ヴァンパイアと子守り恋夜行

vampire to komori koiyakou

ヴァンパイアと子守り恋夜行
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神1
  • 萌×21
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない3

--

レビュー数
2
得点
9
評価数
5
平均
2.4 / 5
神率
20%
著者
小中大豆 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
陵クミコ 
媒体
BL小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
価格
¥630(税抜)  ¥680(税込)
ISBN
9784344843844

あらすじ

新宿在住の吸血鬼・夜壱は闇弐を血の隷属関係にして80年。Hアリの蜜月を経て今や倦怠期の夫婦の様な彼らの前に謎の子供が現れ!?

表題作ヴァンパイアと子守り恋夜行

闇弐、夜壱が血を分け与えた下僕、100~
夜壱、ビルオーナーで血の濃い大吸血鬼、400~

その他の収録作品

  • あとがき

評価・レビューするAIの精度がアップいたします

レビュー投稿数2

大好きだから臆病にもなっちゃうんだなぁ

ええと、こちら、ざっくり言いますと、吸血鬼カップルによる子連れ珍道中って感じのお話になります。
作者さんお得意の、ラブコメテイストで。

で、主役二人がかなり拗らせてまして。
いやもう、臆病で不器用で、そして健気な吸血鬼にキュンキュンさせられましたよ。
そして、クライマックスでは萌え転がりましたよ。


内容ですが、血の隷属関係にある下僕の闇弐×血の濃い大吸血鬼・夜壱による、超拗らせの夫婦ものです。

新宿でビルを持ち、人間社会に溶け込んで暮らしている吸血鬼の夜壱。
血の隷属関係にあり、下僕でもある闇弐とは既に80年の仲であり、出逢った頃は情熱的に愛してくれた彼からの、熱が冷めた態度に地味に傷付く毎日です。
そんなある日、二人が以前やっていた探偵事務所を頼って、転がり込んできたワケ有りのチビッ子兄弟。
追っ手である黒ずくめのマッチョ集団をかわしつつ、二人は母親の元まで子供達を送り届ける事になりー・・・と言うものです。

で、こちら、追っ手に終われながら逃避行と、それなりに緊迫感のあるストーリーではございますが、実は終始コミカル路線です。
追っ手はライダースの格好をしたマッチョ集団ですし、こう、いちいち細かなギャグがブッ込んでありまして、ついついプッと吹き出しちゃう感じなんですよね。

いや、何と言っても主役である夜壱が可愛いんですよ。
吸血鬼がちゃんと住民票なんかも持っていて、人間と共存していると言う世界観なのです。
で、ビルのオーナーでありながら、クセの強い店子なんかに手を焼いてる吸血鬼・夜壱。
更に下僕であるはずの闇弐からさえ、眼鏡呼わばりされて逆に下僕扱い。
叱られつつ、サボっていた掃除をさせられたりして。
感情豊かな彼の反応なんかが、とにかく可愛いんですよ。
叱られて悔しさに身悶え、でも後から冷たい態度に落ち込んだりする・・・。
「昔は可愛かったのに」とか言いつつ。
おおおーーーーい!
母親かい!!

そんな、ある意味関係が停滞している二人の間に、転がり込んできたチビッ子兄弟。
母親の元まで送り届ける逃避行の最中、協力しながら久しぶりに共に過ごす二人。
夜壱は闇弐を血の隷属にした、過去の記憶に思いをはせ・・・と言った感じで二人の蜜月が語られます。

で、これが甘酸っぱいと共に、結構切ないのです。
吸血鬼になって300年、戦火の中、偶然出会った闇弐。
召集される彼を何度も見送り、無事をひたすら祈る。
そんな日々を繰り返し、20そこそこで出逢った闇弐が29になった頃、戦争が終わって二人は共に暮らし始めた。
夜壱が自身の正体を打ち明け、それを受け止めた闇弐と、限られた時間でも共に生きて行く決意をした最中、二人を襲ったとある事件ー。

読みながらですね、これほどの熱い想いを抱いていた闇弐が、何故現在の状態になっちゃったのか、不思議で仕方なくなる。
また、気付いた時には心が離れていた。
それでも一緒に居るために、涙ぐましい努力を続ける夜壱が、切なくて仕方ない・・・。

これ、終始夜壱の視点なのですが、二人が随分拗らせてるのが読者には良く分かるのです。
だからこそ、より切なくて切なくて仕方なかったりする。

で、読者が焦れて焦れて死にそうになる頃、ようやく解ける誤解ー。
分かってみれば、「そんな事で何十年もスレ違ってたんかい!?」みたいな。
もう、この誤解が解けるシーンで萌えはマックスなんですよ。
その後の痴話喧嘩としか思えない言い争いまで、甘過ぎて悶絶なんでよ!

