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表題作愚か者ワンゲルナイト

藤 国生(おまわりさん)
吉沢 綺來(22歳・降られて遭難しそうになった男)

その他の収録作品

  • 甘いの おかわり
  • その後(描き下ろし)
  • あとがき

あらすじ

あり金すべてを、つきあっていた男に持ち逃げされた綺來。
傷心のすえ軽装のまま山の中に入り込む。
遭難寸前、無愛想で目つきの怖い男・藤に
助けられた綺來は、テントで一夜を共にすることに。
しかし、あるきっかけから藤に尻を撫でられパンツを下ろされて!?
初対面なのに──やばいセックスをしてしまったふたりは!?
山での一夜♥が運命を変える。

作品情報

作品名
愚か者ワンゲルナイト
著者
町屋はとこ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
大洋図書
レーベル
H&C Comics CRAFTシリーズ
発売日
ISBN
9784813032137
4.1

(154)

(60)

萌々

(66)

(20)

中立

(4)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
25
得点
628
評価数
154
平均
4.1 / 5
神率
39%

レビュー投稿数25

優しいお話。

久しぶりの読み返し。。。
町屋はとこ先生の絵柄って、雰囲気がとても好き。

とぉ〜っても、優しいお話だ。
心に、染みましたよっ!

山男に恋して〜人生変わった綺來くん。
綺來くんと恋に堕ちて〜自分を許すことが出来た藤さん。

藤さんの背景が、親友の死・・・だもんね。
自分を責めることしかできなかった。
正義感が強くて、その責任感に押しつぶされる日々。山に登ることは供養。

藤さん、あんたって人は・・・どこまでも自分を犠牲に出来るんだな。
綺來くんと出会えて良かったね。

この物語〜親友の死が絡んでるから、どちらかと言うと藤さんの救済かなと。
綺來くんも恋人に捨てられたけど、山に登るとか、藤さんに目標をチェンジする行動力があるね。

綺來くんのキャラと、藤さんの堅物な所がぴったり。
後半、ラブな2人。
綺來くんがすっかり、奥さんしてるのにはホッコリしました。

また、どこかで読みたいな。

あとがきで、入谷さんのストーリーもあると!絶対、スピンオフお願いします。
そして、そこにも藤さんと綺來くん登場させて下さい!



0

山岳ものと聞いて

確かに山岳もの!
やはり、一巻でまとめるとこのくらいのエピソードになるんですよね。コミックスの場合は数巻かけて深掘りして欲しいところ。
でも、攻めの昔のトラウマを受けが癒す…という王道パターンですっきり読めました。

そして受け君の自由さ!(笑)
まさしくワンコのような懐きよう。攻めは「おまわりさん」、本当に交番勤務!そして救助活動も兼務なんでしょうね。そんな感じ。

そしてエロシーンが。これはコミックスならではですよね、写実的な絵でリアルすぎてビビりました。人体として無理のないというか…いやぁ、久々にこういう絵を見ましたです。綺麗に書かれているので、グロくはないし。

他の作品も読んでみたくなりました。

0

キラの一途さが硬い心を射抜きます

日本一の山岳警備隊がいる所に住んでいるので、読んでいて結構身近に感じました。
だから、藤さんが最初にキラに言った言葉とか、滅茶苦茶頷きました。気軽に山に入って、遭難したら多くの人に迷惑かかります。自暴自棄になって山に入るのはやめてください。

藤さんは過去の事故がずっと心に刺さっていて、自分は冷たい人間だと思い込んでいる。優しくないし愛される資格がないと思ってる。
こういう頑なな心を一見能天気で一途なキラが柔らかくしてくれたんですね。
キラの一途さがきゅんとします。藤さんに会いたいがために昼休みに自転車乗って会いに行き、熱中症になったりして、可愛いかよ。
そしてキラが子供を助けてかすり傷だけだったというのが、藤さんの心を救ってくれましたね。このエピソードにも感激しました。

さすが町屋先生のお話は読んでいて安定感があるというか安心して読めます。
山男ってかっこいいですよね。キラもガイドできるくらいになるといいですね。
後はゴミ拾いながら山登りとか。
他人の役に立つ仕事が似合うと思います。
これからは他人に必要とされる人生を送ってほしいなと思いました。

0

お巡りさん!!!

