっちでした!
最高の恋人と再び出会えて、本当に人生捨てたもんじゃないのかもしれない。
この可愛らしい2人も保護したい。


そして、人間の勝手によって増えてしまったノヤギ。
島で最後の1匹、という菊池さんの存在が可愛くも切なくて。
作中の翠が菊池さんにご飯をあげるシーンが好きで、お別れのシーンの菊池さんの反応に翠と同じくしんみりしてしまった…長生きしてほしい…
周りの人達もあたたかく優しい人ばかりですし、島で愛を育むカップルの様子が可愛くほのぼのとするけれど、ちょっぴりほろっと泣ける部分もある良作でした!

2

報われて然るべき主人公

評価高いのわかるー。
これは可愛いよ。
主役の2人も、ほとんどの同僚も、稀少動物も、本来は外来種だからここにいてはいけないはずのノヤギの菊池さんまで。
また小椋画伯のイラストも「可愛い!」以外の言いようがない。

何と言っても、結構ハードな人生を生きてきたはずなのに、自分の不幸を他人の所為にしない翠の『素直ぶり』が、とってもとっても癒されるのですよ。
恋が実った後の同時収録作品では、翠の『お人好しぶり』が泣けるしね。
「自分だけが幸せになれない」なんて思っちゃって、中学の頃からの思いが叶って、すぐ恋人の側に行きたくてもグッと我慢しようとする様な健気な子は、全世界から愛でられるべきだと思うのですよ。
こういう人って貧乏くじを引いてばかりになりがちでしょ?リアル人生では。
物語世界の中では、その努力が、その健気さが、報われて欲しいって思うじゃないですか。

ドリーム、満載!
ほっこりしたい時、癒やしが必要な時、お手に取っていただだきたいと。

1

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