一滴、もしくはたくさん

itteki moshikuwa takusan

一滴、もしくはたくさん
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神5
  • 萌×26
  • 萌1
  • 中立0
  • しゅみじゃない4

85

レビュー数
3
得点
52
評価数
16
平均
3.5 / 5
神率
31.3%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
徳間書店
シリーズ
キャラ文庫(小説・徳間書店)
発売日
価格
¥621(税抜)  ¥670(税込)
ISBN
9784199008795

あらすじ

感情や気力が枯渇する現代の奇病・枯れ人症候群――唯一治療できるのは『水師』のみ――
「あれは病人を騙す詐欺師だ」
その能力を疑う不動産屋の堤が出会ったのは、美貌の水師・保嵩。
一日の大半を寝て過ごし、起きると毒舌を吐く保嵩に苛立つ堤。だがある日、仕事の現場を見て愕然!!
倒れるまで自分の生命力を患者に与えるのだ。身を犠牲にしてまで治療する保嵩から次第に目が離せなくなり!?

表題作一滴、もしくはたくさん

堤朔眞・不動産会社勤務・32歳、九里響二・公認会計
九里保嵩・水師・29歳、堤朔眞・不動産会社勤務

評価・レビューする

レビュー投稿数3

ラストのエロティックシーンのために。

派手ではないけど、特殊設定のファンタジーBL。最初はちょっと山岸凉子先生の「甕のぞきの色」的な設定のおはなしかな……? などと思い読み始めたのですが、結末には驚かされたというか、こう来たか!というか。

あそこにたどり着かせるための、あの設定、あの展開だとしたら、なかなかに潔くて素晴らしいな!などと思いました。
あの関係が本当に「愛」なのかどうかは分かりませんが、それはそれでありなのでしょう。

性愛的な面での充足をもって、ストーリーが締められていますので、話の端緒として出て来た主人公の仕事とか会社のことがなんとなく置いてけぼりになったよう気はしないでもありませんが。

しかし、このページでは「攻め」の欄に二人の名が書かれていたりするのですが、そういうの見ずに読む方が面白いよなぁ…なんて思いました。

1

一粒で二度おいしい(古くてゴメン)

沙野さんのお話を読む前はいつもワクワクします。ストーリーがきちんとしていて読ませるお話だというのと同時に、毎回何らかの(特殊な、と言って良いのか?良いような気がする)エロ描写にチャレンジしてくれるからです。まさに「商品も良し。おまけも良し」。

大流行の『枯れ人症候群』という病(欝の重いヤツという理解で私は読みました)を煩う人たちに、自分の水(「気」みたいなものと思います)を与えることで癒す『水師』は、失った『水』を、他者との粘膜接触で補給することが出来ます。与えすぎると水師も枯れてしまう。だから多くの水師は、水量をコントロールしながら仕事をするのに、保嵩はセーブしません。枯れ人を癒すことに殉じようとしている様に見えます。
堤はそのこと自体に感動しちゃうんですね。
最初に保嵩に惹かれたのは、その儚げな見た目だったのだろうけれども、恋愛感情を自覚するのは「尊敬できる人だから」。ここ、グッと来ました。堤、いいよ。いい男だよ。
堤は自らの中に湧き出る泉を持つがごとくに、大量の『水』を持つ『水人』。だから、これだけなら「相思相愛な上にお似合いの組み合わせですね」ということなんだけれど続き「そう簡単にはいきません」ということで、そもそも2人の出会いをしくんだ保嵩の弟、響二の思惑も絡んでくる。枯れ人症候群に係る事件が多発した所為で日本全体がパニックに陥り、行政の怪しい動きも絡んでくる……って感じで、なかなかにお話のスケールはでかかったです。でも、広げた風呂敷はちゃんと畳む所は、沙野さん、お上手。

さて、今回のおまけはM/MではなくてM/M/Mでした。
それも、あまりにも不憫でせつない。
そこを読んだ時、思わず「そう来たかぁ~っ」と口に出しておりました。
家で1人で読んでいて良かった……

