天使と悪魔の一週間

tenshi to akuma no isshukan

天使と悪魔の一週間
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神5
  • 萌×23
  • 萌1
  • 中立2
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
3
得点
42
評価数
13
平均
3.5 / 5
神率
38.5%
著者
高遠琉加 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
麻々原絵里依 
媒体
BL小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
価格
¥639(税抜)  ¥691(税込)
ISBN
9784199009365

あらすじ

自転車と接触事故を起こして意識不明の重体!! 朦朧とする七塚に囁いたのは、なんと天使と悪魔──!?「あなたが望むなら、彼と魂を交換してあげましょう」それって恋敵の体に俺が入るってこと!? 提案に強く心揺さぶられる七塚。なぜなら体の持ち主・高峰は、七塚が片想いしている級友の幼なじみで、同居中の相手だからだ。高峰をずっと羨んでいた七塚は、誘惑に負けてつい承諾してしまい…?

表題作天使と悪魔の一週間

七塚史彦、大学生、20歳
篠真琴、大学生、20歳

その他の収録作品

  • 最悪の一日最良の一日
  • あとがき

評価・レビューするAIの精度がアップいたします

レビュー投稿数3

コミカルとシリアスのバランスが絶妙

作家買い。





主人公は大学生の史彦。
ある日、彼は大学で同じゼミを受講している同級生の高峰に自転車で轢かれてしまう。もしかして自分は死んでしまうのか…?と思った矢先に、彼の目の前に現れたのは自称天使と悪魔の二人で―?

そんなファンタジー要素満載の出だしと、麻々原さんのポップで可愛らしい表紙。

高遠さんはシリアスな作品も書かれますが、この作品はコミカル寄りの作品かと思いつつ読み始めましたが、なかなかどうして、シリアスさも程よくブレンドされた面白い作品でした。


自転車に轢かれて死にかけている史彦の前に現れた天使と悪魔が彼にささやいたのは、

高峰くんと身体を入れ替えること。

実家は裕福、イケメンで成績優秀。大学のミスコンで準優勝した美人の彼女もいる。
対して史彦はというと父親はリストラされ、成績はそこそこ、はてしなく平凡な大学生。

そんな自分が、ハイスペック男子の高峰と入れ替われる…?

けれど、史彦が高峰くんと入れ替わろうと思ったのは、彼自身のハイスペックさからではない。高峰くんは、史彦がひそかに恋している篠という友人の、唯一無二の存在だから。

幼馴染という彼らは同居していて、心を許しあっている。
篠に、そんな風に自分に対して接してもらえたら―。

そんな願望から、史彦は高峰くんと身体を入れ替えることを望むけれど。

悪魔と天使の登場。
そして身体の入れ替わり。

バックボーンはファンタジー要素満載ですが、ストーリー自体は地に足がついた、というかどっしりとした内容で非常に読みごたえがありました。

高峰くんと篠くんの関係。
羨望のまなざしで友人たちから見られることの多い高峰くんの複雑な家庭環境と彼の孤独。
そして、史彦と篠くんの恋の行方。

大切なのは、中身なのか、それともビジュアルか。

前半は「入れ物」が高峰くんのもの、という事もあってか性的な接触は少ないです。少ないけれど、お互いに相手が好きで、だから触りたい、という愛情に満ち溢れていて、エロくてそして温かかった。

後半は、恋人同士になった史彦×篠くん、そして高峰くんの三人で温泉に行くお話。

史彦の運の悪さに可哀想になりつつ、最後のネタ晴らしで思わず笑ってしまった。ああ、なるほど、という感じ。

史彦は良い子ですし、篠くんも可愛い。この二人が恋人になれてよかったと思いつつ、でも、高峰くんが非常に不憫でした。

この三人はいわゆる三角関係というか、篠くんを取り合う関係ではない。
ないけれど、高峰くんも、まぎれもなく篠くんを愛していたんだろうな、と思うのです。それが、恋愛感情ではなかったとしても。

この作品はBLという観点においては史彦×篠くん、の二人が主人公です。ですが、高峰くんの存在が非常に大きく、個人的に、彼がいたからこそ、神評価になりました。

過酷な子ども時代を過ごしたがゆえに愛情を知らない高峰くん。
そんな彼を幸せにしてあげてほしいな。という事で、彼メインのスピンオフを切望しておりますです、はい。

で。

麻々原さんの描かれたイラストが、めっちゃ可愛い。
麻々原さんが挿絵を描かれているとついつい買ってしまいますが、今作品もめっちゃキュートで、イケメンで、素敵でした。

