電子限定おまけ付き
モフモフ好きには堪らない。萌えあり、涙ありで、絵も綺麗で大満足です。読後はほっこりとした余韻で幸せになれました。
人間に捨てられ、醜い(可愛いけど)もののけの姿になってしまった「けだま」をご主人が拾ってくれます。
けだまは人間の姿になり、ご主人に恩返しをしようといろいろ尽くしてくれるのですが…
その甲斐甲斐しい姿が堪らなく可愛いのです。
けだまに残された時間が迫ってきたり、ご主人がピンチになってしまう場面は切なさマックスです。
お互いがお互いを大切に思っている気持ちがすごく伝わってきました。ラストもみんな幸せになれるので安心です。久々に心が浄化できました。
受けが超可愛い&美人で超ロングヘア、家事も完璧なので、BLでなくてもと思う部分もありますが、私はそんなBLも大好きなので良かったです!
ふらり やって来たノラ猫を迎え入れて、家族になって 大きくなったお腹を見て驚いて 5匹の仔猫が産まれて、やせっぽちのノラさんが立派に母猫になったのが何だか嬉しくて、仔猫はこの世のものとは思えぬほど可愛らしく。
でも毛の色に少しずつ白髪が混じりはじめ、丸々していた体も痩せて・・・
そんな、一生覚えていたい 愛猫と過ごした時間を思い出して、“けだま”とうちの猫ちゃんが重なって、3話くらいからページを捲る 涙を拭くの繰り返しでした。今さらですが、一冊まるまる表題作です。
“けだま”が立派な猫又になれなかった理由は とても切なく、猫又にはなれないけど人型に変化できたのは、とてもとても大切なものをやり取りしたお陰。
風変わりなご近所さんや、ご主人さまの会社の同僚がたまに登場しますが、ほぼご主人さまと けだまの日常でストーリーが展開していくので、この少し不思議なお話の世界に ぐっと入り込むことが出来ます。
流れる時間はゆっくりと静かに感じられますが所々で描かれる、人間の身勝手さ 消せない後悔…などがピリリと効いて、ふわふわした印象だけに止まらせない。
この作品は、あまりネタバレのないレビューにしたいな…と思ったので自分の飼い猫話の方が長くなってしまい、何だか申し訳ないです。
最後に、カバー下にも『ご主人たら』『けだま予報』『ご主人の胸きゅん』『しあわせ』の四コマ漫画が載っています。本編の前に読んでも萌が満たされますが、やっぱり本編後に読んだ方が愛しさ倍増ですね。
非現実的な話が読みたいなぁと思って出会った作品です。が、個人的にこう髪の長い美男子を見るとどうも一歩引くところがありまして…。
でも大好きなメガネとモフモフを連想させるけだまに惹かれて思いきって手にしました。
結果からいうとダメでした(泣)もちろん良い意味で!!
猫系のキャラってやっぱりツンツンしてる感じかと思うんですが、このけだまちゃんに至っては全くといっていいほどツンがありません。
もう一生懸命でいじらしくて健気で本当に可愛い!!
そしてその姿に涙。ダメですよ、ホント(泣)
何より気に入ったのは、けだまちゃんの言葉遣いです。ご主人様を慕っているのが端々から感じられます。
久しぶりに何度も読み返したくなる作品に出会えた気がします。
猫好きさんにもそうじゃない方にもオススメしたいです。
もふもふがお好きな方なら、この丸くてふわふわな存在がたまらなく愛おしく感じるはず、というか嫌いな人はいないと思います。
猫のもののけというか、もののけの出来損ないが街の片隅で震えていたところ攻めに拾われて…という始まり。
けだまと名付けられて同居を始めるんですが、このけだまが猫をまんまるくさせたような生き物で死ぬほどかわいいんです。かわいいよー。うちにもけだまが欲しいよー。
攻めのことをご主人さまと一心に慕い、ご主人さまのお役に立ちたい!!と失敗しつつもそりゃあもう健気に一生懸命頑張ります。
時には人間の姿で、時にはもふもふのままで。
かつて猫だったころ捨てられたものの人間を恨めず、人間に愛されたいという気持ちが強くて中途半端なもののけになってしまったけだまと、新妻に先立たれ自責の念に捉われてどこか世捨て人のようになっていた攻めが、不器用ながらもこだまを可愛がり、少しずつ心の拠り所を取り戻していく様子がこれまたいいです。本当にピュアな二人。
