SS付き電子限定版
家族愛絡みにはめっぽう弱いので泣きました。
1度ならず読み返すたびに泣けて都度ティッシュが必要になる。
帯に書かれている【愛と再生の物語】が沁みます。
7話かけて丁寧に描かれており本が分厚く読み応えあり!
ああ…すごく良かった…っ!!
受けと親を亡くした甥っ子が父子関係を築いていく過程で
攻めのトラウマも救われていく…、と展開する再生物語です。
恋愛というより無償の愛の深みを感じるお話に思いました。
登場人物は大人2人と子ども1人。
ですが、ストーリー内容は大人1人と子ども2人に感じる部分もありました。
幼少期のトラウマを抱え愛情不足のまま育ち、不安定さのある攻め。
母親を亡くして表情が消え、小さな体に寂しさを抱え込んだ甥っ子・歩。
受けはそんな2人に必死で愛を伝える。
寂しさが少しづつ解けていくのが伝わります。
歩の立ち位置が非常に良い。
空気を和ませる可愛い存在だけでなく大切なキーパーソンです。
攻めと歩の間にある空気は、作者さん曰く"魂の双子のような通じ合い"とされてます。
「受けの家族だから」という理由で仲良くしているのではなく、個々の人間として繋がりがキチンと描かれており、胸に刺さる場面もありました。
攻めには「愛とは奪うもの」という歪みがあります。
だから幸せそうな人を見ると自分も欲しくなる…。
受けに愛されてる歩が羨ましく、同じように受けに愛されたい、欲しい。と思ってしまいー。
でも歩は自分の幼い頃の境遇と既視感があり、奪っちゃダメだと苦しみます。
歩には幸せになってほしい、奪いたい、受けの愛が欲しい、でも奪えない。
愛を分け与える事が出来るという発想がないのが何とも切ないです…。
どこか常に影を落としているストーリー展開ですが、その度に暖かな言葉が沁みました。
受けのストレートな優しさは"キレイゴト"に思えるかもしれない。
けれど"キレイゴト"では人を愛せないし、相手には伝わらない。
幼少期のトラウマで愛が歪な攻めは、受けのストレートな優しさから逃げます。
けれど受けは諦めず、伝わるまで何度も強く言葉を口にし…。
もぉぉぉ…クライマックスでは涙ダパダパでした(´;ω;`)
萌え的な一押しは、
攻めが受けを押し倒した時の「嫌がらないで」がズキュンと。
縋るような表情で、ちいさな子どものようにも見えます。
元ホストで人を誑かす能力は抜群なのに、素の表情は子どもそのものでギャップにやられました。
不器用さが愛おしいわ…。
そして、最後の最後、カバー下を見てジーーンと(;ω;)
体格は攻めの方が大きいけれど、精神的にはこんな感じなんだろうな。
物語を象徴するようなイラストがとても良かったです。
文句なしの神作品!泣けました!( ω-、)
南月先生の作品は本当に温かいお話ばかりで、大好きです。
過去に母親を病気で亡くし、薄情な叔父に引き取られ愛に飢えて育ったせいで、他人が大事にしている誰かを奪うような生き方をしてきた陵。事故で亡くなった姉に代わり、慣れない子育てに戸惑いながら甥の歩を育てる勇一。
自分の叔父と違い、愛情を持って歩を育てる勇一に牽かれながらも、これまでに自分がしてきたように歩から勇一を奪うことはできないと葛藤する陵が切なかったです。勇一を欲しいと思う陵の気持ちも、これまで傷つき続けてきた陵に寄り添いたいと思う勇一の気持ちも、恋愛というよりは家族愛に近いのかもしれませんが、歩を含めた三人の関係をすごくいいなと思えました。
カバー裏のショート漫画が三人の関係を端的に表してて笑えました。陵は、愛情を求めてるという点では、歩よりもちょっと大きい小学生くらいですね(笑)。
こちらの評価がとても高く、設定も気になるものだったので購入しました。
他の方もおっしゃられている通りBLというよりは家族愛をテーマにされているような作品です。
受けの勇一さんはとても真っ直ぐで純粋で他人を放って置けないタイプ。そしてほだされ受け。とっても好みです。
そして攻めの陵さんはイケメンで過去にトラウマがあり闇を抱えるギャップ萌え男性です。最初と中盤と終盤でまったくイメージが変わります。オラオラ系かと思いきやヤキモチやきで可愛い男性。ギャップ萌えな私にはどストライクでした。
ストーリーも素敵でしたが何よりキャラが光っていました。甥っ子ちゃんもカワイイ。
それから、良い意味で表紙と中の絵の印象が違いました。表紙はふんわりした印象ですが漫画は線がはっきり描かれておりとても綺麗でした。陵さんの切れ長のクールな目に惹かれること間違いなしです。
少しでも購入を迷っていらっしゃる方全員に手に取って頂きたいなと感じる本当に素敵な作品でした(*^^*)
先のレビュアー様の「家族愛」というキーワードが目に入って、今読みたいものが読めるのではという期待から手に取ってみたら、これがもうめちゃくちゃ良くって!
