大人気ファンタジーBL「月神の愛でる花」シリーズと同じ世界で巻き起こる、将軍様の嫁取りファンタジーBL2冊同時発売!

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表題作将軍様は新婚中

ウェルナード・ヒュルケン,27歳,クシアラータ国の将軍
フィリオ・キト,17歳,将軍と仮婚中の少年

その他の収録作品

  • とある兵士たちの観察と検証
  • とある王子の暗躍と結果
  • 守るべきもの
  • あとがき
  • おまけのエメ編(あとがき内)

あらすじ

異国出身ながらその実力と功績から「三宝剣」と呼び声高い二十七歳の寡黙な将軍・ヒュルケンと、元歌唱隊所属の可憐な癒し系少年・フィリオ。
穏やかな空気を纏う二人は、初心な互いへの想いを実らせ、紆余曲折の「仮婚」を経て、めでたく結婚することとなった。
しかし、そんな幸福の絶頂の最中で、ひとつの問題が……。
ヒュルケンはフィリオへの愛を募らせるあまり、「婚礼の儀」に向けた長い準備期間が待てないというのだ。
フィリオを独占したいヒュルケンの熱い想いは、無事遂げられるのかーー?

硬派で寡黙な将軍と癒し系少年の、溺愛結婚ファンタジー♡

作品情報

作品名
将軍様は新婚中
著者
朝霞月子 
イラスト
兼守美行 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
発売日
ISBN
9784344843394
3.9

(47)

(11)

萌々

(27)

(6)

中立

(1)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
9
得点
182
評価数
47
平均
3.9 / 5
神率
23.4%

レビュー投稿数9

美しく、正しい結婚に感動しました

いや、これちょっと反則だわ……
前編の『婚活中』がコミカルかつほのぼのしたお話で、その後日談なんですもの。当然の如くこちらもそういうトーンのお話だと思うじゃないですか。
だから「ほんわか&ほのぼのした気持ちになるぞーっ!」という気持ちで読み始めたんです。
で、実際にお話はとても楽しくて、可愛らしく進むんです。
つまり、準備していなかったんですよ。
なにこれ……
滅茶苦茶、泣かせてくれるじゃないかーっ!

フィリオ大好きのウェルナードは、フィリオが結婚に合意したもうその時から『オレのもの』。
誰にも見せたくないし、当然の如く実家にも帰したくない。
許す限りの時間をフィリオと共に過ごしたい。ずーっと見ていたい。
触って、撫でて、舐めって、囓りたい(笑)。
こいつの狡い所は、それを『オレ様モード』で発揮するんじゃなくて、ワンコとして要求する所なんです。
くそっ……憎めない。

第1回目の落涙はこの時に来たんですよ。
フィリオの父将、ルキニ公爵がね、結婚までの短い間フィリオと過ごす日を考えて寂しい気持ちになっていたのですけれども、その短い日すらも諦めながら、今までのフィリオを回想する所で。
フィリオは実の子ではなく、弟の子なんです。この辺は前作にも書かれていましたが、ルキニ公爵はフィリオの母の第三夫。弟が第二夫。つまり兄弟で同じ妻の所に婿入りしているんです。ちなみに、第一夫も戦死しています(フィリオ母、たくましい……美女だったらしいし、憧れちゃうな)。
ここのシーンで、ルキニ公爵が弟の無念を受けて、フィリオを本当に愛し、大切に育ててきたというのが解るんです。
ああ、この子がこんなにピュアで、そのくせしっかりしているのは、そういう訳だったのね。
花嫁(?)の父の心情にホロリと。

そして、第2の落涙は結婚式前後で。
ここも最初は家族愛にホロリと来たんですよ。
どれだけフィリオが愛されて育って来たかが解って、それがかなりズンと来るのよね。
父はもとより、あの子虎の様な姉を初めとして、もう、みんながみんな、フィリオの幸せを願っている。
そして、極めつけは亡くなった実父!
実父の、子に対する想いがっ。養父とダブルでもう言葉も出ない。