町屋先生は花屋さんが良かったので買ってみようかな〜と思ってあらすじをみたら、おまわりさん攻めですぐポチ。警察官フェチなんです…硬派なお巡りさんもいいけれど、ちょっとエロ親父風味な藤さんも大変良かった!大事な体格も登山好きなだけあってガッシリですし!!!野宿から仕掛けてくるってエロい…お付き合いは初なのにバリバリ非童貞エロい…想像でもいいけど藤さんの人生もっと知りたかった。年齢は書かれてないけど結構な歳の差なのかな?
綺來くんはタイトル通りの愚か者でしたが、かなり行動力がある。そして目標ができると愛嬌も出てきて、最初の愚かっぷりが払拭されました。最後までオイオイな受けちゃんだと読んでて厳しい。

萌〜萌2
案外普通にまとまってしまった。読み返したくなるほどの一癖が欲しいなと。欲張り。

0

心に染みるBL

元カレにフラれて(全財産持ち逃げされて)自暴自棄になった都会の男が、有り金叩いて電車乗って、たどり着いた田舎の町で山に登る、という。ありそうでなさそうな?スタート。

そこで出会ったのがコワモテのおまわりさん。無謀な登山を咎められ、逆ギレして走り出して怪我をし、彼に助けられる。暗い山の中、テントの中で一夜を共にする。温もりを求めて引っ付いたところを、それならば、と、抱かれる。

文字にしてしまうと味気ないかもしれませんが、どの場面もすごく情緒的なんです。作者様の『旨さ』かな?二人の設定や性格も、普通なところが、リアリティがあって良い。

二人ともすごく色気がある魅力的な人物で、どちらの過去ももっと深く知りたくなるし、二人一緒の続きも読んでみたい。

ここがピンポイントで素晴らしい!というより、総合的にとても満足感の高い本です。

クール攻、大人の男、意外と手だれ、おまわりさん、不憫受、健気受、元ビッチ受、せつない、あたりにグッとくる方におすすめです。

1

眼福

ふたりの絡みが思ったよりも濃くて
表紙の爽やかなイメージから良い意味で裏切られました…!
藤のよく鍛え上げられた身体に釘付け。眼福。
自分のことをおまわりさんって言うのもツボで…
というか、藤がタイプ過ぎて悶えました。

綺來はちょっとおバカなところもあるけど
いつでも真っ直ぐに気持ちを伝えられるすごくいい子なのに、元カレたちは碌でもないような奴ばかり。
藤と気持ちが通じ合って幸せそうにしている綺來を見ることが出来て本当に良かったです。

ふたりとも推せるカップルで本当に最高でした〜!
入谷のお話もぜひ読んでみたいです。

0

セーフセックスいい感じ

藤は自分を冷たい人間だと思わなければやるせない思いを抱えてしまっているけれど、いつどこで?自然に振る舞っている中で冷たい人間だったときなんかどこにもなくて、普通に優しい人
意図的に傷つけることを言ったときも、自分も傷ついているようにも見えるし
バカだし雑にされるの慣れてそうだし、って思って接してたときですら別になんも酷くなかった

キラのマワされた発言とかは結構ショックで、そんな人間関係から遠くに離れられて良かったなって思った
考えが足りなかったりってのはあるのかも知れないけれど、酷い目に遭わなきゃならないような悪い人じゃないんだもん
バカビッチって言われたときの傷付いた表情には私も傷付いたような気すらした
可哀想な目に遭わせないでくれよぉ

良いお話だったし人物も魅力的だったんだけれど、もしかしたら自分が似た雰囲気と感じる作品を読んだことがあるのかもしれない
これじゃなきゃってまではハマらずだった
お互いにゴム着けて舐め合ってたのはなんか良かった
衛生的なのが絵柄とかにピッタリきてたのかも知れない

0

満足の一冊

町屋先生初読みです。
まず絵がかっちょええ〜。
キャラの顔が、切れ長目でタイプ♡

ケガして下山する時、SMプレイですべて解決と思うとこ笑ったw

で、2人の名前もわからないまま急展開w
2人とも初対面からこんなにエロいの?!と少々ビックリ。
攻め受けは予想通りでうれしいけども。
しかも、攻めがおまわりさんてかっこいい。

