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表題作影あるところに

前院長の息子で研修医
中道
前院長の愛人でベテラン小児科医

その他の収録作品

  • 風呂あるところに
  • あとがき

あらすじ

外科医・中道の医局にやってきた調子のいい後輩・堤は、脳梗塞で倒れた院長の息子。その院長と付き合っていた中道は、居心地が悪い。そんな折、院長は他界する。父親を奪った相手として憎みながらも、中道を心配する堤は、彼に以前の笑顔を取り戻してほしくて……。描き下ろしも収録した、西田印、大人のビター・スイート・ラブ!!

作品情報

作品名
影あるところに
著者
西田ヒガシ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
新書館
レーベル
Dear+コミックス
発売日
電子発売日
ISBN
9784403661051
4.4

(75)

(47)

萌々

(15)

(10)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
23
得点
327
評価数
75
平均
4.4 / 5
神率
62.7%

レビュー投稿数23

大人ならではの良さ

西田先生作品読むの久々です。数年前に7作ほど読みまして大人のざっくりとした作風かなという印象でした。その後、いろんなBLを読みまして今なら以前より西田先生作品の良さがよりわかるのではないかと本作を手にとりました。
やっぱり思った通りでした。大人のざっくり感はそうなんだけど、大味な中にも哀愁とか愛おしさを感じられてよかったです。

中道と堤が最初はそんな仲になる雰囲気ではなかったのに、堤が中道を気にかけていくのがなんとなく惹かれていってるのがわかるのがいい。
中道は堤の父を思いつつ堤に抵抗しながらも惚れていくのが大人な男っぽくてステキでした。
中道はいい医者だし、ちゃらんぽらんだった堤が中道の影響によりいい医者になろうとするところが好きです。
地方の病院の院長がいい味出していました。
あとがきを見て、ああこういうのでしたね〜と思い出しましたw

0

泣けて泣けて。

これは本当に最高の傑作だと思う。
もう泣けて泣けてしょうがないよ。

主人公は中年医師の中町。実は老院長・堤と関係していた。
今、堤院長は倒れて死の淵にいる。
男で。
愛人で。
二重の意味で影にいなければならなかった中町の心を思うと…
昏睡の最愛のひとの傍らで「今すぐ…ここを誰か爆破してくれ……!」とすがる姿。
初めは嫌悪感を抱いていた堤の一人息子は、中町の心からの思慕/愛を見て中町から目が離せなくなっていくわけだけど。
堤院長の死後、いっときすさんでしまう中町。
ひとりの中町に寄り添うようになる堤。
病院の中庭でぼんやりする中道に病棟の子供達と作った紙の花を降らせる堤。
やっと泣く事のできた中道に父親の代わりに、と謝る堤。
立ち直ったわけじゃ無いけど時は過ぎていく。
誘いを受けて過疎地の病院に赴任する中道は笑っている。その笑顔の晴れやかなこと!泣いて引き留めようとする堤の可愛らしさ!
この機微というか…たまらんよね。
ラストのドラマチックはできすぎな気もしますが、愛の力なのかな…なんて。

「風呂あるところに」は西田先生ならでは!のおかしみ満載。
堤は中町の光。ただ…父親と息子か〜とは思っちゃうけど。ネ。

1

エロは無いのに

昏睡状態の老医師←ベテラン医師←老医師の息子
最初は息子は当然ベテラン医師が大嫌いだし許すまじなんだけど、そこから少しずつ気持ちが変わって行く様やベテラン医師もその影響を受けて気持ちが変容していくその移り変わりの描き方が素晴らしいのです‼️
老医師は死を待つ昏睡状態なので、登場するだけですけど、父の手帳から息子が二人の関係に気が付き憎悪するところから始まりますが、そんな対象を自分が好きになっってしまう流れも仕方ないなと思えます。
個人的には駅での別れシーンが大好きです。

2

カブトガニ

西田ヒガシ先生の西田ヒガシ先生らしさが詰まっています。先生の作品はどれもこれも本当に面白い。

どの作品も、この作品も、恋愛の成就が必ずしも作品の解決ではなく、もっと根本の問題が浄化されていくことで完結しているような気がします。
この作品だってセクシーなシーンは全くないですからね。それでも働く男のセクシーさは感じるし、BLではあまり見られないほどの生々しさも感じる。

不条理ギャグみたいなテンポを見せたと思いきや、泣かせてくるのが先生。テレビをつけたままぼんやりとする中道、堤が紙の花をふらすシーン、心に残る描写が沢山あります。

影あるところに光はある。

4

その気持ちはわかる

私がびびったのは皆様のレビュー内容です。「あの世に持っていきたい」だの「お墓に持っていきたい」「棺に入れてほしい」「BL作品で一番好き」などなど。愛され方が半端ない作品だと思いました。

読んで納得です。これは名作。宝物にしたくなる。BLの枠を超えて普通の作品として素晴らしいと思う。タイトルの付け方、ラストの終わり方まで完璧です。中盤で攻めが受けを元気づけるシーンは受けと一緒に号泣。受けが暗い人なので攻めのあの明るさは本当に救いだと思う。タイトルの通りにね。ラストシーンの前に起こる不思議な出来事。ああいう演出も好きです。虫の知らせみたいなものは本当にあるかもと思ってるので。

西田さんのすごさはあんなにシリアスだった本編とおまけ漫画「風呂ある所に」との落差。新天地の院長さんが「ごめんな邪魔して」を2回言う所…最高かよ。2人の仲はすっかりお見通しみたいです。おまけのおまけも毎回シュールですごいよね。

この素晴らしい作品に唯一ケチをつけるとしたらやはり前院長の奥さんの立場かな。受けの中道は不幸で暗くて可哀想な人だけど、奥さんの立場からだと夫も息子も惑わせた魔性の男ですから。西田作品は女性もかっこいい人が多いし、息子の性格があんなに良いから奥さんも悪い人じゃなかったら気の毒。遺産で幸せになれることを祈ります。

4

この作品が収納されている本棚

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