小説

  • Dark Candy (表題作 「かいじゅうたちのいるところ」)

Dark Candy (表題作 「かいじゅうたちのいるところ」)

  • 同人

表題作Dark Candy (表題作 「かいじゅうたちのいるところ」)

桂英治
志緒の恋人で高校国語教師
結城志緒
桂の教え子で恋人の高校3年生

その他の収録作品

  • ぐりとぐら
  • 夕鶴

あらすじ

「雪よ林檎の香のごとく」番外編
おとぎ話になぞらえた短編3本を収録した短編集です。

作品情報

作品名
Dark Candy (表題作 「かいじゅうたちのいるところ」)
著者
一穂ミチ 
媒体
小説
サークル
MICHI HOUSE〈サークル〉
ジャンル
オリジナル
シリーズ
雪よ林檎の香のごとく
発売日
4.6

(3)

(2)

萌々

(1)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
14
評価数
3
平均
4.6 / 5
神率
66.7%

レビュー投稿数2

桂と志緒のみずみずしい恋

おとぎ話をモチーフに、桂と志緒の恋がみずみずしく描かれています。

「かいじゅうたちのいるところ」
恋人同士ではあるけれど、まだ体を重ねてはいない二人。志緒が高校三年生の、夏休みのお話。
志緒の妹は、絵本「かいじゅうたちのいるところ」の『たべてやるからいかないで』に、いつも大興奮。志緒は、理解できない、と桂に話します。数日後、「食う」って性的な意味が大きいしね…なんて考えながら、桂が帰宅すると、志緒が眠っていて…。
絵本のセリフそのままに、志緒に愛を告げる桂が可愛くてたまりません。初々しい二人のやり取りに萌えます。

「ぐりとぐら」
志緒が大学4年生の夏休み。おうちプールのぞき犯を志緒が追いかけた話の後日談です。
りかと妹に、カフェで“ぐりとぐらのパンケーキ”をおごり、誰にも言うなよ、とくぎを刺した志緒。桂の部屋に泊まった翌朝、パンケーキが食べたくなって、朝食に作ります。
「ぐりとぐら」のビターな読み解き方に、心を揺らされます。恋の苦さに思いを巡らせる志緒はもう大人なんだな、と感じたお話でした。

「夕鶴」
桂を好きになり、桂の昔の恋を知った、15歳の志緒。二つの恋に、「夕鶴」を重ね合わせ、やがて“大人の恋”の深さを知っていきます。志緒の真っ直ぐさが眩しいです。
初めて結ばれた後、二人はこんな話をしたのですね。思わず本編を読み直しました。

本編をもっと好きになる、素敵な短編集でした。

1

童話をからめて

「かいじゅうたちのいるところ」

美夏のお気に入り絵本の話。
『たべてやるからいかないで』の場面で、キャーと手足をばたつかせて喜ぶ妹に「何がそんなにツボなのか、引く」という志緒(笑)

「食う」という表現には、性的な意味合いが含まれることがあるよな、と考える先生。

ある日、志緒が寝ぼけて呟いた「おなかすいた」という欲望の言葉に…。

志緒が高校生の頃のお話なので、悶々の時代ならではのお話。



「ぐりとぐら」

ある日、大きな卵を見つけたぐりとぐらが、森のみんなと協力して大きなカステラを作るお話。
凡人な私はカステラ美味しそうぐらいの感想しか覚えてない(笑)

朝食に志緒が作ったホットケーキを食べながら、「ぐりとぐら」の話題に。
志緒は小さい頃読んで「怖かった」と。
その感性がもう志緒らしい!!観点が違う。
志緒の感想に先生も「サスペンスになっちゃったじゃん」と、ホットケーキを食べる手が思わず止まる(笑)

「夕鶴」

15歳の志緒には分からなかったことが、時間が流れ分かるようになる。
先生の感想も「若いねー」から「志緒だね」に。


一穂さんのセンスに脱帽な一冊です。



3

この作品が収納されている本棚

ちるちる評価ランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP