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ひよこ劇団で社長と幸せ上演中

hiyoko gekdan de shachou to shiawase jyouenchu

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表題作ひよこ劇団で社長と幸せ上演中

九条宗介
リゾートホテルのオーナー社長
小日向朝陽
弱小人形劇団の創設メンバーで副団長

その他の収録作品

  • 薔薇色の人生
  • あとがき

あらすじ

貧乏人形劇団『ぴよりこ』の朝陽が夜なべで繕ったパペットが、スーツのイケメンにぶつかり車に引かれてボロボロに。結局自腹でパペットを直し今日もステージに立つ朝陽の前に、ファミリーメインの客の中サングラスにダークスーツという怪しいいでたちの客ーーあのいけすかないイケメン・九条が現れた。ちょうどその時劇場から『ぴよりこ』との契約を打ち切ると言われるが「一ヵ月で来場者数を倍にする」となぜか啖呵を切ったのは九条。聞けば彼は休暇中のリゾートホテルの経営者。どうせセレブの暇つぶしだろうと高を括っていた朝陽の前に、シュッとしたボディをパンダの着ぐるみで包んだ九条が登場しーー!!

作品情報

作品名
ひよこ劇団で社長と幸せ上演中
著者
榛名悠 
イラスト
金ひかる 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
ISBN
9784344843684
3.2

(22)

(1)

萌々

(9)

(9)

中立

(1)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
6
得点
69
評価数
22
平均
3.2 / 5
神率
4.5%

レビュー投稿数6

攻様は受様の窮地を救うヒーローでした

今回はリゾートホテルを経営する社長と
弱小人形劇団の副団長のお話です。

上演先に契約解除を迫られた劇団が
攻様の協力で新たな道を切り開くまでと
攻め様視点での後日談を収録。

受様は4年前に
保育専門学校の先輩と
人形劇団「ぴよりこ」を立ち上げます。

創設当初は
ほぼボランティアな赤字経営でしたが
必死の営業が実って1年前から
ファミリー向けレジャー施設内のキッズ劇場で
公演できるようになりました。

とはいえ
メンバー6人全員がバイトを掛け持ちし
パペット達もすべて手作りで運営する
弱小貧乏劇団です。

その為、受様は昨日
笠がほつれて綿がはみ出した"キノコ村長"を
持ち帰って徹夜で修繕していました。

翌朝、キノコ村長を抱えて
急ぎ足で劇場に向かっていた受様は
脇道から飛び出したスーツの男性と激突、
とっさに正面衝突は避けたものの
尻もちをついてしまいます。

この男性こそ今回の攻様になります♪

手にしていたキノコ村長が車道に転がり
タクシーに轢かれて悲惨な状態に
なってしまうのです!!

しかも原因を作った攻様は
そのタクシーに正に乗り込む寸前で
受様はタクシーと攻様を睨みつけて
攻様に詰め寄りますが

攻様は急いでいるからと
名刺を取り出して去っていきます。

受様はしかたなく劇場に向かいますが
傷ついたタイヤ痕も痛々しいキノコ村長では
本日の講演を務められず

村長不在で心配げな子供達にも
心苦しいままに公演を終える事にもなり
今後の公演に深刻な影響が考えられます。

受様は原因を作った攻様に
修繕費用を払わせようと
名刺の番号に電話をかけますが
何度かけても繋がりません。

受様は泣く泣くキノコ村長を
自腹で修繕するのですが

その後、
ぶつかった状況を思い返した結果
自身の責任を感じていた攻様が
受様から連絡がないことを
訝しがって劇場にやってきて

渡した名刺が古いものだったことが発覚
費用も負担してくれることになります。

公演を見た攻様は受様が
劇団を立ち上げる前に出演していた
幼児番組のお兄さんキャラだと見抜かれ
受様は攻様の見え方が変わります。

一気に和んだ2人でしたが
そこに施設支配人からの契約打ち切り
という悲報が届きます。

支配人は施設の経営状態悪化のテコ入れで
子供向けの人形劇の代わりに
集客できそうなご当地アイドル誘致を
計画していたのです。

1月で観客数を倍にできたら
劇場存続と契約継続を考えるという
支配人に受様は唇を噛むのですが

受様についてその場にいた攻様が
新人団員として支配人の出した条件を
快諾してしまうのです!!

