色悪作家と校正者の不貞

iroakusakka to kouseisha no futei

色悪作家と校正者の不貞
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神7
  • 萌×24
  • 萌4
  • 中立1
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
5
得点
64
評価数
17
平均
3.9 / 5
神率
41.2%
著者
 

作家さんの新作発表
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イラスト
 
媒体
BL小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
価格
¥620(税抜)  ¥670(税込)
ISBN
9784403524431

あらすじ

実はファンだったが絶対近づくまいと思っていた人気作家・東堂大吾(とうどう・だいご)に、その校正担当者・正祐(まさすけ)は行きつけの居酒屋でつい声をかけてしまった。心の支えでさえあった大切な大好きなキャラが、彼の新刊の中で死んだことが許せなくて。「今殺したいくらいあなたが憎いです」。自分の正体を隠していた正祐だが、ある日ついに大吾にバレてしまい……。書を愛する、水と油、対照的な二人の、ビブリオ・ラブコメ!!

表題作色悪作家と校正者の不貞

東堂大吾・小説家・30歳
塔野正祐・校正者・27歳

その他の収録作品

  • 色悪作家と校正者の八郎
  • あとがき

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レビュー投稿数5

小説が人生にもたらすものについて書いていると思うんですよね

電子書籍で読了。挿絵、あとがきあり。

出版関係のお話を書くと菅野さんのお話はとても面白いです。
これはやはり、菅野さん自身が小説家というご自分の仕事をすごく好きで、誇りを持っていらっしゃるからだろうと思うのです。

華やかな家族から浮いてしまって、愛されているのに孤独を感じて来た校正者が、やはり孤独を感じざるを得ない生育歴を持った小説家の作品に惹かれ、延いてはその本人にも惹かれていく過程を描いているのですが、ドタバタにも近い二人の言い争いと、それに相反する大吾の寂しい心象風景が一つのお話の中で矛盾せずしっくりと解け合っているのは菅野さんの持ち味。

それと同時に、この本は『小説というフィクションが人生にもたらすもの』を教えてくれる本だと思います。
大吾は塔野の執筆する時代小説の登場人物を心の支えにしてきたのですが「ああ、実生活で困難にぶつかった時、私も小説の登場人物を頼りに頑張ったことがある」と思いだし、塔野がその人物の死に必然性があることを大吾に話す度に「うん、そうだ。いつか必ず人は死ぬ。たとえそれがフィクションの世界の中でも、その時は来て、それを書かなければ嘘になってしまう」と納得する。
そして私も思い出しました。
そうやって本を読んで来て、同時に実人生も積み重ねてきて、リアルでもフィクションでも、沢山の人から影響を受けて今まで暮らして来たんだなぁ、ということを。

BLっていうのは、時々こんな風に人生について考えちゃう作品があったりするから面白いジャンルだなぁ。しばらくはこのジャンルから離れられないな。

相変わらず、菅野さんの文体は癖があって向いていない方もいると思います。
もってまわった言葉を選ぶ処もなきにしもあらず。
にゃんみさんが仰っているように、言葉のリズムを重視していらっしゃるのかなと思いますので、古典の授業が嫌いでなかった方は向いていらっしゃるのではないかとも思ったりします。

ここから先は書くかどうか迷ったのですが、菅野さんは長い経歴をお持ちの作家なので書いてしまいましょう。
『毎日晴天!』の最新巻をお好きな方であれば、このお話は読んだ方が良いと思います。
主題が同じだと思うのですよね、あのお話と。

3

文章が合わなかった

菅野さん、お名前はよく拝見していましたが、たぶん初読み作家さんです。
最初の数ページであまりに文章が合わずにびっくりしました。ここまでの拒絶反応は初めてでとても貴重な体験だったので、なぜ合わないのかを自分なりに分析してみました。

まず目が滑るように感じ始めたとき、登場人物の名前だけが妙に目につきました。書かなくても伝わる文章にも主語を付けている、なので一ページ内で同じ名前を読む回数が他では類を見ないほどに多い。そこを煩わしく感じてしまったのかもしれません。
一番合わなかったのは読点の位置で、意味を伝えやすくするための位置ではなく、リズムが心地良く感じられる位置に付けている。二度読みすれば意味もすっと入ってくるので快感になりそうな文章ですが、物語に没頭しにくいです。

そんな感じで読んでしまいましたので、中盤からはただただ苦行でしかなく。登場人物も行動の意味が分からないことが多々あり、読後は疲労感だけが残ってしまいました。
これを読み応えに変換できればよかったのですが、お話もそこまでして読むほどの魅力を感じられなくて残念でした。

