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色悪作家と校正者の不貞に続く2作目。面白い。BLとしての恋愛面とか色っぽさとかで評価すると?な部分もあるかもしれませんが、とにかく二人の心の通わせ方、紡ぐ言葉が盛大にツボに入っていて、また麻々原先生が描かれる攻め受けがこれまたぴったり過ぎて神。俺様傾向が1作目より弱めになったようなイケメン小説家と歴史考証専門の会社に勤める校正者のお話です。今回は、別の作家さん(こいつが非常に面白い!大好き!)と1作目の時に熱望した受け弟(きらきらアイドルグループのセンター!)が出てきました~やったー!ディアプラス掲載分170P弱+書き下ろし50P超+あとがき+最後に麻々原先生の描かれた受け弟図(ラブリー♡)です。
地雷は思いつきません。これ1冊ではあまりに勿体ないので、1作目をちら読みでもして気になった方はぜひ1作目からどうぞ。喘ぎ声など色っぽさを求めている方は、また別の気分の時にw
お話は1作目で恋人同士(受けはその文字列を思い浮かべてないかも)になった二人が、西荻窪の行きつけの居酒屋「鳥八」で蕗味噌をつつきながら冷酒を嗜んでいるところから始まります。時代小説で名を馳せる大吾と丁寧に真摯に校正を行う正祐(まさすけ)が知り合ってもうすぐ1年になるなと大吾が言うと、いつもは文語体か!というような口調の正祐が「あなたが記念日覚えてる系だったなんてマジウケる。どん引き」(!)というもんですから、大吾は思わず正祐の額で発熱してないか確認し・・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
伊集院宙人:新進気鋭の小説家、23才、美しければなんでも美味しくいただく系w
塔野光希:正祐の弟、アイドルグループセンター、キャッチフレーズは「宇宙の女は俺のもの」(爆)
あと、正祐の同僚の篠田や勤務先社長、フリーの校正者(♀)などが出てきます。
正祐の母(女優)、姉(女優、強烈な模様)などは出てこず、無念。
*********以下は好きなところ
いろんな文学作品(今回は高瀬舟、くいしんぼうのあおむしくん、鬼平犯科帳など)が出てくるところや、二人のお互いを想いゆっくり考えて紡いでいる言葉の数々がとても好き。自分の語彙力、表現力の乏しさがほとほと悲しくなるのですが、「好き」としか言いようがない(泣)ぷぷっと思わず噴き出す二人の掛け合いがたまりません。掛け合い好きな方には是非 とお勧めしたいです。
本編は、新しく出てきた作家さん(現代口語で、歴史考証ぶっとばしのお話を書く売れっ子さん)が正祐love♡となるお話。書き下ろしはスキャンダルを起こしてしまった弟ちゃん♡が、正祐の家に匿われて大吾と知り合うお話でした。どっちも楽しいー。弟ちゃんはブラコン炸裂か!と思ったら違った。でもこれはこれで「おお」と思ういいお話で読後感最高でした。お楽しみになさってください。
先入れ先出しでレビューしてかないとな と思ってたのに、この本だけは我慢できなかったw
先生、楽しい本、本当にありがとうございました!あー楽しい。くいしんぼうのあおむしくんは読んだことないので、これから手に取ってみます!!!
私、このシリーズがすごく好きかもしれません!
「好きかも」という、非常にあやふやな曖昧表現なのは「ひょっとして、あたしの読み方は間違っているかも」という不安があるからです。
私、このシリーズで笑えないんです。
むしろ、泣けてくる。
それも泣けてくるなんて穏やかなものではなく、号泣しそう。
最近涙もろくなっている(加齢のためですね)のは認めますが、それだけじゃないと思うんです。
以下、文章の引用も入りますので、苦手な方は回避してください。
多分、正祐というキャラクターの所為だと思うのです。
彼は社会からはみ出すほどではないけれど、リアル社会に違和感を抱き、フィクションの世界に没入したまま大人になった人。文学馬鹿ではあるけれど、社会人としての常識もちゃんとあるし、熱はないけれど家族や(特に弟)自分よりも未熟な者(今回の場合は宙人)に対する愛情も持っている。
でも、彼が熱くなれるのは文学に対してなんです。
彼を支えているのは文学なんです。
そんな風に28年間生きてきたはずなのに、そしてこれからもそう生きていくはずだったのに、恋をした所為で彼は赤児に戻ってしまいました。
赤児は自分の感情に振り回されます。
自分を持てあますほどその恋に振り回されて、自分にはいらないものだと思っていた『恋に付随する諸々の感情』に気づいてしまって激しく動揺する正祐の様は、確かにコミカルなんですけれど、私はとても哀しいものの様に感じてしまうのです。
特に今回は、正祐が動揺する度に大吾の元を訪ねてしまうこと、これがとても哀しかったのですよ。
彼の頭はこのことを「間違いだと本当はわかっている」んです。
でも、やってしまう。
「あとはおまえの方で考えろ」と言われて、それが正しいと分かっているのに腹が立つ。甘やかしてもらいたいと言えないのです。だって彼は本当の赤児ではなく28歳の大人なのですから。
唯一正祐のやりたいことが「まだ話したことのない一番好きな小説の話を、大吾にしたかった」……これ、泣きたくなりませんか?
