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二人の恋の証は秘密の愛し子
ずっとずっと「読みたいなあ…」と思っていたこちらの作品、
Kindle Unlimitedに入っているのを偶然見つけ、喜び勇んで手に取りました。
華藤先生といえば、海外が舞台×健気受け×切ないオメガバース(+子連れもの)。
今作は、一度だけ訪れたことのあるフィンランドや
受け・真雪(まゆき)の住まいのあるエストニア・タリンの街が舞台の
オメガバースファンタジーです。
主に出てくるのはタリンですが、懐かしいフィンランドの描写にも
心ときめきました。
ムーミンを愛する日本人観光客も多く訪れるためか、
スーパーの外に掲げられた旗に日本語で「ようこそフィンランドへ!」なんて
書かれていたのを懐かしく思い出しました。
細かな街の様子や季節感、そういったものを鮮やかに描き出すのが
本当にお上手、見事!としか言いようのない先生の筆力に脱帽です。
ただただうっとり、酔いれました。
オメガには親権がなく、はっきりと差別の残る世界で
愛する人との間にできた子どもを取り上げられてしまう真雪。
ギルバート(攻)の父である伯爵との契約から、
ギルバートに迫られても真実を告げられない苦しさ、
実の子に「お兄ちゃん」と呼ばれて慕われ、
人知れず涙を流す描写に私の涙腺も崩壊...
夜中にひとり涙しながら読み切りました。
序盤の教会での二人の出会いが偶然ではなく、
再会であったこと。ギルバートが幼い頃の出会いから
ずっと一途に真雪のことを追いかけていたー
ということが途中明らかになり、胸が、心が、カッと熱くなったー...
一途執着スパダリ攻め、ここに極まれり。
真雪を庇って事故に遭い、不幸にも記憶喪失になってからも
心の奥底には1ヶ月間の愛の記憶があったんだなあ…と思うと、
胸が締め付けられます。
二人の子ども、ルウミが当初乱暴で真雪の手に噛みついたりする描写には
驚いてしまいましたが;
その理由をちゃんと見抜き、ルウミを言葉でたしなめ、
けれどとてつもなく大きな愛と優しさで包む真雪、偉大です...
母の愛は何より強い。
一つ欲を言いますと、二人の別離とすれ違いのきっかけになった伯爵には、
何かしらの「ざまぁ」展開が欲しかったなあ…!
エドモンズ医師との関係うんぬん...は、正直なところ
えええ…?と驚き困惑、気持ちが萎えてしまったところでした;
伯爵については、ぎゃふんと言わせて終わって欲しかった、、
とはいえ、紆余曲折を経ての再会愛と攻めの一途愛、
またひたすら健気に耐える受けに涙しながら一気読み、
吸引力と読み応えある一冊。
いつか行ってみたいな、エストニアの街・タリン。
(円安がーーー...)