フィリオは、自分がどれだけ周りの人達に愛されてきたかを実感します。
その愛に溢れた居心地の良い場所を捨てて、自分はウェルナードのところに行くんだと、改めて思うのです。
それでも行きたい、という風に。
前作ではフィリオがあまりにもほんわかしているせいで『絆された感』がとても強いのですが、このシーンで、彼のウェルナードに対する愛情が非常にクッキリする。
ここ、とても好きです。
ジンと来る。

流石に泣きはこれくらいだろうと思っていたら、最後にドデカいのが待っていました。
ウェルナード、出征しちゃうんですよ。
この時のね、フィリオの心情もね……
ああ、これについて書いたら2,000字を超えちゃうと思うので止めておきます。

もう一度書きますが、私に滂沱の涙を流させたこのお話は、相変わらずコミカルで、笑えて、ほっこりとあたたかい気持ちになるお話です。
そういうお話なのに泣かせるから、反則だと思うんだよなぁ……

BLで、正しい結婚について教えられるとは思いもよりませんでした。
でも、ここには『愛し愛された結果の結婚』とはどういうものかがしっかり書いてあると思うのです。
あたし、結婚が決まった知人にはこの本を『前祝い』で差し上げようと思ってるんですよね。
マタニティブルーなんか吹っ飛ぶよ。

蛇足
あ、初夜のシーンだけは『ドリーム』だと思いますです。
初めてでこれはないだろう。
でも、結婚にはドリームも必要ですよね。

11

読み終わるのが寂しかった

フィリオとの仮婚を経て婚礼の儀を迎えるまでのてんやわんやが今回も面白かったです。
フィリオと一刻も早く一緒に暮らしたいベルが、婚礼の儀を早める事を譲らずにごねてたのはまさに子供です。第三王子が無理にねじ込んでくれたおかげで、反将軍派が再び動き出す前に結婚出来て良かったです。
夜の儀式や歌唱隊やフィリオの独唱やベルの部下達の歓声など、感動的に書かれてました。

童貞で心配だったベルも上手く初夜を迎えられて、フィリオを貪ってました!

南と西の領主が反将軍派でベルを誘き出して暗殺しようとしていましたが、全てお見通しだったベルと幻獣のエメの活躍で事なきを得ました。

ベルが初夜の翌日から出陣してしまったフィリオの元に時期国王の夫のキャメロンがやって来て、ベルの過去を教えてくれました。
幻獣のエメが養い親という意味も分かりました。

屋敷の使用人の話や兵士達の話もあり、とても満足出来る一冊でした。

フィリオの尻に敷かれているベルがもっと読みたいと思いました。

同人誌で連載続いているならまた書籍化して欲しいです。

3

本懐成就の裏側で

今回は国の三宝剣の1人とされる将軍と
元聖歌隊の愛し子と呼ばれた青年のお話です。

攻様が受様と本懐を遂げるまでと
攻様の部下視点、第三王子視点、
攻様視点、幻獣視点での幕間的なSSを収録。

攻様は将軍の失職を狙い
攻様の自宅に火を放った首謀者と
大立ち回りを演じた後、

受様と思いを通い合わせ
大勢の野次馬の前で受様から
結婚の同意を取り付けます。

浮かれた人々の輪から離れ
こっそりと屋敷に戻った攻様は
仮婚中は禁止されていた恋人同士の
アレコレを試す気でしたが

放火にあった屋敷には片付けや
検証の為に攻様の部下や警備兵が大勢いて
受様は攻様を宥める羽目になります。

しかしそれもつかの間
2人を追ってきた第三王子と儀礼庁長官から
今回の顛末と今後の話を聞かされた攻様は
再び不機嫌になってしまいます。

その上
20日後に挙げる誓約の式までの間
受様が実家に帰ると知ると
猛烈に反対しだしたのです。

受様は可愛いから20日の間に
誰かに取られてしまうかもしれない

攻様以外の誰もが呆れる言葉ですが
攻様は本気なのです(笑)

しかし
第三王子は攻様の言葉に
何やら考え込んでしまいます。

果たして2人は
成婚の儀を無事に挙げられるのか!?