私、多分、正祐を他人とは思えないのだと思うんですね。
彼を透かして私のある一部分が見える様な気がするのです。
だから、正祐の一番好きな小説の話を聞いた後「大事な話をちゃんときいてやらなくてすまなかった」と大吾が言った時、またしても号泣しそうに。
このシリーズは、菅野さんが全世界の文学少女(あるいは文学元少女)に向けて書いてくれている様な気がしてなりません。
読み終えた後「しあわせになってもいいんだ」と、今回も思いました。
いらない蛇足。
物語の中で大吾が正祐を若紫になぞらえるのですが……これ、ダメでしょう!
紫の上は光君の無理解に絶望してお隠れになっちゃうんだよ。
「捨てるぞ」って言っているのと同じだよぉ。
荒々しく強引に、けれど同意を持って流れを作るような攻めに受けの身体と心が絆された1巻から…
2巻は受けが恋とはどんなものなのか身も心もようやく本当に知る話。
1巻から関係が落ち着いたように見えていたけれど、受けの心の幼さを同僚も攻めも危惧していたように…その幼さを突く嵐が訪れる。
自分でも気付いていなかった受けのそんな幼さを少し成長させてくれる展開も、アップダウンする心理描写も読んでいる中で恋の醍醐味を味わえて良かった!
攻めは受けを相応に大人として扱っているのに時々幼子にするように窘めたり、見守ったり、導いたりしていて文字通り先生のような在り方なのもおもしろかった。
(作家“先生”ではなく指導者としての…)
相変わらず2人の情事はその言葉の応酬も全て詩的というか、他者を割り込ませず2人だけに通じているのにそれが読者には伝わって、作中で表現されているように艶めいていて大変良かった。
本編もすごく好きだったけれど、実は書下ろしの【色悪作家と校正者の弟】がページ数も結構あって、読んでいて凄く楽しかった!
タイトル通り受けの弟が登場するのだけれど、アイドル業をしている弟が受けの家に来る話で、攻めも含めた3人で話す内容も興味深い。
まず、受けが敬語ではない事、柔らかい言葉を使うのが新鮮で好ましい。職場で歳上の人と接していたり、作家先生と接していて敬語の受けしかほぼ見たこと無かったから、弟にお兄ちゃんしてる姿を長く見られたのは嬉しかった。(1巻でも弟と話すシーンはあるけれど…)
私は第三者目線でそのCPを語る話を読むのが大好きなので、弟を通して2人を見るのがくすぐったいし楽しかった。
兄と弟はちゃんと兄弟愛で結ばれてるのに、すれ違っているし、なんなら攻めの方が弟の気持ち分かってくれているズレ方がおもしろかった!
1巻から今もだけど弟が兄を凄く大事に思ってくれているのがより伝わる話で、兄と兄の恋人を通して弟自身も成長に繋がるその連鎖も人との繋がりを大事に思わせてくれて素敵だなと思った。
最後に…1巻から今回も作者様のあとがきを読むのが楽しみだった〜
作中に出てくる文豪たちの作品や絵本は登場人物が作者様の考察を代弁しているのかなと思ってきたけれど。
改めてその作品たちについて触れてくれていて、このあとがきを読むことによって、より作品が味わい深くなった。
あと販促ペーパーについての話も出ていて…どこか遠いいつかでもいいので纏まってくれたら嬉しい…それか我慢できずに買い集めるかも…凄く読みたい気持ちになった。
作中にもある『山椒魚』についてのお話も作者様のご意見が大変印象的。昔は否定的に思っていたのに年を経て肯定的になるという変化も『山椒魚』のディスカッションについてだけでなく他の物事にも通ずるところがあるな、としみじみしてしまった。
「歳を取ったということなのだろうけど、あまり悪いことだとは思っていません。知っていくってこういうことなのかもしれないと、また新しい本を捲りたいです」と作者様が仰るように思考の変化も楽しみつつ私も新しい物語を吸収したいなと思ったし、まだまだ難しいけれど作中に登場した作品の制覇も頑張りたいなと思った。
子供の頃からの読書好きさんには特に楽しめるシリーズだと思います。
BLではあるのですが、ここで登場人物たちの言葉で語られる本たちについては、知ってたら自分の体験や感想と比べたり、知らなくても興味を持ってまた新たな扉が開かれる・・・な感じでも楽しめます。
今回は新人類(古い・・・)の宙人くんが、二人の当て馬的な感じで登場します。
この宙人くん、結構私は好きなタイプです。
案外素直で可愛いかったです。
そして、正祐の弟君とのお話も。
ふたりの関係性に興味惹かれました。
大吾さんの時代錯誤な亭主関白ぶりが、浮世離れした正祐にはあってるなと。
続きが楽しみな作品です。
こちらの作品を読むと作者様の知識量と正しい日本語の美しさに感心します。
そして大吾と正祐の会話のやり取りが小気味良くて笑ってしまうのです。
ですが今作の途中から「毎日晴天!」シリーズでイライラした部分と似通ったものを発見してしまってから楽しめなくなってしまいました。
それは初心で恋というものが良く分かっていない正祐のままならない気持ちと苛立ち部分でした。
もちろん「毎日晴天!」に似たキャラは居ません。ただモダモダしてままならない気持ちの表現をずっと引っ張って行く作風が嫌いなんです。(ファンの方すいません)
こちらの作品は「毎日晴天!」よりはまだましでした。
でも正祐の弟のお話が無かったら萌止まりだったと思います。
それから新人作家の宙人が受け付けられなくて具合悪くなりました。好き嫌い別れるキャラだと思います。
続作で苦手意識が払拭されることを期待します。