事件は解決したのですが、恋愛に関しては不安定な関係のままお話が終わってしまったような気がします。
でもある意味、そこがいい。
彼らのその後について妄想する楽しみも込み込みの作品だと思っております。

3

ちょっと変わった三角関係

作家買いです。沙野作品は設定がちょっとファンタジーというか特殊なものが多い気がしますが、こちらの作品もちょっと斬新な設定のお話。

ネタバレ含んでいます。苦手な方はご注意を。







主人公は不動産会社に勤務するリーマン・堤。彼視点でストーリーは展開していきます。
イケメンでガタイもよく、仕事面でも優秀であるというハイスペックな男性。

世間では「枯れ人症候群」という病が蔓延中。
何かのきっかけで、やる気をなくし行動が緩慢になるという奇病。水を異常に飲みたがるという症状はあるものの、これといって特効薬もなく「水師」と呼ばれる人にしか治せない病気。

堤はなぜか子どもの頃から「枯れ人」に付きまとわれるという経験をしていますが、それがなぜなのか堤自身には全く分からない。

そんなある日、堤の勤める不動産会社にとある依頼が舞い込み、その仕事のために赴いた屋敷に住んでいたのは「水師」である保嵩と公認会計士の響二の九里兄弟で…。

というお話。

仕事遂行のために保嵩にいいように雑用係として使われ、初めは「水師」という仕事に否定的な考えを持ってい続きたため九里兄弟に対してネガティブな感情を抱いていた堤ですが、保嵩の水師の仕事を手伝うようになり、徐々に彼に惹かれていく堤。

保嵩という青年はビジュアルは儚げで美人さんに分類されますが、口を開くと罵詈雑言が飛び出してくるというギャップ持ち。そして、水師としては有能で、自身の仕事に対して誇りと情熱をもって働く青年でもある。

そんな保嵩に惹かれていく堤の気持ちが手に取るようにわかり、応援したくなるのですが。

ここで出てくるのが保嵩の弟の響二の存在。
響二という青年もなかなか癖のある青年で、何を考えているのかわからない。
分からないのだけれど、彼の行動はすべて保嵩のためなのだろう、ということも透けてみえてくる。

「水師」という仕事。
保嵩が抱える過去のトラウマ。
堤が「枯れ人」に付きまとわれる理由。
そして響二の、保嵩への想い。

緻密に組み立てられたストーリーと、キャラのたった登場人物たち。
どうなるのかとページを捲る手が止められませんでした。

保嵩が水師の仕事を行うと、自身の「水」を相手に与えることになるため水分補給が必要になるのですが、その方法で最も有効なのが性的な接触。

という事で、保嵩は響二とも行為(挿入まではナシ)をしている。
響二に拒否られた後は堤と。
保嵩の方はそれらの行為を「セックス」とは認識していないのに対し、攻め二人が保嵩に恋心を抱いちゃってるので、これがまたなんとも切ない。

終盤で保嵩が危機に陥ったあとの行為が!
堤、保嵩、響二の三人の、 

サンドウィッチです☆

誰が誰に挿入しているのか、書いちゃうとネタバレMAXなのでここでは控えます。
ぜひとも読んで確認してほしい!

ただ、攻めが受けになる、というパターンが地雷の方にはちょっときついかな…?と思います。

でもなあ、響二が不憫だった…。
保嵩は堤と響二の二人が欲しい、と告げていて、二人もそれを了解している。
という事は、きっとこの三人はこの三人なりの関係を築いていくのだと思うのだけれど。
響二は兄ちゃんが大好きで、彼のすべては保嵩のためにあるといってもいいくらい。そんな彼が、兄弟という枠を維持し続けたいと願う保嵩の意向を組んで身を引く姿に思わず萌えが滾ってしまった…。

通常の3Pという形とはちょっと違っていて、それが面白いと思うか、はたまた響二が可哀想と思うかは、読んだ方それぞれの感じ方なんだと思います。

でもとにかく面白かった。
スピンオフが出るんじゃないかな…?という登場人物もいたりするので、そちらも楽しみです。

2

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