藤につれなくされてもがんばる綺來。
それまでとは違ってまじめになっているようで応援したくなる。

藤に辛い過去があり、それを知らず知らずのうちに綺來が癒していた、というのいいですね。

くっつくところも、くっついてからも甘々で見せてくれるわぁと。

山の景色も雄大で壮観でした。

読み応えあり、満足な一冊でした。

1

幸せになることをあきらめないで

 おまわりさんが出てくるBLに魅力を感じる事が多いです。健気な市民の平和を守り、それを脅かすものには身を張って立ち向かう、例えるならば彼らは現代を生きる騎士のようだ。

 心中しようと決意していた訳では無いと思う…しかし自暴自棄になり命に関わるような危険な行動をしてしまった綺來。放っておけば恐らく彼に明日は来なかったでしょう。
 ところが、山で出会ったちょっぴり怖い藤さんの支えにより命拾い。彼と過ごした一夜が綺來に藤さんという目標を与え、勢いと気持ちだけで彼を追いかけて行ってしまう程に。結果、それが生きる希望と活力源となるのです。

 ところが、再会した藤さんは冷たい態度で突き放す。その理由は後半になっていくにつれて明らかになっていきますが、心の底から拒絶している訳では無いので、何だかんだ優しさが隠しきれてないところに安心して萌えられました。
 過去の失敗から自分を責め、自分はこういう性格だと卑下し、幸せになる資格も無いと思い込んでいたのでしょう。

 本当はお互い一緒にいたい気持ちは同じはずなのに、互いの事を想って身を引いたり、距離を置こうとしたり、自分を責めたり悔やんだり…何度もすれ違う心の動きが切ない。
 
 だからこそ、それらを乗り越えて迎えたゴールには、今までの反動のような甘くて幸せな時間が待っている。
 繊細なタッチで描かれるラブシーンは、互いに求め合う二人の甘い対話に萌え、ゆったりした幸せな時間を感じさせるものとなっていましたね。

 BLを読んでいて良かったな。と思える瞬間の一つが、互いの存在が良い影響をもたらし合い、何かを変えた時です。
 恋人として愛し合うだけでなく、相手の存在がその人の抱えている深い苦しみや悲しみから救い出し生き方をも変えた時、二人の出会いに感謝し、心からの祝福を送る事が出来るのです。
 
 救いと幸せの心暖まるお話でした。普段アホアホとかエロエロばっかり読んでいる私はあまり買わない系統の本ですが、時々こういう綺麗なBLを読むと心が洗われますね。

4

山を舞台に二人の男の魂の再生物語。

実質神です。

さっき、夏物を片付けながら何となく手に取って読んだら泣きました。
毎回キラがフラれた所から泣いてしまう。
魂の再生物語は尊い。

ふと垣間見えるキラの壮絶な過去。
若い頃の自分なら、キラを自業自得だと責めたかもしれない。でも
私も年を取り、思うのが、過去の自分の失敗は自分で思うほど自分のせいではないという事。
そして失敗しても再生して良いという事。

キラは藤さんにフラれてからもストイックにトレーニングを続けた。
前の男と藤さん、二回も手ひどくフラれたのに前向きに自分を律して行動できるなんて…
すごいなと思いました。私なら10年位ひきこもります。
だから周りの人たちにも愛されている。
でもキラの以前のコミュニティでは、キラの純粋さ健気さは食い物にされた。
人間関係には気を付けなければならないとしみじみ思いました。。。

藤さんは、ピバークのあたりで既にキラに好意を持っていたんじゃないかな…と
思ったりもしますが、気持ちとは裏腹にキラの好意を終始撥ね付けます。
仕方ないです。藤さんは親友の死を我が事に感じて、供養を兼ねて毎日山へ入っているような男。
千日回峰行かよ、、、

キラに危険が迫った時、パニックを起こしそうになりながら駆け付け、無我夢中で抱きしめた藤さん。
そこからの展開の甘いこと甘いこと…でもここまで辛かったキラを思うと、ここまで甘くしてくださって
ありがとうございます町屋先生(拝)!!!と思いました。

読んだあと魂が浄化されるような気がする素晴らしいストーリーです。



3

ストーリー的には嫌いじゃないんです。

いつも金銭関係にうるさい私ですので、今回もそこの疑問がですね。
とにかく前の男に身ぐるみを剥がされた受けの綺來は山から帰ってお給料日までどうやって生活を?
どれぐらいかかって藤さんのところに行けたのでしょうか?