同時発売された「将軍様は婚活中」の続巻で
2人の結婚と前巻で攻様の排除を計画した一派の
後始末的なお話になります。

本作も前巻同様、
主役2人のラブ関係はコメディですが

2人の婚儀は晴れやかな祝福に包まれ
初夜は甘さと喜びに満ちつつ
攻様をめぐる情勢はきな臭さを増し

攻様の失脚を狙っていた一派は
「腕事件」の首謀者だけに留まらず

2人の成婚の儀を阻止すべく
西と南の領主が隣国の斥候目撃を
知らせてよこした事から

受様との婚儀と初夜を終えた攻様は
第三王子とともに戦場へ向かうという
波瀾なシリアス展開に突入していきます。

攻様が攻め入る敵国を殲滅し
反旗を挙げた一派を抑圧するまでの
行動や作戦は見事です。

受様のためとはいえこの若さで
将軍職を務めるだけの事はあるかな。

このお話の楽しみは
受様しか見えていない攻様が
周りを顧みずに放つ言葉や行動が
常識外すぎるところと

それを受様がしっかり指摘して
調教もどきに矯正していくところ
なのですが

軍人としての敵に向かう
攻様のシリアスな一面も
しっかり描かれているので
ラブコメ的な会話が
より引き立っていると思います。

2人の物語は始まったばかりですが
まずは同人誌バージョン超えの
完全新作目指して欲しいです (^-^)v

本作に収録された小話は
ちょっと同人誌よりな感じの
裏話的要素が強く出ています。

どれも楽しいですが
あとがき内にある幻獣編が
一番MYツボで楽しかったので
あとがきもしっかりチェックして
欲しいです♪

今回はワンコな将軍繋がりで、
宮緒葵さんの『堕つればもろとも』は
いかがでしょうか。
ムリヤリ度高いので苦手な方はごめんなさい。

3

このカプ好き

「婚活中」の続きです。「婚活中」がへ?と思う所で終わってしまうので購入される方は2冊ペア購入を推奨します。変わらず面白かったのですが、②③が少しダレちゃったように感じたので萌2どまり。①同人誌内容を大幅改稿した本編170P超+②インタビューみたいな小編20P+③インベルグ王子の活躍小編16P+④宝石のようなお話10Pほど+⑤あとがき(エメの小編含む)です。④が良かったー

冒頭は「婚活中」で結婚する!となった直後から。
新たな登場人物は、シス国王子でありクシアラータ王女の夫のキャメロンぐらいです。
聖王親衛隊長ナイアス♡が新しくビジュアル付きで、前作より少しご活躍。この方美しくって超好みです!インベルグ王子もビジュアル出てますが、この方は自国にはあまりいてほしくないかもwww

**以下はより内容に触れる感想

結婚するという気持ちは通ったものの、かたや将軍、かたや貴族の息子。きちんと式をあげるまではお預け、フィリオは家に帰ると判明したものですから、将軍ごねるごねる、三歳児かあんたは!でした(爆)

その辺りまではくすくす笑って楽しかったのですが、結婚式の日取りをねじ込むあたり以降が少し長く感じられて。もう少しきゅっと縮まっていてもよかったんじゃないのかなと感じました。

執着軍用犬は可愛く、フィリオもきりりと愛らしく、大変好ましいカプでしたが、②③の小編なども少しコンパクトにして、できればもうちょっと将軍様とエメの関係を読みたかったです。あと将軍様とエメの鬼神のごとき働きぶりとか。将軍様、インベルグ王子と切り込んでいって、周辺の方々があわあわ後をおうとかやってそうなんだもの、そのような記載を読んでみたかったです。

最後の④は将軍様の男ぶりを上げるお話でとても好きでした。武人としては大変優秀な将軍様のこと、これからもフィリオを守り、フィリオはきちんと将軍様の家を守り、幸せに過ごしていきそうで嬉しい終わり方です。

まだまだすったもんだ事件を起こせそうな二人ですので、同人誌でも商業誌でもいいからお話を読めると嬉しいんだけどな、と強く思ったカプでした。楽しい。ああ、フィリオの天使の歌声に関するエピソードなども読んでみたい・・。

