イラスト収録
人生初の衝動買いですと!?
なんか二人の17年間を後からたどると涙が出そうです。
初めは人生を賭けた戦い、そして見返りとしての愛人契約?この愛人契約が出てきた時点で、ギャー出たよ!なぜBLは愛人契約が好きなの!?と読むのを止めそうになりました。しかも相手はまだ中学生!
しかし現在の箱根旅行で後から後から明らかになる二人の想いや過去やらに。また一人で生きてきた和佐が道標にしてきた巽に。本当は自分にとってどんな存在だったか…。わかると泣けてきます。
お互い気持ちを隠して毎月。溢れそうなのに。巽がいつまでも和佐を子供扱いするのも、和佐がいつまでも可愛くて仕方ないからですよね。巽の意地悪なところもとっても良かったです!
なぜ「5」なのか?
それは二人の関係に由来します。
元々榎本が学生(って、15歳ですよ!)の頃からの関係です。毎月、その日だけの逢瀬。
5日は榎本の誕生日でもあります。
もうそういう関係が17年も続いていたのだけれど、ある日5日ではない日に会うことに…。
いやぁ、今は飄々とした得体の知れないエスコートのオーナですが、実は可愛らしい!そこが素敵で、巽だけに見せる姿に萌えます。もういい歳の巽ですが、榎本の縋る気持ちがわかる。大人のカップルなんですが、微笑ましくもあるので、私はこのシリーズでは、これが一番好きかも。ま、榎本みたいな受けが好きなんです〜。
って、前はリミットが一番って言うてたけどね
他のCPに対しては、全部お見通しみたいにお膳立てしたり、そうなるように仕向けたりしてる風なんですが、自分のことはやっぱりね、、、難しいみたいです(笑)
このシリーズ、ほかは制覇したのですが、本作だけ洩れてました。主役はエスコートのオーナー榎本(受け)。某所で「なめ●じ」呼ばわりされていたほど、ある意味強烈な人を食った性格で、読者の好き嫌いもはっきり分かれそうなキャラではあります。ただ私自身は、自分が間違っても愛されキャラではないと重々自覚したうえで、それでもわが道をゆくしかない榎本のようなタイプ、嫌いじゃないです。
エスコートの関係者には家庭環境に難ありな人が珍しくないんだけど、
中でも榎本はかなり特殊。15の年まで父の顔も知らない母子家庭育ちで、その父はなんと現職の大臣だった。正妻との間にこどもができなかったので、榎本を引き取って後を継がせたいという。
その知らせをもたらしたのは父の弟、つまり実の叔父である門真。昔自分と母を捨てておきながら何を今更!と激しく反発する榎本に、門真はだしぬけに持ちかける。「君の代わりに私が後継になってもいい」ただしとんでもない交換条件付きで「君が私のものになるなら」
このとき榎本15歳、中学3年生。対する門真は29歳、大学講師。この構図では、当然いいオトナで教育者でもあった門真の方が非常識のそしりを免れようもありません。でもわたしは個人的に、BLに限っては近親相姦にさほど背徳臭を感じないので(生殖を伴わない、という1点において)初対面の実の甥に向かって「今どうしても君が欲しくなった」と駄々っ子のようなことを言い出す門真を許せてしまいました。まあ、お互い初対面だったからこそ、肉親とつがう生々しさを感じなかったのかもしれませんが。ともあれ病身の母との生活を護るという大義名分もあり、榎本は条件をのむのです。
以来17年。門真は約束通り政界入りし、榎本は月に一度だけ門真に抱かれる。ずっと形も変えず、途切れることもなかった2人の「契約」。本来なら榎本の母が亡くなった時点で打ち切られてもいいはずなのに、どちらもやめようとは言いださぬまま。少年だった榎本もいまや押しも押されもせぬ企業経営者、門真は未来の総理総裁候補ともいわれる公人でありながら、どこか浮世からも、時の流れからも隔絶された感のある2人だけの世界。そこに突然門真の縁談という「現実」が投下される。
タイトルの「フィフス」。2人の逢瀬が毎月5日だったことから付けられたようですが、もうひとつの意味は「5番目」。榎本は自分を門真の5番目だと思っている。仕事、家族、友人、趣味、その次くらいの存在だと。そんな自分には、門真の結婚に異議を申し立てる権利などないと思っている。
門真は初めて、榎本を一泊旅行に誘う。でもそこまで。それ以上は動かず、榎本の出方をただじっと待つ。彼がずっと言えなかった本心をさらけだすまで。こういう場合、年長者の余裕とか、懐の深さとみるべきかもしれないけど、実は門真の方も結構いっぱいいっぱいで、余裕どころじゃなかったようです。その辺の心情は門真視点の後日談「スタンス」を読むとよくわかります。もう一つの後日談「プレイス」では、恐れを知らぬ若造のユカリに「オーナーのどこがいいんですか?」とマジで問いただされてましたし・・・惚れた弱みには年の功も無力なようです。
