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ネタバレ含みます。
ハピエン厨の私、結構気軽に本作読み始めてしまって、途中ヒヤヒヤしました……
野萩先生、他のは良きハピエンだったよね!?なんて思いながら読んでいたのですが、監禁メリバみたいなのは回避してくれてよかった(泣)
付き合い始めてもなかなか自宅に連れ帰ってくれない攻め様、ひとし に何かあるんじゃないかと疑う受け様・恵。で、やっと行けたと思ったら恵の部屋を完全再現した空間を自宅に作り出しており、かつ恵の人形を置いて部屋を“完成”させているという変態さ……。
このままひとしが恵を監禁して心中エンドとかなったらどうしよう!?と思いましたが、なんと二人、言葉を交わして互いを想いあった関係を続けていくのです!すごい!!(この書き方だと恵が一方的に洗脳されてそうだけどそんなことはないと思います)
ひとしには、ひとしなりにこうなってしまった経緯があって、ちゃんとそれを恵と共有して独りよがりな付き合いはやめようと決意するんですよね。いやー、素晴らしいぞそういう回生。
恵は恵で気持ち悪いと突き放さずにひとしを受け入れてあげるんだなと、感心しました。
ひとしが不安定な攻め様のようでしたが、これからも二人なんとか幸せにやっていってほしいものです。
本編以外にも2つ短編が収録されていて、割合的には以下です。
「箱庭の人形」 5割
「素直になんてなれない」2割
「素直になりなよ?」 2割
「箱庭の人形」あとがき 1割
【箱庭の人形】
ヤンデレ攻めに惹かれて購入しました。
カフェの常連だった攻めのひとしと、店員である恵が付き合っているとのころから始まります。
攻めは一見はスパダリで、誰もが羨むような余裕のある大人の男性。
ですが、あることをキッカケに隠していた本性が垣間見えます。
家族の愛に飢えた幼少期のせいで、愛の形を少し歪めてしまった攻め。
受けへの束縛が強くなり、不安定になります。
さて、その愛を恵は受け入れられるのか…というお話でした。
【素直になんてなれない】
人物表記だけだと、この三人の関係性がなかなか分かりづらいと思います。
内容はザックリまとめると、攻め(ノンケ)×受二人(ノンケとゲイ)。
いつも一緒につるんでいる大学生3人で、攻めでノンケの羽賀は八尋が好き。
それを聞いた友人の坂内は、本当は自分も攻めの羽賀の事が好きなのに、自分も八尋が好きだと嘘をつきます。
何故なら、羽賀も攻めのことが好きだと気付いていたからです。
前半の関係性は、羽賀・坂内→八尋です。
後半の本当の関係性は、羽賀←坂内・八尋となります。
つまりは二人は両想い、自分だけ片思いという状況。
ただ、二人を成就させようと坂内が3Pを仕掛けたあたりから違和感が…。
羽賀は、八尋に突っ込み、八尋は坂内に突っ込んでサンドイッチ状態の3P。
攻めが「二人まとめて抱いてるみたい」と言った言葉で嬉しそうにするので疑似的とはいえ、抱かれてみたかったのでしょうね…ああ、切ない。
【素直になりなよ?】
そして、上記で書いた「素直になんてなれない」の坂内が報われるスピンオフがこれです。
バイト先の居酒屋に来る常連のお客さんが攻め。
髭の生えたチャラそうなおじさんに口説かれますが、如何せん嘘くさい。
揶揄われていると思う坂内は相手にしません。
そんな時、失恋した坂内を慰めてくれた攻めに心を許し、体も許します。
私としては坂内に幸せになってほしかったので有難かったのですが、終わり方がちょっと曖昧で「で!?付き合ったの!?付き合ってないの!?」と、モヤモヤしてしまいました。
ううーん、その後は想像にお任せってやつか…。
表題作だけなら「萌え×2」でしたが、後半の作品が合わず一段階下がった評価でした。
表題作の中編が1つ、他にオムニバスの短編が2つ入っています。
カフェ店員のかわいい恵。いい子です。恋人のひとしさんは、とにかく甘えさせてくれる大人。けれど、段々と自分に執着する姿が見えて怖くなる。
ひとしさんのトラウマを知って、葛藤しながらもそれを全て受け入れようとする恵。お互いに大切な人を見つけられて良かったな、というお話でした。
もう1つは、大学生三つ巴のお話。男らしい羽賀が好きかも、と八尋に相談された坂内も、実は八尋が好きだった。それを隠して、自分も羽賀が好きなんだ、と嘘をついて、結局二人を結びつけることになった坂内。当て馬役ですが、ちょっと切ない。
その坂内が、ハッピーになる短編もありました。バイト先のバーで、しつこく口説いてくる年上の男性。粘り勝ちで、臆病な坂内も根負け。
あと、全体に結構Hでした。やっぱりGUSH?
野萩先生のスーツ男性好きです
今回も表題作の攻めがスパダリ
しかも訳あり
非常に面白かったです
完璧すぎる彼氏の秘密は箱庭
そこで終わらず関係を作り直していく2人が良かった
そして、それ以上に同時収録のお話が好みでした
同級生3人グループで、本当に好きな人と同じ人を好きになることで近づいていく主人公
複雑だなぁと思いながらも、それでもいいからという気持ちが繊細に描かれてます
最後はその切ない彼にも出会いがあって全てがハッピーエンドで終わるのですが、それがちょっとあっけないかな
大きく2つの物語の収録。
「箱庭の人形」
「あなたの愛で溺れる前に」
「ふさわしい愛のかたちは」
この3編は全て同じカップルの恋愛について。
カフェ店員の恵(けい)は、店の常連のひとしさんと恋人同士になり、同僚の鈴さん(女性)からいつもラブラブで羨ましいと言われていた。
ひとしはよく恵を迎えに来てくれて、喧嘩1つしたこともない。
しかし恵にはひとつ不満があった。それは、ひとしが家に入れてくれない事…
…という設定。
この話は急転直下、ゾッとする展開がやってきます。表紙の色合いがなんか暗いな〜と思ってたけど、こういう事か。
ひとしの二面性、というか子供時代に受けた心の傷、そこに端を発するひとしの少し歪んだ愛情に初めは硬直していた恵だけど、ひとしの心に寄り添ってその歪みを正せるようコミュニケーションをとる恵と、それに応えて少しずつ行動を改めていくひとし…
完全に「治る」とかそういう終わり方ではないから尻切れのようになってしまっているけど、何気ない2人の仲の良さの裏に実は攻めの妄執があって、しかし受けの優しさと愛情でそこを正していく、という流れなので、読後感は悪くないです。
エロは意外と生々しい描写。
「素直になんてなれない」
「素直になりなよ?」
友人同士の3人。ゲイを公言している坂内と元々ノンケの芳賀は、2人とも優しいタイプの八尋が好きで牽制し合っていた。
しかし、何も知らない八尋は、坂内に芳賀の事が好きになったんだけど…と相談してくる。
坂内は八尋に男同士のエッチのやり方を教えるが…
3Pでサンドイッチプレイが繰り広げられるのですが、どうやら坂内の誰にも言わない切ない想いが隠されていました…
2つ目の短編は、そんな坂内の救済編。
自分も誰かから愛されたい、と後悔に苦しむ坂内に、彼を愛そうという大人の男性が現れます。
ひとまず良かったね、というところ。
「愛を紡いで」
ひとしx恵の描き下ろし。
ひとしのスーツから知らない香水の香りが…嫉妬を覚える恵と、不安解消のための焦らしHのエピソード。感じすぎてしまう恵がエロいです。