特典付き
綺麗だって 好きだって 言ってくれてありがとう
読後感がとてもきれいなお話でした。
エロは少なめですが、お互いの気持ちが丁寧に表現されていると思います。
派手さはないですが(キャラクターは華やかな世界ですけど)わたしにはじんわりと切なく好きな話です。
本のページが残り少なくなって、読みながらもう少し続きが読みたいな、ここで終わりなのが少し残念な気持ちになりました。探せば続編っぽいのあるのかしら。
ずっと気になっていた作者さんで絵もきれいだし、買って良かったです。
原作ありの作品とのことですが、良くも悪くも雰囲気漫画的に終始していたのかなと感じました。とても絵は素敵ですが、受けも攻めも感情の揺れ動きが目に見えては薄く感じてしまったので、実際は色々と思う所があるのだろうなというのは勿論感じたのですが、そこに説得力を持たせる厚みが足りなかったのかな、と思います。
ラストもあ、そういうことなのかな? と思いはするもののふんわりとした感じなので、好きな人は好きだけど好みが分かれる描かれ方なのではないかなと思いました。そういう描き方が情緒的なのはわかるのですが、個人的にはもっとはっきりわかりやすく描いて貰った方が良かったかも。と、モヤモヤ感が残る読後感でした。
私同様、想像にお任せする系のエンドが苦手な人は楽しめないかもしれません。
気になりつつ、何故か今まで読まなかったyoshi先生のこちら。阿賀直己先生のコミカライズなんですね。
コミカライズって、どこか会話が説明的になるような印象があったのです。
でも、yoshi先生の他作品の読んでから、「あれ?これyoshi先生だよ!」と、気がつきました。(遅すぎますが…)
読んで思ったのは、コミカライズだけど作画の行間がちゃんと有るんだなぁと言うこと。
穿った見方してましたから、反省しましたね…
とにかく、先に述べたように絵に行間が有る。
谷も十和田も、会話がぽんぽんと弾むタイプじゃないのですが、表情とか動作で魅せるんですね~
じっとストーリーにはまることが出来ました。
作画がきれいで、丁寧に描かれていてとても良かった。
十和田は、美しい自分をもて余し、綺麗と言う言葉から逃げてきたひと。
谷は、綺麗なものが好きで、それを型にはめた見方で受け入れてくれない周囲から逃げてきたひと。
本当の自分は、誰かに愛されたり、価値を見いだしてもらうことで自分自身も赦されるのかな。ちゃんと、自分が自分として生きていて良いと認識するのは、何と言うか嬉しい。
他のひとも愛したくなるんだよね~!
おずおずと、互いを確認しながら近づくの、たまりませんでした。
十和田が、谷にいものスープをねだったり。
シャンプーしてってねだったり。
谷は、そんな十和田を受け入れて甘やかすんです。
この2人がちゃんと恋人になった場面、かなりぐっときました。
はあ。読んで本当に良かったです。
ほんまこれ、最後の4ページまではすごく素敵で、感動しながら読ませてもらいました。
家族や友人に対してゲイであることを隠し、普通であることに拘ってきた青春時代を送った谷くんと、複雑な家庭事情から美しいことはいけないことだと思い込まされてきた十和田くん。
そんな二人が少しずつ思いを重ねていって、そこから通じ合うものがあって、身も心も結ばれて…からの、病院。
いや、あの確かにね、十和田くんの出演映画が死ネタものだったり、伏線はあったと思うんだけどね。いや、でも、そっからどうなるのよ。
読後にこう想像の余地というか妄想を楽しむ手法なのかもしれないけれど、ハッキリ言わずにどうも「不治の病にかかってるらしい。そして余命わずからしい」と匂わせて、二人が泣きながら抱き合うところで話が終わってるので、申し訳ないけども消化不良というか、で、オチは??としか思えなかった。
しかもこれ、原作がアンソロジーの短編小説で、ほぼほぼ内容も変わらずなので、原作を読んで補完できるわけでもない。そして、どっかで続いてるわけでもない。
こちとら無粋で下世話な凡夫でございますので、こう言う話なら息も絶え絶えになった相手の手を握って、残される方が名前を呼びながら泣き叫ぶところまでやってもらわなきゃカタルシスがないのですよ。そんでもって「その後…」とかで墓参りとか思い出の場所とかで泣き笑いで前を向くとこまでやってくださいよ。
yoshiさんの絵がすごく綺麗で十和田がぶっ倒れる所まではホント引き込まれて読んでただけに、終わり方の尻切れトンボ感がすごかった…
とても絵が美しいです!十和田は美人さんですね。
でも美しすぎる故に苦労や妬みやストーカーやら悪意にさらされて。
十和田と谷の触れ合いと、どんどん距離感が縮まってあの十和田が甘えたり?頼ったりして。
最初は十和田の美しさに惹かれたけれど、素の十和田も受け入れて包容力半端ない谷。
二人とも悲しい子供時代、思春期、家族関係ですね。読んでいても辛いです。
とにかく普通であれとの親の呪いから解放された谷は、ただ同性と綺麗なものが好きなだけなのに。
十和田も複雑な生い立ちの上に美貌すぎて、継母からみっともないなど心無い呪いの言葉を浴びせられ、いつまでもがんじからめで。
そんな二人が一緒に過ごし同じ部屋に暮らし穏やかに生活できて良かったです。
自分を好きになられたら困ると考えていた十和田が谷の好意は受け入れ、セックスも谷としてみたいと。
ちなみに時間時間と出てきますがもしかして十和田は…?何かと体調悪くて寝なくて少食なのも?不安が残りますが、まるごとの自分を好きになってくれてありがとうって言えて良かったね、幸せで良かった!
これは手放さない一冊になりました。