2

二人でしっぽりと思いきや

前作「将軍様は婚活中」の続きで、「腕事件」後、二人で家に帰ってからになります。
クシアラータ王国3宝剣の一人ベル(攻め)が事件を強引に解決して、最愛のフィリオ(受け)からも逆プロポーズしてもらってご機嫌なところから始まると思いきや・・・
ふたりでしっぽりと思っていたベルですが、家の外は後片付けの人たちでばたばたしており、そんなところで二人だけのんびりするのはだめだというフィリオの言葉に不機嫌全開。
それでも、これからのことを話そうというフィリオに機嫌を治したベルでしたが、インベルグ王子とその従者サイデリート、フィリオの父親・ルキニ侯爵の来訪で再び不機嫌に。
彼らは、二人の婚姻をいつにするかという話をしにきたのでした。
一番急いで20日後でどうかと打診されます。フィリオは20日の間に父親に甘えて嫁に行くための準備をしようと快く受けるのですが、ベルは仮婚が終わった直後から一緒に住む気満々で一旦フィリオが帰ることに大反対。
全員で説得しても納得しないベルに、将軍に対して敵意をもつ勢力が一定数いることがわかったこともあり、20日もあけて妨害されることを恐れ、国王からベルの結婚について任されているインベルグ王子が神殿に直談判して二日後の夜にねじ込むことに成功します。
さて、二人は無事初夜を迎えられるのでしょうか。

絶対嫌!と、フィリオが絡むと聞き分けのない幼児並みになるベルに笑えます。
ただ、ベルに対する反対勢力の存在が逆にベルに味方になり初志貫徹することに成功するのですから、なんとも皮肉な展開です。それでもそのたった二日家に帰るのを納得させるのに使った労力も結構なものでしたが(笑)

本来ならば、将軍と侯爵令息の結婚式なので時間をかけて準備するところをたった二日で行うという強行軍でしたが、フィリオを嫁にもらうベルはいいけど、嫁に出すキト家の人たちはさぞかし寂しいことでしょう。そうでなくとも、皆の癒しだったフィリオを仮婚の話の後半月あまりで奪われてしまったのですからキト家の人々に同情します。
ベルがフィリオを家に閉じ込めてしまうかと心配しましたが、一応仕事に出ることは許してくれるようなので安心しました。
一番心配したのは、経験もなく知識もなさそうなベルがちゃんと初夜を完遂できるのかでしたが、ここはインベルグ王子のおせっかいがすごく役に立ったようでなによりでした。
やりすぎで話をややこしくしてきたインベルグ王子でしたが、言葉選びやらデリカシーがないのが玉に瑕ですが、基本世話焼きなんでしょうね。SSではこんなことをしてやる義理はないといいながらも随分親切にしている様子がうかがえます。
これまでもそしてこれからも一番苦労するのは3宝剣の最後の一人聖王親衛隊長・ナイアスでしょう。ご愁傷様ですといいたいです。

ベルは軍人なのでこれからもフィリオは心配は尽きないでしょうが、ベルはフィリオ不足にならないよう、速攻で終わらせて帰ってくるような気がします。


この話で一番印象に残ったのは、この国は女傑率が非常に高いということですね。
そして子だくさんです。国王は8人も産んでるし、フィリオの母親も5人と皆多産です。気候が良く健康な女性が多いということでしょうか。
女性が元気な土地は繁栄するとは某映画の主人公のセリフでしたが、それを地でいっているように思いました。
女性の逞しさが嫌味じゃなく描かれているのは見事だったと思います。
そして、感心があるのはフィリオのみという徹底した(国を守るのもフィリオのためですから)フィリオ至上主義のベルの行動は楽しく、良識派の人たちが振り回されるのも同情しながらも面白おかしく表現されていました。
ここで終わってしまうのがもったいなく感じました。
同人の方には続きがあるようですが、続編出るのでしょうか。


ただ、ベルの養い親エメについては結局本作の中でどういう生き物かというのがわからなかったのがちょっと残念。
幻獣フォンという種族名だけで、長命で賢いようですがどういった生き物なのか解説があればよかったです。
同じ世界観のお話があるようなのでそちらにあるのかな

1

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