人形劇団の未来はいかなることに!?

弱小人形劇団を牽引する受様と
彼のちょっと負い目のある会社社長の
ラブコメディになります♪

攻様はハワイにある
リゾートホテルの経営者ですが
ハードワーカー過ぎると言われて
強引に取らされた休暇中でした。

父親の入院で帰国していましたが
そちらも問題がない様子で
暇を持て余しているし

支配人への宣戦布告者として
村長を壊したお詫びを兼ねて
受様達の手伝いを買って出ます。

攻様は伝手を使って
着ぐるみを提供しての自らも
チラシ配布をしたり
タウン誌やTVの取材を取り付け
劇団のピーアル作戦を決行、

今までの劇団には不足していた
行動力と人脈で劇団員達の意識を変え
攻様扮するイケメンなパンダは
見に来てくれた観客のSNSで発信され
劇場の集客数も伸びていきます。

そのTVの取材にやって来たのは
受様が幼児番組のお兄さん役を
引継ぎさせられたイケメンタレントで
なんと攻様の実弟だったことが発覚
受様の過去の芸能活動に
攻様が詳しい理由が明らかになります。

攻様とともに
必死に頑張る受様の中で攻様の存在は
徐々に大きくなっていくのですが

実は攻様にはパペット破壊の他にも
受様には言い出せないの負い目も有って

2人が互いに惹かれていく様子と
劇団の今後がどうなるのかと
ドキドキ&ワクワクで
楽しく読ませて頂きました。

2人の出会いは最悪でしたが
知り会っていく中で誤解を払拭し
恋に発展行く展開は
恋愛ものの王道ステップです。

そんな安心王道展開に
受様の過去と攻様兄弟の関りなど
伏線が上手に張られていて
ワクワク読み進められました。

劇団協力者としてアイデア提供中も
イケメンパンダの中身でも
パペット・ダンパとしても
攻様がダンディで男前過ぎて

対する受様も頑張り屋さんなのですが
攻様に振り回され気味ですけど
そんな受様のグルグルする様が
MYツボでおもしろかったです。

金さんのイラストも
お話の雰囲気にベストマッチしていて
登場人物はもちろん、
パペットも着ぐるみもすごく可愛い♡

今回は榛名さんの既刊から
『湯けむり子連れ甘恋日和』を
おススメ作としますね。
こちらの攻様も受様をさりげなく支える
男前さんです♪

3

イケメンパンダはヒヨコがお好き

イラストが金ひかる先生だったら無条件で予約パターンで購入したので、多分この作者さんのご本は初めて読んだと思う。

お話は、弱小人形劇団を運営している主人公が、とある事故をきっかけに意外なブレーンを得て、契約切りされそうになったテーマパークでの専属公演の集客アップを図るお話。
気分としては、ラノベによくある、転生した主人公がチートな能力を発揮する系のお話に近くて、好きなタイプのお話なので楽しく読んだ。
ラブ要素は淡い目だけど、悪い人は出てこないし、なにより主人公が子ども好きで素直だし、お相手のスパダリ九条さんも奢った所が無くて気持ちよく読めました。