10

本の最後にまさかの号泣

「やっぱり高遠さんがだいすきだーっ」と叫びたくなる様なお話でした。

詳しい内容はポッチ様が大変綺麗に紹介されておりますので、私は遠慮します(このレビュー、伏せておくべき所は明かさないまま、過不足なく物語の運びを紹介していて素晴らしいと思うのです)。私はこのお話を読んだ『興奮』についてだけ書かせていただきますね。

今年出版された高遠さんの本を2冊読んで「あれ?ちょっと雰囲気、変わりました?」と思ったんです。
何がどう変わったのかが自分でもはっきり解らなくて書きづらいのですが……
強いて言えば、主人公が違う感じ。
以前は触れる事すら許さない様な、孤独の香りを纏わせていた人が主役を張るお話が多かった様に思うのですよ。その孤独が、他者と交わり反発したり受け入れられたりする中で、どんな風に解けていくのかが『読みどころ』だったとでも言うか。
ここ2冊は、主人公がもう少し『普通の人寄り』の様な気がするんですね。
特別じゃない、私と同じその辺にいる様な人が『自分が自分である意味を知る』このお話、読んでいるうちに激しく七塚に同化している自分に気づきました。

七塚が自分の平凡さに対して感じるのは『小さな悲しみ』だと思うのです。
平凡であることは、生きて行くことに決定的な影響を及ぼしません。
でもそれが理由で、自分が手に入れたいものが永遠に手に入らないと考えてしまえば「どうしてなんだろう?」と激しく沈んでしまう様な種類の悲しみ。
いや、私も七塚だったら入れ替わりを希望しちゃうと思うもの。

で、結果としてどうだったかは、是非お読みいただいてお確かめください。
この手のお話は、一歩間違うと説教臭くなってしまうものですけれど、決してそういう無粋には陥らないまま爽やかに表題作は収束します。
この辺は『美文の魔術師』たる高遠さんの本領発揮だと思うのですよ。
『美しい文章』というのは、きらきらしい文章を指す訳じゃないことを教えてくれます。スッキリとしていて解りやすく、そのくせ登場人物に共感しちゃう。
ああ……綺麗だ(うっとり)。
小説好き、特に文章フェチ気味の方は是非お手に取っていただきたいと!

で、後日談のコミカルな書き下ろし『最悪の一日最良の一日』。
楽しく読んで、終わり5ページに差し掛かってからの大展開。
……泣くよ。
こんなの、泣いちゃうよ。
高遠さんに「人間って結構善良なんですよ」と言われて、本当に泣けました。

8

スピンオフ熱望

麻々原先生挿絵狙いで購入。3Pかと思ったら違いました。
コメディ路線かと思ったらそれも違いました。
いい意味でとっても裏切られ「ええ話や!!!!」と思ったお話、雑誌に掲載された本編220P弱+その続き90P弱+あとがき。本編の最後の一文と後編がすごくすごくすごく好きだったので神にしました。
先生曰く「当社比、ライトです!」とのことです(笑)

交差点でスピードを落とさず突っ込んでくる自転車とそれに乗っている高峰に気付いた七塚。
よけられずあっさりぽーんと飛んだら、なぜか白い世界で、そばにはアイドルばりの悪魔ちゃんと公務員か!というような天使さん。そして足元では路面に横たわる自分と高峰が救急車で運ばれて行く様子が。
悪魔ちゃんと天使さんが言うには、「お兄さん、当選です!」とのことで・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
天使さんと悪魔ちゃん(表紙の二人)、高峰(受けの幼馴染、超イケメン)。この3人ともすごく気になるキャラで、高峰のスピンオフ、そしてできれば天使+悪魔でもスピンオフが欲しい・・・

**好きだった箇所

天使と悪魔のゲームに巻き込まれて、高峰の体を1週間借りることにしてしまった七塚。
高峰と篠の関係が今一つ分からないまま、好きな篠と一緒に暮らしてはじめ、好きだという思いと、でも負け組な自分がこんなことしていていいのかという思いとがぐるぐるしていて、私が思う「普通の人間の反応だわー」ととても安心してシンクロしました。

だから彼の最後の選択(自分でもっと生きたい!)にはとても嬉しくて。そして彼の「この世の中、そんな捨てたもんではない」という思いにとても賛同したいです。今どうということのない幸せな状況だからこそ言えるセリフではあるのですが、それを信じていれば、どん底にいても抜けてこられるかなと思うんです。
その辺りを映画「ベルリン・天使の詩」のシーンを部分部分登場させることで、盛り上げてくださってます。あの映画好きな方は、このお話での使われ方をチェックいただいても良いのでは。

そして巻き込まれた側だった高峰が、後編ではなんとゲームを仕掛ける側に。
彼の純粋な思いがいつか彼の人生に光となって降り注ぎ、彼自身を温めてくれるといいなと凄く思うので、スピンオフをめちゃくちゃ希望します。先生絶対書いてください、お願いします!

5

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