街の風景と、真雪の作る美味しいお菓子の数々が目に浮かぶ、
切なくも印象的で美しいオメガバース物語でした。
あまり書き方に癖も無く情景描写も丁寧でとても想像しやすい作者様でした。
イラストレーターのコウキ。先生の挿し絵もとてもお上手で合っていてとても眼福でした。
優しく一途なスパダリで伯爵家のアルファ攻×健気で心優しく料理上手な突然変異のオメガ受というカプです。
お話は小さな雑貨屋カフェを営む真雪は突然変異のオメガだ。
真雪と愛を誓い合うのは伯爵家の後継者のギルバートだったが彼は事故に遭い真雪との記憶を引き換えに手術を受け……といい感じで始まります。
【感想】
オメガバースモノでは王道な設定に展開でした。
結構最後の方までギルバートの記憶が戻らずでハラハラさせられますがハピエンでしんどい思いをした真雪が幸せになって本当に良かったと思いました。
ギルバートと真雪とルウミがちゃんと幸せになったことには本当に良かったと思えました。
ギルバートと真雪はお互いに一途だしこの2人に関しては本当に神評価なんですが……個人的にギルバートの父親とエドモンズが大嫌いなのでもっとザマァな展開になれば良いと思ったし最後のエドモンズの「おとなしく愛に生きることにした」って台詞にお前が言うな!!つかアンタらがメアリーに刺されたのも自業自得だわ!!自分達の感情と善悪だけで物事を測ってそれを他人に押し付けた結果周りにいる人達を不幸にしてるにも関わらず何が後悔?ぶっちゃけもう二度とギルバートと真雪とルウミには関わって欲しくないし本当なら顔を見せるのも躊躇うのが普通だわとイライラマックス。
最後もまともに歩けないからどうしたの?ぶっちゃけ寝たきりでその介護をギルバートの父親がするぐらいの事が起こらないとこの2人無理なんですけどと思うレベルで嫌い。
なので神評価にはならず……
本当に独善的で究極に身勝手なギルバートの父親と偽善者で自分の研究の事しか考えていなかったエドモンズがもっとザマァな結末を迎えて欲しかった……
華藤先生の海外を舞台にした作品は大好きです。
その土地の風景や空気感が感じられ、歴史や文化を絡めたストーリーに浸りしばし現実を忘れます。
今回の舞台はエストニア。
英国貴族の御曹司と祖母のカフェで働く心優しいオメガの子が主人公です。
愛し合い結ばれる運命にありながら身勝手な思い込みといくつもの障害に阻まれて引き離された恋人同士、そして母と子の物語です。
引き離したのは御曹司の父親の伯爵さまなのですが、自身も愛し合う人と結ばれなかったことから色々しでかした挙句みんなが不幸になる結果を作り出してしまう本当に迷惑な人です。
この人のせいで人生ねじくれ刃傷沙汰にまで及び一つもいいことないのになんの権利があって…と怒りがたまってしまいました。
権利はなくてもお金と権力とその上オメガに厳しい法律まであり真雪が不憫すぎました。
子を奪われてもその健やかな成長を願い毎年一人で手作りケーキにロウソクを灯して祝う姿に涙しました。
読みながら主人公の店に並ぶ雑貨品がどんなものかとネット検索してしまいました。
旧市街の土産物屋さんの手作り手芸品が可愛らしくて真雪のカフェ兼雑貨品店を想像し、裏庭にハーブ香る秘密の花園にも訪れてみたくなりました。
オメガバースは、著者が設定をする枠にゆとりがあって、夫々個性があって面白いです。
この物語の主人公は、ベータの両親から生まれたβでしたが、5才でΩに変わってしまった。
βからΩに変わった人が、出産しない、発情を迎えなかった場合、20才で体が動かなくなる、もしくは死亡すると言う条件が設定されています。
物語の始まりで、主人公は18才、両親は離婚、祖母と猫と暮らしています。
伯爵家の後継者・ギルバートと出会い、一人息子が生まれて、・・・色々有って、事故でギルバートは記憶を失い、子も奪われて・・使用人として伯爵家に入った真雪とまた恋に落ちるギルバート。
ハッピーエンドと分かっているので、安心して読めました。
Ωバースの条件がユニーク、心理描写が丁寧、純愛、主人公が酷く苛められない展開なのでストレスが少ない点が良かった。
難を言うなら、展開が平坦すぎて月並み、高揚が乏しいことかな。
作家買いをして、買ったままで積んであったものを消化中。
この先生のオメガバは、オメガの受けが薄幸だったり、不憫だったり、健気だったり、うんめいにほんろうされ、それに耐えるタス出産、こどもをとられるというパターンばかりのようで、まとめて読むと、へきえきしてきました。どれも、おもしろそうにおもえる部分は数行で説明してしまい、読みたいところが読めないもどかしさも・・・・・脇キャラもご都合主義ばかりでざんねん。