いや~生活するって本当に大変なわけですよ。お金を稼ぐって大変なわけです。
そして藤さんは警察官でしょう?
金銭をだまし取られた綺來には警察に届け出るように説得しましょうよ。
取り返す努力もしないのはどうかと思うんですよ。

わたし銭子に改名するべきではないかと思い始めました。

2

大好きな作品に出会えました

なにこれ、最高です!
主人公の2人もストーリーも絵柄も、何もかもが好みでした‼︎

有り金全て奪われ男に捨てられたキラは、考えなしに降りた駅から山へ向かう。
山で出会ったのは警察官の藤で、装備不十分のキラは登山を咎められる。
藤から逃げ、山から滑り落ちて怪我を負ったキラは藤とテントで野宿することになったが、なぜかそこで関係を持ってしまい…

なぜ藤がテントでキラに手を出したのかは分かりません…
ただのワンナイトのつもりだったのかもしれません。
しかし、それでキラはすっかり藤に懐いてしまい、藤の住む街に移り住んできてしまいます。

藤にどんなに冷たくされても、いつも明るく前向きなキラが眩しいほど綺麗だと思いました。
山トレも頑張り、いつか誰かを助けたいと言います。
しかし、藤は山で遭難者を救助した親友を亡くした過去を持っていました…

藤も訳ありでした。
だからこそ山への思い入れも強く、自分だけ幸せになることは出来ないと思っているのかもしれません。
そんな藤の気持ちを溶かしたのも、真っ直ぐ一途なキラでした。

思いが通じてからの藤は優しくてキラも可愛くて、Hも最高でした!
キラが働く旅館の入谷も素敵な人で、早くスピンオフが読んでみたいです。

とにかく、全部が全部好きな作品です。
きっと、何度も読み返してしまうでしょう。

2

素敵なお話

すごく好きなお話です
登場人物達の心理描写がとても繊細で、それぞれの眼差しに温度を感じる
じっくり味わいたいって読みたい作品でした

ストーリーは、どちらかというと定番なんですが、チャラそうな受けより実は真面目そうな攻めの方が、ライトな関係しか作れないところからのスタート
そこから、受けの真っ直ぐさとか純粋さに絆されていく過程は読んでいてとても心地よく気持ちが動いていくのを感じられました

はとこ先生のエロちっくな絡みはこの作品でもしっかり堪能させていただきました

2人の幸せを末永くお祈りしたくなる、そんなカップルのお話でした

5

ありきたり。浅い。

高評価だったので読んでみましたが、正直「は?」って感じでした。
なぜこんなに高評価なのか、全くわかりません。
キャラクター設定にしろ、ストーリー展開にしろ、ものすごくありきたり。
序盤で先の流れがほとんど読めてしまいます。
はっきり言って、全てにおいてペラッペラのうっす~い作品だと思います。
上っ面だけをスーッと描いたような作品。
清々しいくらいに、予想するとおりの行動を登場人物がとる。

てかもう…とにかく使い古されたようなキャラクター設定や展開に、呆れてしまいました。
なぜ今更こんな作品を描こうと思ったの?と。
絵もちょっと古い感じなので、余計に使い古された感がすごかったです。

この作家さんの作品は、今後絶対読まないと思います。

7

藤が素敵すぎる

さすが町屋先生です。色っぽかったです。
藤がカッコ良すぎて!山男最高でした。
綺來が好きになるのも無理ありませんね。最初、山で亡くなった親友は恋人なのかと思って居ましたが違っていました。
町屋先生って表情のアップが多いですが、丁寧に描き込まれているのとキャラの心情が伝わってくるので好きです。あの間がなんとも言えません。
綺來はもともとゲイ設定ですが、藤の過去とかももっと読みたいと思いました。
あの田舎町で2人の恋がどうなって行くのか興味あります。

4

強面(無表情)熊男にキュンキュン

彼氏にお金を持ち逃げされた綺來がほんの思い付きでフラフラ行った山で藤さんと出会ってテントでワンナイト!!

優しくされた藤さんにコロリと落ちてお金を貯めなおして藤さんのいる田舎まで押しかけちゃうのアホだけど可愛かったぁ。
真顔であしらわれてるけど、藤さんの優しさは綺來にも私にも伝わってたよぉぉ!!
一緒に登山に付いて行こうとする綺來の面倒を結局は見てくれるしっ!

車でキスした後、綺來を突き放し一人残った車で「はやく俺を嫌いになってくれ」はキューっと心しめつけられました!

綺來の住み込み先の入谷にも何やらあるそうでぜひ作品化されるのが楽しみです!!