2

貧乏劇団の奮闘




とある人形劇団が公演場所の契約更新のための条件として集客を倍にするという無茶な要望に応えるため奮闘する話。

<あらすじ>
子供向け人形劇団「ぴよりこ」を先輩と立ち上げた小日向朝陽(受け)は、徹夜で修繕した人形を猛スピードで歩いてきたビジネスマンとぶつかり落ちた先で車に引かれてしまいぼろぼろにしてしまいます。そのまま立ち去ろうとするビジネスマンに猛抗議し連絡先を聞くのですが、その名刺はダミーだったらしく連絡がつきません。逃げられたと地団太を踏んだ朝陽ですが、仕方なく自腹を切って修
繕することにします。が、思いがけず件の男・九条(攻め)が劇場へやってきたのです。前回のふてぶてしい態度から一転、謝罪弁償してくれることになります。そして何故か公演場所の契約打ち切り話で窮地にたたされた「ぴよりこ」の存続の手伝いをしてくれることになるのです。



保育士資格をもつ朝陽は元々は子供向け番組に出演していたのですが、大人の事情で降板させられ、現在はと保育専門学校時代の先輩と人形劇団「ぴよりこ」を立ち上げました。バイトと劇団を両立させながら子供たちの笑顔のため日々奮闘していたのですが、活動場所である遊園地の劇場の契約打ち切りを宣言され、撤回させるために集客を倍にするという条件を突き付けられてしまうのです。
出会いが最悪だった九条に対してはじめは警戒するのですが、純粋に目標達成のために自分の使えるカードをすべて使って助けてくれる姿にすこしずつ心を開いていくのです。

九条はハワイにあるリゾートホテルの社長なのですが、父親が倒れた(ぎっくり腰)と呼び戻され、ついでにひと月の休暇をとることになった矢先、朝陽と衝突してしまいます。朝陽とぶつかったときは父親への病院へ行く途中でした。
朝陽に対して過去に負い目があり、窮地に陥っている「ぴよりこ」のために、自腹を切って着ぐるみを借りてきたり、自分の持っている人脈をフルに使って集客のための戦略を練るのです。
部外者のはずですが、持前のコミュ力・企画力で劇団員の懐にするりと入り、影の大黒柱としてなくてはならない存在になります。


途中、九条が朝陽に対して負い目を感じ手伝いを買って出る原因が判明します。
これを知った朝陽の九条に対する態度には感心しました。八つ当たりしてもおかしくないと思う場面ですが、ちゃんと本質を見れる朝陽はすごく冷静だと思いました。
そんな朝陽だから前を向いて次へと進めたのではないかと思いました。

危機感がありながらも人形劇がメインなためか終始ほんわかした雰囲気の話でした。
九条の人脈をフルに使った宣伝効果と皆の頑張りでどんどん希望がみえてきた中での続発するトラブルにはらはらするところもありながら、最後は九条が掻っ攫っていく展開で楽しく読めました。

一生懸命一つの目標に向かっているうちにお互い好きになったという感じなので、
あまり恋愛っぽくはないですが、話としては面白かったです。
途中何度か入る劇団「ぴよりこ」のオリジナルのお話「どんぐり村」のかわいい面々の話が可愛くて、私もこの中で彼らの人形劇を鑑賞したいと思いました。朝陽たち劇団員の面々のアドリブなどすごく息があっていて良かったです。

イラストにも人形や着ぐるみがたくさん書かれていて、すごくかわいいです。
最初、キノコ村長が車にはね飛ばされてぼろぼろになったイラストが、本来可愛い分、すごく不気味で笑ってしまいました。



1

終わりのSSでの攻めのポンコツ化が好き。

表紙とタイトルの印象を裏切ることなく、楽しく読めて良かったです。

中身は打ち切りを宣告された弱小劇団の立て直しをすべく、攻めと受けの二人であれこれ発奮するお話です。


攻めの第一印象はかなり悪いんですよね。

受けとぶつかって、受けの大事な仕事道具である人形を台無しにしたにも関わらず、急いでいるからと謝りもせず立ち去る。
なのになぜかその後、劇団にやってきたかと思うと、身銭を切ってまで劇団の集客アップのためにあれこれ手伝ってくれる。
おまけに攻めはハワイのリゾートホテル経営で成功した実業家なのに、ちっとも奢ることなく汗だくになって着ぐるみパンダに扮して子供達と優しく接してくれる。

めちゃくちゃいいやつじゃん、攻め!