ここまで合わない文章があるのか、という衝撃を受けた記念の記録です。

1

文学作品がいっぱい

校正者の正祐(受け)は自分が担当している作家・東堂大吾(攻め)の作品で大好きだったキャラクターが死んだことを悼んで一人飲み屋で通夜をしていた時、当の作家が「試しに一人殺してみた」と話しているのを聞き、我慢できずに声をかけてしまいます。その時から飲み屋で会うたびに言い合う関係になります。
正祐の校正は重箱の隅をつつくように細かく、大吾には不評だったのですが、ある日とうとう正祐の書き込みに怒った大吾が正祐の会社に殴り込みに来、正祐が担当だとばれてしまいます。

正祐は映画監督の父、女優の母、姉、アイドルの弟と華やかな芸能一家において唯一の鬼っ子で全くなじめない幼少時代を送っていました。そんな正祐を気遣った祖父に引き取られるのですが、就職後その祖父が亡くなってしまいます。正祐はそのことをずっと受け入れられないでいました。

大吾は戦場ジャーナリストだった父を早くに亡くし、再婚した母に反抗し、祖父に引き取られます。今生に全く未練のなかった祖父が大吾を引き取ったことに未練が生じ、死にたくないと泣いたことが衝撃で自分は何も持たないと心に決めるのです。

未練になるようなものは何も持たないと心に決めた攻めが校正者の受けに執着する話かと思ったのですが、ちょっと違ったように思います。
はじめの軽快な言葉の応酬はとても面白かったです。
変人同士の正祐と大吾とのやり取りは言葉で殴り合いしているみたいで面白いし、変人の正祐と一般人の感覚をもつ同僚の篠田とのかみ合ってないようなやり取りは楽しかったです。
こういうのが続いたら楽しかったと思うのですが、大吾に担当校正だとばれてからの展開は私にはちょっと好みではなかったです。
大吾が正祐との認識のすり合わせをしようと襲撃してきたことはわかりますが、怒鳴りあいになり、「殺すか犯すかしないと気が済まない」と思ったとしても実行するのはどうなんだと思いました。大体、それに従う正祐にも理解できなかったです。
正祐は大吾の作品を愛していると豪語していたましたが、関係を持った後牛裂きの刑にしたいと何度も考えるほどなのに、その後時々呼び出されても素直についていくところをみると、実際には大吾のこともはじめから愛していたということなのでしょう。
そして大吾は一度関係を持ったら責任を持つというのはただの義務感なのか本当は違う感情からなのか。私はもう少しわかりやすい愛が好きなのでこの二人に共感できないしよくわかりませんでした。

自分の情事を小説の参考資料にするデリカシーのない行為も受け入れられませんでした。そのことを全く悪びれないのも納得できない。
正祐視点なので、何も持たないと豪語する大吾がいついなくなってもおかしくないと常に空虚な気持ちでいるのも辛くて。大吾がどういう気持ちながかがさっぱりわからなくて、読むのがしんどかったです。
もう少し正祐に執着するとかあるとよかったのですが、私には情人だといいながら自分の都合の良い時だけ呼び出す都合の良い相手として扱っているようにしかみえませんでした。
ただ、大吾が逝ってしまった人をいつまでも放せない正祐を諭すところはよかったのです。祖父の死からずっと立ち直れなかった正祐がやっと離れることができて本当によかったと思いました。ただ、いかんせん祖父の代わりになるはずの大吾があてにならない。
ちゃんとお互いを持とうと話した後でもやはり熱量のあまり感じない(特に大吾)二人の関係にはもう少し一緒にいたいとかなにかないのかと思って不満でした。
それは絡みにも感じました。濃いと正祐は言っていますが、全くそんな風に読み取れる描写がなくて本当に濃いのだろうかと思ってしまうくらい、淡々としたものだったと思いました。

二人とも様々な作品を読み込んでいるので文学作品や作家や絵本がたくさん登場します。知らない作品もありましたが、自分の記憶の中にあるそれを呼び起こすのはとても楽しかったです。

登場人物も皆濃い人ばかりでした。
正祐のブラコンの弟は自分勝手なようで兄を心配するかわいい弟だったし、居酒屋大将は二人を宥める好々爺だし、同僚の篠田は一番普通の感性をしていて正祐との会話が楽しかったし、社長の正祐への評価と態度は面白かったです。
一人でいることを選んでいた二人がお互いを持とうと思ったのだから仕方ないのかもしれないですが、細い糸でつながっているだけに見える関係はなんとなく不安に感じるので、もう少し熱量をもった二人の話が読みたかったです。このお話はシリーズ化されていて、後2作はあるということですが、この先どう
なるのか少し気になるところです。