4

山での運命の出会い

恋人に酷いフラれ方をして傷心の綺來。
あてもなく行き着き登った山で出会った、
熊のような威圧感の藤さんは無謀なことをしている
綺來を下山させようと何かと手助けをしてくれて。
その時の綺來のポジティブ置き換え妄想が
面白すぎました。
そしてふたりは成り行きで濃厚な一夜を過ごし…

一夜限りで終わらせないと藤さんを追いかけて
旅館で住み込みをはじめて、側にいようとする
綺來の行動力、まっすぐさが不動の山に見えた
藤さんの心を動かしていって。

そんな中起きた落石事故の時の藤さんの焦燥感…
痛いほどじりじり伝わってきて、
綺來を抱き締める藤さんの腕の力強さがたまらなくて、
目頭が熱くなりました…!

お互いがそれぞれ過去のことで、もやがかかったような、
心が遭難してしまっている状況で。
そんなふたりが出会って手を繋いで道を見つけて
先へ進んでいける存在になったのがとってもよかった!
繊細なタッチでセリフが無くても伝わる表情も
魅力的でした。
綺來が藤さんを追いかけて来てからはピアスを
していなくて、そういう細かな変化の描写もいいな、
と思いました。

心にじんわり沁みる温かい素敵なお話で、
登山して登頂後に味わう爽快感のような、
心地よい読後感でした!!(登山経験ゼロですが(笑))

10

甘いの、おかわり‼︎ 心を緩やかに溶かしてくれる、その切ない甘さ。

まるで、優しい鉛筆画の様な。
精緻で柔らかな絵が、光をはらんでいる様に。
とてもとても優しい。
その絵、そのままの、心を温めてくれる優しい物語。

最初、山歩きにはとても見えない着装で、フラフラと歩いている綺來を、
その義侠心から助けたに過ぎない藤。
ハーネスと命綱を付けさせられ、厳しく叱責する藤に怯んだ綺來は、
『これは、SMプレイ』と自分に言い聞かせ、気を紛らわそうとする。
ここまで読むと、男に裏切られて自暴自棄になっていた綺來が、山でウッカリ
新しい男を拾うという、エッチなウキウキストーリーかと思っていました。
思ってましたよ‼︎
だって、山で一夜を共に過ごす事になった二人。
藤はお堅そうに見えて、ノリノリで綺來を抱くのだ。
ワンナイトスタンドならぬ、この「ワンゲルナイト」‼︎
新しい恋の始まりだと浮かれる綺來に素っ気ない藤。
藤には恋に踏み切れない想いがあって…。という、最初のウキウキは何処へやら。
いきなりのシリアス展開です。

過去にあった事故の為に、自分を責めていて心が凍ってしまった藤。
男に騙されて、藤だけを頼りに田舎に引っ越して来た綺來。
都会っ子で早起きが苦手な綺來が、入谷さんの旅館で住み込みで働きながら、
自分の生活を変えて行く。
そして、それが、どんどん藤の癒しにもなって行って。
藤が、綺來に絆されそうになっているのに、自分を律しようとしているのが切なくて。
けれど、遂には。
「おまえがいなくなったら死ぬ。くらいおまえが好きだ。」と。
大切なのは、お互いのこと。という。
綺來の健気さ、優しさ、そして心の強さが、藤の心を緩やかに溶かして行くのだ。涙。
出逢い方は、ワンナイトスタンドだったけど、とっても優しい愛の物語。

その後の二人、甘いのおかわり!最高に甘い!焼きリンゴ作りたくなりますねー。
二人を見守って来た入谷さんが男前過ぎて、素敵なので。
この人のスピンオフを描いてくれるという先生の言葉を期待して、次作を楽しみにしています。

0

ハーネスってエロいよね!

