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購入から6年、何度も読み返してきました。
やわらかくきれいな絵柄と雰囲気ですが、学園ものとしてもおもしろく、根底にあるものは骨太で、素晴らしい作品です。
BLのジャンルになっていますが、老若男女問わず心に響く物語だと思います。
日本一ビッグな俳優を目指している、ヒーローになりたい広沢。
子どもの頃からの夢で公言していますが、周りの人たちには、身の程知らずとあきれられている、まっすぐだけど、同調行動はとらない青年。そういう人だと理解している友人もいます。
高校に入学早々、演劇部の催しで理想のマリアに出会ってしまい、突撃。
冷たく断られても、思い込みや周囲の言葉により、やはり女の子だろうと追いかけ、男の子の証拠を見せられ、ショックを受けて玉砕します。
広沢がマリア(有馬)に、女の子なら、女の子だから、という思い込みと理想で並べ立てる言葉は、悪気はないけれど、悪気がないからこその、問題を多く含んでいました。
対してマリア(有馬)が、物事を表面だけしか見られていない、と演技についても含めてばっさり切りつけて立ち去ります。
そんなマリア(有馬)も、後に広沢に、男として好きなのか、女として好きなのか、と質問をします。
広沢は悪気もないし、いい子だし、普通だと自認しているのですが、それが、現代での区別、差別、排除などにつながっている、「普通」とそうでない、「大多数」とそうでない、で価値を決めてしまうような集団の意識に通じているように感じられました。
表面上でものごとを見ることを嫌うマリア(有馬)も、好きなのは男女のどちらの自分かと確認したりするので、そういった集団の無言の認識、圧力のようなものの下にあるのだということが感じられます。
2人以外の人物の台詞からも、当たり前、普通、そういうもの、という無言の認識、圧力が、畳みかけてくるように感じます。
広沢にもマリア(有馬)にもそれぞれ、事柄はまったく違いますが、心に深い傷が残る過去があり、それらが少しづつ、ほどけるように見えてきて、現在の広沢とマリア(有馬)の人間性が複雑に、深く見えてきます。
トラウマを乗り越えようと努力するマリア(有馬)、決意をもって努力し主役に抜擢された広沢。
人と人の関係をカテゴライズしたい周囲の人たち。
そんな中、広沢が理解し、発した言葉、
「男が男を好きになるのも男が女の服を着ざるを得ないのも人と違うから、ヘンだからだめ、そんな世界じゃあ、あいつが立っていられなくて当たり前だよな」
聞いていた生徒たちがどう考えたのか、どう思ったのか、ということが、その後に描かれています。
ステージ上で具合が悪くなってしまい、ひとりにさせて、とその場から立ち去ったマリア(有馬)を探す生徒たちの台詞、変、その言い方がため、男女どっちかはっきりさせて、心が女なら女として開き直ったほうが楽、曖昧だからめんどい、など、それぞれ、悪気なく人を決めつけ、傷つける言葉が続いて、読んでいてとても苦しくなりました。
先輩女子たちは、マリア(有馬)の複雑さに気付いて、どうしたらマリア(有馬)のちゃんとした居場所になれるか、試行錯誤してきたと告白します。
高校の演劇部発表の予行練習のほんの少しの時間に、教わるわけでもなく、押し付けられるわけでもなく、結論を出さなければとするわけでもない、様々な思考が飛び交う様子は、読んでいて自分もたくさん考えさせられました。
エンターテインメントとしても素晴らしく、多様性についても考えさせられ、考えさせられたからといって重たくなりすぎず、かわいらしさでも萌えることができる、そんな素敵な作品です。
今まで読んだBLの中で1番好きです
少なくとも20回はもう読んでしまいました。それぐらい好きです。
腐女子ではない母親に貸して読んで貰ったところとても気に入って何回か読んでいました。また、友達にも貸したところ号泣しながら見ていたそうです。これはもう教科書に載せてもいいんじゃないかと思うくらいしっかりとした内容もあるし、キュンキュンもめっちゃします。まだ読んでいない人は死ぬまでに絶対見た方がいいと思う本です
BLという枠にはとらわれずヒューマンドラマとしても至宝の傑作。
1人でも多くの人に読んで欲しい。
若くしてお亡くなりになられた作者の天国からのメッセージだと私は受け取りました。
すみません、きっと描かれている内容や画力の素晴らしさから【神】評価にするべきなんでしょうけれど、途中出てくる有馬(マリア)くんの過去の回想描写があまりにも生々しくて地雷の方もいるのではないかと思い【萌え2】にさせて頂きました。
端的に言うと、子ども時代近しい大人からレイプされる描写がはっきり描かれています。
私はそのシーンが印象深く、大人が不快で気持ち悪く見えてしまったのでそのようなシーンが地雷の方は気をつけて下さい。
ストーリーは、BL……というよりLGBT問題に切り込んだ作品でそれこそ様々な人に読んで「男とは?女とは?」を考えさせられる内容です。
高校の演劇部と友達、そして家族を通してそれぞれが心も成長していく様子が描かれています。ストーリー構成が素晴らしく、最初の伏線の回収が来た時にはおおっ!と唸りました。
可愛らしい絵柄なのに、中身は重くて深くポップではなかったです。
親のエゴで女装させられる設定はちょこちょこ見たことありますが、心の拠り所にするほど信頼していた人に裏切られ暴力を振るわれた上にあんな…トラウマ拗らせても仕方ない。
他人から求められるのは女として。本質である男としては誰にも求められていないと、嘆きもがく姿がいたたまれなかったです。
大河も苦悩があってのあの性格…切ないです。
帯だと大河×優なんですね。
でも優が大河に迫った時は思いっきり優×大河…。大河…その煽り顔は逆効果よw優が理性的で良かった。
初キスも初デートも優×大河な気が…そっち希望ですw
大河の父親の不名誉な誤解は解いてほしかったけど、まぁ不倫していたことは事実ですもんね~因果応報か。