そして劇団とは全く無関係な攻めが、なぜここまでしてくれるのか?
戸惑いながらも頼れる攻めの存在が劇団にとっても、受けにとっても欠かせないものになっていくんです。

ほのぼの〜としつつ、攻めから受けラブ!なところがところどころ見え隠れするところが良かった。

最後のSS「薔薇色の人生」が攻め視点でいい!
受け不足でポンコツ化しちゃってる攻めと、それを冷ややかにぶった斬る社長秘書とのやり取り。

こういう様式美ともいえるやり取り。
デキる男のポンコツ化も含めて大好きなので、嬉しい。


1

体(?)から始まる恋(きぐるみだけど)

初読み作家さんです。
手に取ろうと思ったのは、パペット劇団を舞台にしたお話だったから。
人形劇、好きなんです。で、年に1~2回観るんですよ。
ただ、残念なことに『人形劇』というジャンルは衰退の一途を辿っているんじゃないかと思うんですよ。
でも、そのジャンルが好きで、それも『子どもを喜ばすのが楽しい』のではなく『子どもと一緒に楽しむのが好き』っていう主人公が可愛くてねぇ……朝陽くん、いい子だ。

劇場に大急ぎで向かっていた人形劇団『ぴよりこ』の副団長、小日向朝陽は脇道から飛び出してきた人とぶつかりそうになります。何とかそれを避けた朝陽でしたが、徹夜で修理したパペットが車に轢かれ使えなくなってしまいます。誤りもせず去って行った相手の男の連絡先に電話をかけても繋がらず、朝陽は泣く泣く自費で対応せざるを得ませんでした。数日後、その男、九条宗介が観客席に。彼と言い合いになっている間に、ぴよりこの専属契約が打ち切られる話が飛び込んできます。契約を続けるためには、来月の入場者数を倍増させなければならなくなります。話を聞いた九条はうろたえる朝陽達を「まだ何もやっていないうちから無理だと決めかかってどうする」と励まし、休暇の1ヶ月間、劇団を手伝う約束をします。そして次の日に、なんと、パンダのきぐるみを着て表れるのです。実は九条はハワイのリゾートホテルの経営で成功した実業家。自分のつてで、着ぐるみを借りてきたり、タウン誌やTV取材まで連れてくるのと同時に、自分はパンダの着ぐるみを着て、劇場のあるパークランド内でチラシ巻きをするという身の入れ様。怪我をしそうになった子どもを助けたことがSNSで拡散され彼の『イケメンパンダ』は一気に集客の柱になることに!『ぴよりこ』の為に頑張ってくれている九条は、やがて劇団に、そして朝陽にとってかけがえのない人になっていきます。九条もまた、劇団の存続に奔走する朝陽に甘い気遣いを見せ、優しく接するのですが……

……と、いうお話の筋の他にももう一つ、話の流れがありまして。
実は朝陽くん、劇団を始める前に1年間ほどTVの教育番組で所謂『おにいさん(番組では『博士』なんだけど)』をやっていたことがあるんですよ。九条はやたらその時期の朝陽について詳しいんです。
「どうして?」という部分を聞かれても曖昧な答しか返さないの。
そこの部分が、王道っていえば王道的な話なんですが、2人の関係が唐突にならない伏線になっています。

奇をてらったお話ではないので、安心して読めました。
何と言っても可愛らしかったのは、2人がきぐるみを着てイチャイチャするシーンなんですよ。
周りで観ている子どもに『なかよし』を要求された結果なんですけれども。
でもさ「いやー、九条、やり過ぎだろ?!」と思いましたよ。
子ども達に囲まれ「夫婦!夫婦!」と囃されるパンダとひよこのきぐるみ。
これを可愛いと言わずして何を可愛いと言えば良いの?
もう、悶絶ものでした。
このシーンだけでも「読んで良かった」と思いましたです。

6

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