感想はタイトルの通り。期待以上でした!
コミック1冊にしてはやや厚め(250ページ)の作品ですが、ストーリーはさらに読み応えあるもの。表紙から想像した感じよりもはるかに重さがありました。
特に攻めが救われるお話が好きな方は読んで損なしの1冊だと思います!
この物語の本当の主人公は攻めの〔陵〕。
そして、物語の重要な立ち位置を受けの〔勇一〕が引き取った子供〔歩〕が担っています。
歩と勇一の関係を陵の存在が変えて、勇一と陵の関係を歩が繋げて・・・陵と歩は「魂の双子のように通じ合っていて」とあとがきに書かれていますが、これに少し補足するなら、魂の双子っていうのは足りないところを補い合える、似ているけど正反対の2人。それが陵と歩で、2人の関係性もまたこの物語をより一層面白くしています。
子育てモノのBLは今や珍しいものではなくなってきましたが、本作のような位置付けで子供が登場するのはなかったパターンかもしれません。
私が思うBLジャンルの心地良さのひとつに「恋愛だけでなく広義の愛を描いているお話が多いこと」が挙げられるのですが、こちらはまさにそんなお話で、3人がそれぞれに1対1で心を通い合わせていくのがとても良かったです。
全体を見渡せば「家族愛」の物語であり、3人の三角形の一辺一辺には恋愛や魂の共感などまたそれぞれの物語が詰まっている作品でした。
読後の印象を一言で言い表すなら、“ほどける”かな。
“解放”よりももっとおだやかで柔らかなイメージだな〜って考えて、この言葉がフッと頭に。
勇一は「歩の親代わりを頑張らなきゃ」って気負い過ぎていた気持ちがほどけて、歩は「勇一に捨てられないようにしなきゃ」って我慢し過ぎて子供らしさをなくしていた心がほどけて、陵は・・・
陵のモノローグを最後に一文だけネタバレさせてください。
──いつしか俺は歩と自分を重ね
「もしも勇一に引き取られていたのなら……」
そんな妄想に癒されていくような錯覚を覚えた
最後の一行に陵の色んな思いが読み取れてしまい、一気に決壊しました。(T_T)(T_T)(T_T)
紙派さんにとっては酷な仕様なんですが、本作については電子特典のSSまで込みでぜひ。
彼らの3年後のお話です。
最後の答えが陵はずっと欲しかったのだろうな。
これまでの陵にはきっとこの質問を投げられる相手さえいなかっただろうから。
【電子】シーモア版:修正○(修正が必要なコマはほぼ無いですが)、カバー下○、裏表紙×、電子限定SS(5p)・電子限定イラスト(1p)付き
家族を失った痛みを抱える3人の優しくて温かいお話でした!
3人の中でも一番過酷な環境で生きてきたのは陵だけど、陵の抱える痛みは読んでて私までヒリヒリしたよ(☍﹏⁰)
陵の、歩に対する一方的な共感だとか、アレが欲しい。っていう渇望とか、コレじゃなかった。っていう落胆や、強烈な羨望には私自身が共感する部分が大きくて、心理描写の生々しさに脱帽。
ライバルでもあり、一番の互いの理解者でもある陵と歩の関係性も良かったぁ(;ω;)
巻末に魂の双子。って描写があったけど、この3人の中で、共鳴って意味で言えばこの2人が一番強いんだろうなぁ。って思います。
陵が歩と自分を重ねて癒されていくように、
勇一も陵が少しずつ苦しみが減っていく事で、
勇一自身が抱える苦しさや辛さを乗り越えて行けてたのかなぁ〜とか、想像したり…。
ただ、ただ…
必要なシーンだったのはよく分かるんですが
「それでも親は親だとろ--ちゃんと話せば-」って台詞にかなりモヤっときました( -᷄◞ω◟-᷅ )
っても、そんな事言えちゃう勇一だからあんなに心がキレイなんだよな〜 ( ˃ ⌑ ˂ഃ )