アナタと汚いことがしたい。

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表題作ダーティダーリン

はまさん・ホームレス
三田正児・酒屋の息子

あらすじ

カレと遠距離恋愛中のゲイ青年・正児は、
カレが元々ノンケなこともあって自分に自信の持てない日々。
しかし大柄なホームレスの青年と出会い、
周囲の目もよそに、なぜか彼を理解したいと思うようになり…。

作品情報

作品名
ダーティダーリン
著者
菅辺吾郎 
媒体
漫画(コミック)
出版社
マッグガーデン
レーベル
uvuコミックス
発売日
ISBN
9784800006998
4

(47)

(20)

萌々

(14)

(8)

中立

(4)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
12
得点
184
評価数
47
平均
4 / 5
神率
42.6%

レビュー投稿数12

ホームレス×愛されたいゲイ

ホームレスをメインに据えたBLを初めて読みましたが、すごくリアルですごく身近で、でもちゃんとフィクションですごく面白かったです。

作品を通して特に刺さったセリフがかじぃが発した「愛されたいといつまでも泣いている…哀れな子」とはまさんが言った「その親切に騙されて今ここにいます」の2つでした。

しょーじくんは生きにくいとされているゲイから見たらおそらく親にも周囲にも受け入れられていて環境としては羨ましがられるところにいるんだと思いますが、それでもやっぱり愛される、とは違うものなんだなぁと。だからこそどうにかして見ないふりをしてでも必死に自分の好きなしがみついて頑張ってる姿が周りから見たらすごく可哀想で痛々しくてしんどくなりました。

そしてしょーじくんの必死な想いに返さないばかりが向き合うこともしないはまさんに読者としてはもどかしくなりましたが、でも親切に騙されて、というはまさんが言ったセリフで、はまさんの対応も仕方ないのかと納得せざるを得なかったのが余計辛かったです。そりゃ幸せに生きてる若い子の移ろいやすそうな好きからくる親切にすがったら後から自分の方が痛い目を見そうと立ち往生する方が自然な反応ですよね…

そういうリアルに辛くてうまくいかない描写が続いた後、2人が(特にはまさんが)自分の想いや相手の想いに向き合おうと決めてからは事態が好転してトントンとうまくいき始めたのが、これぞフィクション、という感じがして物語として大満足な終わり方でした。

最後にしょーじくんが過去を昇華するところまで見守ることができて本当によかったです!

1

心がどうしようもなく動く

本作のスピンオフ「ダディダーリン」が読みたいがために、まずこちらから。
前情報全く知らなかったので…
ホームレスさんとの恋愛ですか‼︎
…と驚く。
そして、表紙に戻って「あ、だから洗ってんのか」と思いつつ読み進めて…
イヤイヤ、洗ってないやん!と。
結局ほぼラストまでずっと「ホームレス」状態じゃないか。

…というのは全部読み終わってからの感想で、読んでる途中の感想は…
「んん〜?なんかわかりづらいよー」。
冒頭の、小学生たちとの駄菓子屋さんでのわちゃわちゃからもうわからなくなってた。
それに、主人公の正児がノンケに恋するゲイで、いつもその彼に気を使って、汚いと思われないように…みたいな。
その「汚い」と、ホームレスの「汚い」を我が身に重ねちゃってるような部分が読んでてこっちも苦しくなっちゃったかなぁ。
父親が勝手になのかSNSに色々上げてたり、小学生たちにからかわれてたりも共感できなかった。
「恋愛」そのものは一種の胸アツ展開とも言える。
相手がたとえホームレスで汚くても臭くても心がどうしようもなく動く、というのはアリだと思うし、何もかも捨てて名前も自尊心も感情も抜け落ちた「はまさん」の焦点が正児に合うようになっていく感じ?そこは随分と冷静に描写されてたと感じた。

「後日談」に関しては、洗ったら美青年でした。的な展開になってて、BLとしてはやっぱこうなるよな…と思った次第です。
別に批判じゃないです。逆にホッとしましたよ。
さて、お目当ての「ダディダーリン」にすすみます。

0

割れていても嫌わないで欲しい

すごく良かったなぁー
『任侠ヨーグルト』が良かったので拝読させていただきましたが、こちらの方が好きでした^^

ゲイの酒屋・正児とホームレス・はまさんの偏見なしのラブストーリー!