2

2人の会話に笑わないでいられるわけがない

最初から最後まで面白かった1冊。
あとがきまで読んでしまう面白さに脱帽です。
受けも攻めも最後までキャラのブレもなく。
本当に楽しめるお仕事ものBL。

歴史校正者として働く正祐が勝手に行う1人お通夜シーンから始まるこのお話。
え?どういうこと?と思いながら読み始め、分かった時には
攻めさんの作家・東堂とかなり言い合ってました。
この2人、1冊の半分は言い合ってるんじゃないか…?と感じるほど
ひたすらに言い合ってます。
ますが、傍から見れば変わり者同士の痴話喧嘩。
会話も内容も凡人には着いていけない(着いていきたいとも思わない)。
文学に知識を持ってる2人が出会えば、こんな会話ばかりなのか…!
と思える、ある意味阿吽な関係なんです。
正祐の「スケキヨ…」は、今思い出しても個人的にツボなシーン。
そんな変わり者2人に関わる、校正者の篠田や鳥八で小料理を提供する百田
実は家族想いの光希…と挙げればキリがない脇役さんもいい味出してます。

あと、このお話の魅力といえば数々出てくる文学作品。
知らないものから有名なものまで深く掘り下げて紹介してくれる
(会話がマニアックすぎて勝手に宣伝してる風な感じ)ので、
読んでみたいな、そんな視点で読むのか…!と
新しい発見や興味をそそられる事間違いなしです!

菅野ワールド、是非お試しあれ!とオススメしたい1冊でした。
続編もあるようなので、そちらも文庫化されるといいな…

5

皆一癖あって面白い!

菅野先生の本を読ませていただくのは2作目。普段読んでいるのと一風違っていてとっても新鮮でした。
小説家×校正者のお話なんですが、話し言葉にも関わらずとても言葉が丁寧。
表現が文学的といえばよいのでしょうか、時々辞書ひきたくなります。
森鴎外の高瀬舟だの山椒大夫だのが話題にあがったりもします(笑)

また、お恥ずかしながら校正者という方のお仕事内容を、今回初めて知りました。お仕事話がお好きな方は「面白い!」と思うのではと感じます。
キャラはどの人をとっても一癖あるとしか言いようのない方々で、とっても魅力的。萌えるか と言われるとそういう要素はあまり印象に残らず、キャラたちがとても面白い!という点で、萌2よりの萌 です。
本編:ディアプラス2106年ハル・ナツ号に掲載された本編220P超+後日談ショート書き下ろし18Pほど。(ホントに2106年って書いてあるんです、本編からひっかけたネタかと思いましたw)
地雷はあまり思いつきません。せつなさ+お笑い と感じます。
尚、当カプで既に2作、ディアプラスに掲載されているそうです♡

お話は、校正を生業としている正祐が、西荻窪の居酒屋で酒を嗜みつつ、好きだった人物(小説の登場人物)の通夜を心中でしていたのですが、どうにも我慢できず、横に座っている作者にくってかかるところから始まります。その後もその居酒屋を通じてその小説家と交流というか喧嘩というかが続いて・・(すいません脱字修正)

大好きな挿絵話をちょっとだけ。
挿絵の麻々原先生の描かれる正祐が本当にぴったんこでうっとりします。ちょっと寂し気な表情を描かれたら、№1じゃないだろうか・・そして本編、ショートとも中表紙があって、嬉しい~本編中表紙は、やんちゃ顔の大吾がかっこよいです。ショートの中表紙はなんとぷりっぷりの牡蠣♡です!牡蠣食べたいー

****************以下は、より内容に触れます

タイトルにあげたように登場人物が皆面白いんです。
正祐:国民みんながしっている女優の息子でめっちゃ女顔の美人さん。
   ある理由により4年前からずっと一人の人を悼んでいることと、
   生来の性格などから表情筋があまり動かない、ちょっと残念な人。
   私は小一時間ほど説教垂れたくなりました。
大吾:小説家。野性味あふれる男前。傲慢、俺様、自分勝手、
   なんだかありとあらゆる悪口を書けそうな方。なんでこんな奴に惚れるんだか・・・・
   こいつにも説教垂れたいが、口では負けそうな気がする。
光希:正祐の弟。絶対ブラコン。アイドルグループのセンター。
萌:正祐の姉、女優。演技力抜群らしいが父親似な容貌。正祐は恐ろしくて近寄れないらしい。
篠田:正祐の同僚。割合まとも。
あと、正祐の母(女優)や校正会社の社長、出版社編集さんも少し出てくるのですが、もうどの人も可笑しくって可笑しくって、超楽しい。

途中、しっかりした印象の文章に少し読み疲れたのですが、そのおかげで一気読みではなく、二日に分けてじっくり楽しめました!続編では、光希のブラコン話を読みたいと思っているのですが、どんなお話だったんだろう?楽しみです!

2

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