後半は、もう涙涙です。
自分の末路を悟ったけだまの願いは健気で切なすぎるし、けだまが生まれてきて良かったと思えた縁側のシーンはなんと穏やかな幸せとそして哀しみと透明感に満ち溢れていることでしょう。涙無くしては読めぬ。
そして、ようやく自分が役に立てることを知った末の満足そうなけだまの顔ときたら…
あれにはもう泣けて泣けて仕方ないです。
でも泣いてばっかりではないのでご安心を。
その後の描き下ろし、そして電子版の描き下ろし(4P)カバー下の漫画がこれまた超絶かわいいもふもふけだまが堪能できるので、むふふ〜とニマニマしちゃいます。
初読み作家さんですが、画力の高さ、線の美しさに驚きました。
けだまのもふもふ感はこの線の繊細さがあってこそ。
人間の姿のけだまの髪の毛も流麗ですし、本当に絵が綺麗でウットリです。
飼い主に愛されず捨てられたが、人を憎めなかったためになりそこないの妖怪になってしまった猫妖怪の「けだま」。
どこにいても、「汚い」「ゴミ?」「可愛くない」「出来損ない」「半端者」といじめられ、行き場なく町の隅でうずくまっていたところをご主人に拾われます。
「けだま」とご主人に名付けてもらえたのが嬉しくて、一生懸命ご主人に尽くすけだま。でも、ご主人は以前奥さんを亡くしていて、生前、自分の口下手さ、不器用さゆえに奥さんを大事にしてあげられなかった自分をずっと責めています。
だから、けだまにどれだけ尽くされても、「自分は奥さんを大事にできなかったように、けだまにどれだけ尽くしてもらってもうまく返せないからやめてほしい」と苦しみます。
これが切ない…けだまは尽くせることが嬉しくて一生懸命頑張るけれど、ご主人はそれが心苦しくて、すれ違ってしまう…。
でも、やっぱりどんな時でも自分の苦しみを顧みず、一生懸命ご主人に尽くすけだまな、ご主人は心奪われていくんですね…。
もうね、本当にけだまがとにかく一途で健気で可愛い。損得とか全く関係なく、自分に名前をくれた、名前を呼んでくれたご主人に尽くしたくてたまらない!というその献身っぷりがただただ愛おしいです。
終盤以降は徐々な不安な展開になります。
けだまはなりそこないの妖怪なので、実はとても寿命が短いと分かります。もし本気で人間を恨んでいれば、猫又になり、長寿になれるんですが…けだまは憎みきれないんですね…。
その後、ご主人ともっと一緒にいたいと願うけだまですが、徐々に人型に変身できなくなったりと、自分の寿命が僅かだと悟るようになります。
そして、そんな時にけだまとご主人がたまたますれ違い、けだまを探している時に川で溺れそうな子猫を見つけたご主人が溺れてしまいます。
瀕死のご主人を助けたくて、自分の余命を全てご主人に注ぎ込んでしまうけだま。ご主人のためなら死んでもいい、それが幸せだと愛を込めて死ぬけだまに号泣します。
ご主人はその後、病院に運ばれ一命を取り留めますが、けだまの亡骸は、川辺で泥だらけになって打ち捨てられたまま…亡骸のけだまが笑顔なのもつらいです。
けだまをなくして、茫然自失のご主人。
どこを探しても見つからず、寂しさを紛らわせるようにお酒に溺れていきます。もうけだまとご主人は二度と会えないのかな、と思いきや、記憶を全て失った状態で、けだま(人間に変身したver)が転生します。
誰か分からないけど、すごく優しい男の人に愛されていた気がする…この記憶はなんだろう…?と疑問に思いながら過ごす青年。
そしてある日、泥酔したご主人とけだまは再会します。一目見て、けだまだと分かり、感動に震えるご主人。唯一の記憶に出てきた男の人だ!と驚くけだま。2人はのちに同棲を再開するようになり、互いの記憶を埋め合うように愛し合う…というお話でした。
2人が健気で、一途で、もうとにかく切なくて愛おしい。
小石川先生の絵がまた素晴らしいのです。けだまの健気な表情、ご主人の、無愛想ながら、けだまへの想いを秘めた表情が情感を込めて描かれていて、その表情を見るだけで号泣します。
モノローグやセリフのロマンチックさも素敵です。ご主人とけだまの、互いへの思いやり、思慕がこれでもかと溢れていて、愛に溢れた言葉たちに涙と鼻水が止まりません。
本当に本当に素敵な物語でした。
何度も読み返したい宝物です。