正児はゲイであることをコンプレックスに思っているけど、
誰よりも愛されることを欲している青年です。
ノンケの元カレに、男同士のセックスは汚いと言われ傷つけられた過去があります。

対するはまさんは、人に騙され借金を負わされてホームレスになっています。
それ故、人を信頼できず何も感じないフリをして生きています。

このはまさん、見た目がマジのホームレスで、
女性向けの漫画ではなかなか見ない程の徹底ぶり^^;
誰もが近寄らず距離を取る中で、正児だけが手を差し伸べます。

はまさんのことをキレイだという正児は、
決して見た目に惑わされない素敵な青年だと思いました。
実際には、小ざっぱりしたはまさんはイケメンです✦
 
トラックの荷台で正児を愛しいと伝えるはまさんと、
それに幸せだと応える正児……
2人のやりとりに胸が熱くなりました。

また、正児パパや花雄さん、かじぃ……
2人の周囲の人々もとてもいい味出していました!

ちょっとネガティブだけど、
お互いのダメな所を認め合って生きていける2人だと思います。
きっと、唯一無二な存在になれるんじゃないかな^^

欲を言えばはまさんの過去をもう少し深掘りしてくれたら、
もっと感情移入できたかもしれません。



0

誰よりも心の強い2人

 ホームレスがメインキャラって斬新ですよね。序盤でお風呂に入れてあげたりして綺麗になるんだろうと想像していましたが、実際には最後の最後までお互いの家に踏み込むこともなく、ホームレスのはまさんは全身汚れた格好のままで。彼の見た目や臭いに左右されず、一貫して中身を見続けた受けの正児は芯が通ってるなぁと思いました。他人の偽りの親切に散々騙されて今に至るはまさんが、正児に親切にされたからといって安易に絆されないのもリアルだなと。彼らのような人達に施す親切はあくまでこちらのエゴであって、相手が必ずしも好意的に受け取るとは限らないということを、忘れてはいけないなと感じました。

 生活環境のまったく異なる2人がこうして徐々に相手の本質や長所を知っていき、他の誰が何と言おうと自分は相手の魅力を胸を張って言えるぞ、というくらいにまでなれるのが素晴らしかったです。彼らはたまたまホームレスとゲイという括りにされる人達だったけれど、もし仮にそうじゃなくても、相手の本質を見ようとしてくれる人達だっただろうと思います。仕事を得てさっぱりしたはまさんには、ホームレス時代から変わらない優しさで正児を包んであげて欲しいですね。

0

正直、親父組が気になって

この本のスピンオフ「ダディダーリン」が良かったので、こちらも購入。
酒屋の息子・正児は、自分の店の手伝いと、隣の駄菓子屋と駄菓子屋のじいちゃんの世話に日々を過ごしていますが、ある日現れた大柄なホームレスの男性に、ある事件をきっかけに好意を持つようになって…。

最初、このお話の、どこが「ダディダーリン」につながるのかと思いながら読んでいたら、正児くんの父親とかじいの息子として、妙に気合の入ったオッサンが登場してきまして、この二人のただならなさは?と思っていたら、ようやくカバー下で「ダディダーリン」へのつながりが。
最初からこっちの「ダーティダーリン」を読んだおじ好きさんは、このカバー下の爆弾読んでさぞ気をもんだろうなと、
そんな美味しい設定の話があるなら早う寄こせや!って叫んだろうなと、
私だったら、叫んでたと思うよ。

0

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