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表題作専制君主のコクハク ぼくのプロローグ8

天才イラストレーター・風見慎一(26)
新人作家・月充ひかる(22)

あらすじ

大人気シリーズお待ちかねの続編登場!素直でかわいい、新人小説家・ひかると、世界的な天才イラストレーター・慎一のスペシャル★ラブコメディ!!

作品情報

作品名
専制君主のコクハク ぼくのプロローグ8
著者
ゆらひかる 
イラスト
桜城やや 
媒体
小説
出版社
角川書店
レーベル
角川ルビー文庫
シリーズ
ぼくのプロローグ
発売日
ISBN
9784044376109
3.7

(4)

(0)

萌々

(3)

(1)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
15
評価数
4
平均
3.7 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

まさかのライバル登場!涙なしでは読めません!

僕プロシリーズ第8段!
前回、最後に登場した気になる人物は、慎一を捨てていなくなった初恋の女性・小夜子でした。
彼女の登場で、これまでにない程、すれ違う慎一とひかる!
相手を想い合う2人の繋がりの強さ、生き様に感動して、ハラハラし通し&せつなさたっぷり大泣きする巻です。

前半は、慎一の個展&画集出版パーティが開かれ、慎一に関わるユニークな著名人達に、パワフルで楽しませてくれるじゅん先生や、ひかるの可愛らしいパーティ衣装など、明るいエピにほのぼの。

慎一にも、漫画家のアシをしていた下積み時代があったことにも驚きでした。
オレ様だけれど、周囲に愛される人柄であることが仲間達の言動からも伝わってきて、ひかると一緒で嬉しく思い…
慎一が、絵描きとして大きな成功を果たし、人としても成長しているのは、ひかるの存在のお陰であることが再認識できたのが、とても嬉しかったです。

パーティ後は、クリスマスイブ&恋人一周記念日をホテルスィートで過ごす2人。
もうラブラブ甘々!
お風呂場にバラの花びらを浮かべて、熱く甘い時を過ごす2人に酔いしれさせて頂きました。
しかも、やや先生イラストが、私のテンションをあげてくれます。
バラの花びらを取るために、手袋をはめる慎一の表情イラに萌ました(笑)

それとは裏腹に、ひかるの心はどんどん不安になっていきます。
気持ちに整理がつかないひかるは、怖くて小夜子が会いに来たことを慎一に言えません。
彼女との失恋がきっかけで、絵描きになったと言う慎一。
そんな絵描きの慎一を好きになったひかる。
そして再会を果たした慎一と小夜子。

ここからは、ものすごくドラマ展開になっていくので目が離せませんでした。
『信じろ、待ってろ』の言葉を残して…小夜子に会いにいく慎一。
行かせたくはなかった…けれどひかるは慎一を信じると決めたから、最終的に会いに行くことを許します。
携帯電話も忘れた慎一と連絡も取れず、時間だけが過ぎていき…⁉︎

残される辛い気持ちは痛いほど分かっている筈なのに、いつもオレ様な慎一にしては、らしくはない行動の数々にイライラさせられ!
小夜子のひかるに対する言動の数々にムカムカさせられ!

『出航』と『港』の二枚で一対だといった絵を眺めながら、慎一を待ち続けるひかる。
自分の中の慎一の存在の大きさ、慎一なしでは生きていけないくらい、愛おしく想う、気持ちの強さをを痛感し、小夜子に惑わされ、不安を募らせながらも、慎一を信じ、自分の気持ちを偽らないよう、ひたすら心を強く持って耐えぬこうとする、ひかるの健気な姿に胸を締め付けられ!
私自身も色んな葛藤が芽生えて大変でした。

こんな時に限って、頼りになるじゅん先生は不在だし、やっと苦しむひかるを助けようとしてくれたのは、天敵松村だし…しかも今回は凄くいい人に徹しているものだから、歯痒くて仕方ありませんでした(笑)

松村の大活躍でひかるも慎一を取り戻すため動きだすんですけど…再び悲劇に見舞われるんです。

家族を欲してある慎一の気持ちを知っているからこそ、再び葛藤し始めるひかる。
病院に運ばれる位、身も心もボロボロなのに、そんな状態でも、ただ求めるものは慎一だけ。
ただ待つことしか出来ないひかるが可哀想でならず、普段は慎一贔屓の私も、今回ばかりは馬鹿野郎と何度も叫びました!

