表題作カルネヴァーレ

クラウディオ・ガゼッラ、シチリアマフィアのドン
白瀬里玖、クラウディオの恋人で健気で可愛い青年

その他の収録作品

  • AFTER
  • SHAMPOO

あらすじ

「僕の悪魔」「憂える天使」番外編。
ガゼッラ一家がヴェネツィアのカルネヴァーレに遊びに行くお話です。

作品情報

作品名
カルネヴァーレ
著者
成瀬かの 
媒体
小説
サークル
ひみつの、はなぞの。<サークル>
ジャンル
オリジナル
シリーズ
僕の悪魔-ディアブロ-
発売日
4.3

(3)

(1)

萌々

(2)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
13
評価数
3
平均
4.3 / 5
神率
33.3%

レビュー投稿数1

里玖の決心により、クラウディオとの関係が少し変化

2段組で100頁。表題作と短編2話+2015年3月配布ペーパー再録。

「カルネヴァーレ」
 ―あなたのためなら、なんでもできる。

 翼がついた天使の衣装を試着した里玖は、マンマ、キアラ、フェランド、テオに褒めそやされる。テオが『リクの足って臭くなさそう』と言えばキアラは『それどころかミントのにおいがするわね、きっと』と言い『フケとかもわかないし』『小鳥と話ができそう』『つまり天使だな』と総括するフェランド。
 そこへクラウディオが着替えに戻る。手伝わせてもらえない里玖は、血で汚れた着衣を次々にゴミ袋へと投げ入れながらバスルームに消えたクラウディオに、伴侶なのだから守られるだけでなく守りたいと思う。その後、無事を願って眠る里玖がふと目覚めた時、荒んだ瞳で自分を見下ろすクラウディオがいた。ベッドに招き入れると縋りつくように抱きしめられて、翌朝目覚めると腕の中ではクラウディオが外出着のまま熟睡していた。

 ― 以前。カルネヴァーレの写真集に興奮する里玖は、オーダーメイド衣装で参加しようと言い出すキアラに狼狽えるが、フェランドは「ドンはいつも里玖への罪悪感をなだめる方法を探しているから後込みする必要などない」と言った ―
  
ヴェネツイア出立当日の朝。
 里玖が「みんなは天使という虚像の僕を見ている気がする」とフェランドに言うと「俺から見ても里玖は結構天使属性が高い」「この家の者は里玖にいつまでも綺麗で無垢な癒やしの存在でいて欲しいと願っている」と言われる。
 
そして1週間の休暇は始まる。
 護衛たちと一緒のディナーの席で、敵リッカルドに放逐されたダニエーレ相手にクラウディオは、里玖を「うちの女どもの人形」だと言い、自分を守る方便だと理解していても本当に人形みたいだと思って落ち込む里玖。
 翌夜明け前、一行は仮装してサン・マルコ広場へ。悪魔の衣装のクラウディオと天使の衣装の里玖は注目の的で、クラウディオが里玖を抱き上げる「悪魔に愛でられる天使の図」に観衆はどよめく。そんな中、里玖は東京から来た女子大生2人に声をかけられるが、愛称とメルアド印字のカードを渡しただけで別れる。
 その後、人々から逃れようと路地裏に入り道に迷っている時、里玖はペスト医師の仮装のダニエーレに攫われそうになり頬にキスされる。
 また、観光中にレンツォはペスト医師に脚を撃たれる。酷いショックを受け『悪いことばかりしてきた罰だ』と涙を溢れさせるマンマの姿に、里玖は天使になる決心をし『僕は全部知った上でここにいる。もし僕が天使なら全部赦す。だから安心して』と赦しを与えて微笑む。遣り取りを聞いていたクラウディオに『こんな重荷を負わせるつもりなどなかった』と言われて、自分が本当の意味で覚悟を決めたことを自覚し、クラウディオのために必要なら何だってするとも思う。その後、ダニエーレ始末の話し合いに同席が許される。
 アックア・アルタの夜、フェランドは悪魔にテオは天使に扮してペスト医師を誘き出し始末するが、本物のダニエーレはマッシモの裏切りでホテルの部屋に入り込んでいた。人質にとられた里玖は、クラウディオの眼前で乳首とペニスをいじくられ、マッシモがダニエーレをナイフで刺した拍子にセックスドラッグを注射されてしまう。そのせいで淫らにいやらしく乱れまくるが、クラウディオに失神させてもらいやっと眠りにつく。

ヴェネツィアから戻った2週間後。
 レンツォの退院祝いパーティー。里玖はテオとベネツィアでの写真を眺めて笑顔。クラウディオとアンドレア、フェランド、車いすのレンツォ(里玖に秘書業務を仕込む予定)は喫煙休憩中…マッシモは隔離された修道院を工房に与え軟禁中、リッカルド殺害を優先でダニエーレはその道具にする…後、クラウディオは「平気で他人の命を奪う自分たちがありふれた幸せを望むのは身の程知らずなのだろう」と思いながら里玖の元に向かう。

「アフター*壱」
 シチリアに戻って1ヶ月ほど経った頃、キアラからの電話を受けた里玖はカルネヴァーレの衣装を持ってイギリスに遊びに来ないか?と誘われる。フィオレンティーナがネット上で里玖たちの仮装写真を見つけたらしく、誘われなかったのでロベルトの城で仮面舞踏会を開く気でいるらしい。返事を渋るも、新婚旅行のつもりで来るよう誘われるとクラウディオに聞いてみると返事。

「アフター*弐」・・・あたし(女性ではない)視点。
 SNS上の友達からもらった天使の仮装をしたふっくら可愛くて幸せそうな画像のコが、白瀬里玖だと気づき泣きそうになる。画像をクラスの掲示板に載せると女性陣は白瀬だと断言。あたしは同意コメントを打ち込んでから手元の白いカード画像を見つめる…そこに記載されているのは「RIKU」という名と何処かのURL。

「SHAMPOO」・・・「カルネヴァーレ」のベースとなった話。
 バスルームでクラウディオの髪を洗う里玖。そして、クラウディオにキスをして静かに抱擁し合う2人…昼間。里玖は、かかってきた電話を取ると受話器から『人殺し』と喚く声が聞こえたので、詰め所の男に電話の子機を渡し「この電話を受けたことクラウディオには内緒にしておいて」と頼む。
 深夜。出迎えた里玖に、硬い表情のクラウディオは『おやすみ』とだけ告げて中に入る。『ドンは難しい仕事を片付けてきたから、とても疲れている』と言うアンドレアに「そうだろうと思った」と日本語で呟く。
 クラウディオは寝室でも距離を取ろうとし、里玖は有無を言わさず抱きつき、体中にキスしながら彼の穢れや罪が全部自分に移ってしまえばいいと思う。漸く『リクは知っているんだね。私が何をしてきたか』と言って抱き返してくれるが「髪を洗ってあげる」と言うと、哀しげに微笑む。「クラウディオは僕をアンジェロって呼ぶけれど、汚い仕事の後は僕に触れられないって言うんなら僕はディアブロ悪魔の方がいい」と日本語で呟く里玖。

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