人様によっては「お前らちゃんと話し合えよ!」と怒りだしそうな二人ではございますが、好きだからこそ、怖くて確かめられない事って、大いにあるんですよね~。
大人になればなるほど、臆病なっちゃうと言うのが私の持論ではございますが、それを言うならこの二人は400歳オーバーと100歳オーバー。
超臆病になっちゃのは仕方ないんじゃ無いでしょうかね。

あと、基本的にほのぼのコミカル路線であるこちらの作品。
追われているチビッ子達のオチまで、大変可愛らしいものでした。
悪人が出て来ないのも、また好みだったりします。

ところで、ページ数の都合からか、エロが超少な目。
11ページしかありません!
いや、エッチの時の夜壱が可愛すぎるんですよね。
だからこそ、もうちょっと読みたかったよ!
ご褒美ターンがちと少なすぎるよーーー!!
まぁ、拗らせてるとは言え、終始闇弐が甘やかしてるといっちゃあ甘やかしてるので、甘さが足りない事は無いんですけど。

7

壮大な痴話げんか

作家買い。小中さんの新刊はタイトルからも推測できるようにヴァンパイアものです。

ネタバレ含んでいます。ご注意ください。







主人公は吸血鬼の夜壱。
新宿の一等地にビルを持ち、吸血鬼専用のシェアハウスを運用している。彼は吸血鬼になって以来、時代の先を読み仕事をチョイスすることで収入を得ている。

と書くと夜壱は頭の回転が良い切れ者、のように思われるかもしれないが、実際の彼はかなりのぐーたらさん。夜壱がその時々に興した仕事のサポートをし、生活力が乏しい彼のお世話をしてくれるのは闇弐という男性。

闇弐がいてくれるからこそ、夜壱の生活は回っている。

闇弐はかつて夜壱が血を分け、吸血鬼にした、という存在。

かつては夜壱に熱烈な愛の言葉を囁き、そして愛してくれた闇弐だけれど、今は彼らの間には隙間風が吹く関係。闇弐は、そとで夜壱ではない「だれか」を抱いてくるのだ。それでも、夜壱は闇弐に傍にいてほしくて、彼の手を手放すことが出来ない。

そんなある日、闇弐が二人の子どもを連れ帰ってくる。
「悪い奴らに追われている」「母のもとに連れて行ってほしい」。
そう頼む良太(5歳)、良二郎(3歳)の二人の兄弟に頼まれた彼らは、二人を悪漢たちから守り、そして彼らを母親の元へと連れていくことにするが…。

というお話。

若干5歳にして弟の面倒もしっかり見て、また礼儀正しい良太。
彼らが追われているのは誰なのか、そして、何故母親と離ればなれになっているのか。
そして、二人が決して口には出さない「本当のこと」とはいったい何なのか―。

そういった謎を追いかける形でストーリーは展開していきます。
そしてそこに、夜壱と闇弐の冷え切った関係が、今後どうなっていくのかを交えて進んでいきます。

彼らは吸血鬼なので(何しろ不老不死)、二人が歩んできた歴史は長い。
夜壱視点で、彼らが出会ったきっかけ、二人が築いてきた歴史が過去の回想という形で綴られています。

小中さん作品は、基本的には受けさんに対して優しくそして深く愛している、という攻めさんが多い気がしますが、この作品の攻めである闇弐が、夜壱に超冷たい。初っ端から終盤まで、甘い空気になることはほぼありません。

それでも、闇弐を一途に想い続ける夜壱の想いがなんとも切ないのです。

が、夜壱という男性は儚げでも、ネガティブなだけでもない。
彼の天然ぶりが非常に可愛らしく、切ないけれどそれだけではなく笑いも要所要所でぶち込まれています。そのバランスが絶妙でした。

そして、闇弐が、なぜ夜壱に対して冷たい態度をとっているのか。

あれですよ。
この物語は、壮大な痴話げんか、なんですね。

深く愛するがゆえに、相手から拒絶されることを恐れてきちんと向き合うことが出来なかった。
そんな二人が、幼い兄弟をクッションにして、自分をさらけ出し、そして本音を伝えることが出来た。長い間すれ違ってきた彼らが、これからはずっと幸せでいてくれるようにと願ってやみません。


BL作品においてちびっこという存在は癒しの存在である事が多いですが、この作品の兄弟たちもものすごくキュートです。
庇護欲を掻き立てられる、というのか。

ぐーたらな夜壱が、この幼い兄弟たちのために奮闘する気持ちに激しく共感してしまいます。

良太・良二郎兄弟を追いかける「黒づくめの男たち」の存在ですが。
彼らが無事逃げ切れるのか途中までひやひやしながら読み進めましたが、そこは小中作品なので、シリアスな展開にはなりません。小中さんらしい、コミカルでテンポのいい文体で紡がれていくストーリーを、ぜひ堪能してほしいです。

吸血鬼の生態、「人外」である彼らの苦労、子連れでの逃避行。
沢山のバックボーンを回収しながら進む展開でありながら話が絡まることなく少しずつ謎が解明していく展開の仕方はさすが小中さんといった面白さでした。

出てくる登場人物たちが、みんな等しく優しく、愛情深く、そして魅力的なのも非常に良かった。最後は大団円で、気持ちがほっこりしました。

二人が勘違いからすれ違っている、というのは読者にはうっすら透けて読み取れる展開ではありますが、とにかく闇弐が夜壱に対して塩対応なので、メタメタに受けを甘やかす攻め、という関係がお好きな方にはちょっと物足りないかも。でも、少しずつ見えてくる彼らの深い愛情に激萌えしました。

今作品もすごく良かった。
文句なく、神評価です。

8

この作品が収納されている本棚

PAGE TOP
  • 商品購入
  • レビューを見る
  • 評価レビューする
  • 関連作品
  • 攻受データ