水壬さんも『エスコート』シリーズそのものも基本的には大好きなんですが、こちらはどうしてもダメでした。
でも、シリーズ内でも人気作なんですよね。相変わらずズレてるようです。ゴメンナサイ。
まず、近親(血縁)が非常に苦手なので『ガチ叔父×甥』の時点でもうどうにも無理でした。生理的に受け付けません。←近親なら『義兄弟』がギリギリ。『父子』は義理でも無理だ(余談ですが、だから『スキャンダル』もダメだった)。
しかし、設定を別にしても榎本(受)が・・・もともとこういうキャラクターがものすごく苦手なので、脇で出てても鬱陶しくてイライラすんのに、メインって勘弁してとしか言いようがありません。特に、ツンツンした生意気な受が大ッキライなので、受キャラクターとして許容不能です。
その上、オヤジ趣味もまったくない。
CP・ラブに関しては、完全に好みどころか理解の範疇外でした。
実の叔父が甥にああいう契約を(もちろん『契約すること』自体ではなく内容の問題ですよ)・・・というだけでもう気持ち悪くて堪りません。
年の差や当時の年齢(29歳×15歳)そのものはまったく平気なんですけどね~。
ちなみに前述の通り『オヤジ趣味皆無』なので、現在の2人(40代×30代)は年齢だけでホンットど~でもいいし、読みたくもないんだけど。
実は、個人的にCPとしては『年の差(年上攻限定)・高校生受』が何よりも!というくらいに好きなんです。
そんな私でさえこれ読んで、普段は(大変申し訳ありませんが)『ふ~ん、そういう人もいるんだ』としか思わずに聞き流している『大人が未成年受にどうこう~が生理的にダメ』と言われる方のお気持ちが、初めてなんとなくわかった、ような気がしました。←でも、いまでもやっぱり『未成年(中でも高校生)受』は大好きなままなんだけどね!単にこの作品が無理だってだけで。中学生だからじゃありませんよ、念のため。『受は若いのが何より(ただし下限は中学生)』が持論です、ええ。
くどいですが、中学生がHしても何の抵抗もありません。さらには、小学生以下も絶対ダメなわけではない(できれば読みたくないですが)。どちらも『愛と同意』が必須条件ですけどね。
でも、これはどーしてもムリだったってことです。
イヤもう、まさに↑レビュータイトル通り何ひとつ好みの要素がありませんでした。
メインCPに関しては、最初から最後まで『なんでこんなの読まされてんだろう・・・』とイヤでイヤでしょーがなかったですね。ただひたすらに不愉快でしかありませんでした。
なので、(このシリーズ自体はホントに好きなので)メイン『以外』のキャラクター・CPのために読んでる!と自分に言い聞かせてなんとか我慢して読了。
旧版全部持ってるのに、新装版文庫も1作目の『エスコート』は買うだけは買いましたが(そして他もきっと・・・)、少なくともこちらは出ても買う気しません(もうひとつ『クラッシュ』も。シリーズでこの2作だけがダメ)。
オーナーのお相手は誰だろうと、そもそも榎本は受けなのか攻めなのかどっちだろうと思っていたのですが、さすが水壬さん!お相手は国会議員できましたかという一冊です。
叔父であり、国会議員の門真巽さん・46歳。
彼が榎本をとても可愛がり、甘やかし、榎本の意地悪な発言にも動じないいいオヤジなのです。
まさに割れ鍋に綴じ蓋のような二人。
榎本が15歳の時、親戚である二人に今後を左右する重大な話が降りかかります。
ある政治家の後継者に巽さんか榎本かどちらかがならなければいけないというもの。
二人とも冗談じゃない、嫌だとなるけども選ばなければいけないのです。
榎本はまだ学生で、巽さんはまったく政治とは無関係な仕事をしていて興味もなくて。
どちらかが自分の人生を犠牲にしなければいけないという状況の中、二人は話し合いの場を設けて話すのですが平行線のまま変わりません。
そして巽さんが言うのです。
ちょっと飲んでもいいかな、そしてお酒をあおります。
榎本は、こんな時に飲むなんていい気なもんですね、みたいな事を言いますが巽さんは、自分でも馬鹿なことを言うんだ飲まなければやってられないといいます。
そして二人の関係が始まります。
巽さんは飲むときにいろいろな決断をしていたんですね。
政界へは自分が行こう。
榎本を行かせるのは可哀想だ。
しかしどうしても腑に落ちない何か。
男の悲哀がにじみ出ていいのです。
水壬さんの作品で同じ政界ものの「スキャンダル」という義父と養子の話もありますが、そちらはこんな幼い子に何を愛人契約なんかして!ひどい!と思いましたが、こちらはそんなことも思わず、すんなり入り込めました。
叔父×甥だからでしょうか。
榎本の妙に大人びた性格だからでしょうか。
このお話は好きでした。