ページ数的にはそうでもないのに、激動の日々を文章で余すところなく丁寧に書かれているので、慎一がいなくなって再会を果たすまでが物凄く長く感じさせられます。
だから、2人の思い出の場所で、一対の絵により再び巡り合わせてくれたシーンは、ドラマチックなあまり感動して涙涙でした。
(ここでも、抱き合う2人のやや先生のイラが素敵で涙を誘います)

その後の、激しく確かめ合うように…深く繋がろうとする2人のシーンに魅せられ、珍しくエロシーンにも関わらず、涙が止まらないまま読み続けました。

今回は、慎一•ひかる•小夜子•松村4人の、それぞれの恋する気持ち合戦でした。
感想としては、恋愛は難しいな〜と!
自分が1番に想い、想い続けていると信じていても、必ずしもその恋愛が実る訳ではないんですよね。
でも、信じたいから…諦めたくない結果、その片恋が醜く、見苦しい形として映ってしまった小夜子。
彼女も可哀想だと思うし、女性としての気持ちも分かるから同情もするけど、ひかるを大いに泣かした点では許したくない方でした!
その点松村は、大分大人になったな〜と思います(笑)

慎一とひかるは今回の件で、互いの大切さを身に沁みるほど再確認し合い、それぞれ大きな山場を乗り越え一層絆を深めたと思います。

『俺は1人の絵描きとして、物書きのお前を愛している』と告白する慎一の言葉をが胸につきささりました。
同性とか異性とかに関なく、想い方や想いの丈は、その人達のそれぞれの生き様も映し出すものだな〜と感慨深ったです。

これで、ひかるの長かったプロローグが終わり、今度は2人で刻むプロローグのスタートラインにやっと立ったのでは!

今回の最後も気になる所で終わっているものの、2人はどんな試練が訪れても離れたりしないことが分かっているので、心配なく先を安心して読めそうです。

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前彼女が登場して最大の危機

ぼくのプロローグシリーズ8巻です。
シリーズ最大のシリアスで、山場です。
慎一の前の彼女が出てくるので、苦手な方はご注意。

天才イラストレーター・風見慎一(26)俺様執着攻め×新人作家・月充ひかる(22)天然一途受け
展示会に慎一の前の彼女の小夜子が現れて、不安になるひかる。
彼女に会いに行ったまま、慎一が帰らなくなって。
電話をしても彼女にシャットアウトされて、会えなくなって。

ずっと慎一とひかるの間にあった影というか棘が、前の彼女の存在です。
慎一に絵を書かせたきっかけであり、いまもなお思いを残す程の爪痕を残した人で。
ひかるの不安と動揺が激しくて、見ているだけではらはらしてしょうがないです。
そんなに慎一を好きだったのかと、ひかるの激情と執着がすごいです。
あの松村がいい奴で驚きますが、それ以上に慎一以外を愛さないというひかるの覚悟に驚かされます。
慎一の相変わらずの俺様ぶりに、あれだけ心配させといて、全く!とも思いますが、彼らしくて安心しました。
ひかるを手に入れた事で、既に過去の傷は癒されていたのだと、恋人としての絆の深さが嬉しくなります。
2人の通らなくてはいけない試練であり、乗り越える壁だったので、辛いですが必要なエピソードだったと思います。

エロ:★4 お風呂でのH、誘い受け
総合:★4 慎一側の動きが一切わからなかったのが気になるので、★4

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