最高に楽しめました!
非番のおまわりさん…コワイv
けどそこは、悪過ぎず、真面目過ぎず良かったです。
この設定にかぶり付きなのはもちろんなんですが、話の内容もいいけど、やっぱり一番は絵です!
超カッコいい(*´◒`*)見てるだけで癒される。
本当に美麗絵で、お値段以上…v
受けも攻めも、目で感情が揺れて動いて引っ張られて、表情豊か。
無口強面、それでいて純愛。

BLアワードに今すぐノミネートしたい。

あと秀逸なのが、その後の続きの話のタイトル。
これしかない!って題名が、ジワジワきましたw



11

色気のある絵

町屋先生らしく、丁寧に紡がれた物語。
付き合っていた男に裏切られ、お金も持ち逃げされ、頭が空っぽになり思いつきで安易な気持ちで山に入っていった綺來(きら)。
当然危険です。
そこですれ違った男性が下山するように言ってきたが、言う事を聞かずあわや遭難の危機に…!
…という冒頭。
雨も降ってきて2人でビバークするテントの中で「そういう事」に…
その男は警官の藤。男らしさに惹かれてまた会いに来る綺來だけど、藤は冷たい。
同僚を遭難の二次被害で喪った過去のある藤は、綺來を突き放そうとするけれど。
惚れっぽくて、でもポジティブなゲイの綺來が頑なな藤の心を柔らかく動かしていく…という展開なのかな。
ストーリー運びは正直順当で、こうなればいいなと読み手が考える通りに展開していくと思います。
私はこの作品の魅力を倍増させているのは絵柄にあると感じました。
絵柄というのは好き嫌いもありますから、町屋先生の以前の絵の方が好きだ、という方もいらっしゃるかもしれません。しかし私にはサッサッと手を動かした跡も残っているようなこの絵のタッチ、涼しげな目元の描き方、心の中を映すような目線の動き、柔らかく重なる口唇、そして勿論押し入って受け入れる「その」部分…
それらの美しく優しげな線で描かれる藤と綺來、そして山の空気がとてもきれいに見えました。

3

山の空気を感じました!

綺麗な絵にひかれて電子版を購入しました。買って大正解!きら君は素直でいい子なんだなあ、ほんと。その分周りに流されやすそうで…藤さんみたいにしっかりした山男に出会えて本当に良かったです。二人の出会いで、山を下りるシーン、SMプレイを想像するきら君でまず爆笑してしまいました(笑)それからは、意外と(?でもないんですが)シリアスなお話で…藤さんがきら君への想いを認める展開が自然だけど感動しました。あとは甘々ラブラブな二人で…先生の描く体も凄くキレイなのでもっとエッチして欲しかったです。
あとがきによると、旅館のオーナーさんのお話あるそうなので、そちらも読みたいです!先生、是非!よろしくお願いします。

2

成長していく受けが魅力的!

心がぽっとあたたかくなるような素敵なお話でした。
最初のページに2人の出会いのシーンが描かれているのですが、その2人のお顔を見て即購入を決意したほどに、作画がキレイです。
町屋先生の絵って男らしいのにふわっと柔らかくもあり、不思議な魅力がありますね。

失恋しお金も持ち逃げされ絶望した受けの綺來が、あてもなく入った山で攻めの藤に出会い、人生を変えていく物語。

序盤、綺來は軽いノリのチャラ男っぽく描かれているんです。
怖い顔した藤や危険な山の現実から逃避するために、山の装備をえっちなSM器具に見立てた妄想をしてみたり(笑)
怪我をした足で道なき道を下山しながら、頭の中で「あは〜ん♡」「うふ〜ん♡」な妄想をしている綺來は、大変なお馬鹿くん。

でもそんな綺來が、藤に出会ったことによって、どんどん変わっていくんです。
生き方を見つめ直し、自分を大切にするようになっていくプロセスが、なんだかとても優しいんです。
これは町屋先生の描き方がうまいんだろうなぁ。
健気に藤にアタックし続ける綺來が愛しくて愛しくて…

一方、かつて友人を山で亡くしている藤は、心の奥に後悔とトラウマを抱えています。
強くてかっこよく頼れる男である反面、綺來に対しては壁を作り、冷酷な態度をとる一面も。

本気の恋をし、雄大な山と真摯に向き合うことで成長していく綺來。
最初は藤を好きになったことがきっかけで変わり始めた綺來が、今度は藤の心を救い、溶かすまでに至るって凄いこと。
自然と愛のパワーを感じた作品でした。

ラスト、山をバックに手を取り合いキスをする2人の絵が反則級に美しかった…
ぐわ〜〜っと込み上げるものがありました。
深く繋がったあとの2人は、出会いの頃の冷たいやり取りが嘘のように、甘くて甘くて…
「羨ましいぜ〜この〜〜!」って冷やかしたくなるほどでした。さいこう♡

あとがきで先生が書かれている、入谷のストーリーが気になります。
入谷はとても印象的かつ魅力のある人物だったので、ぜひスピンオフを!
その際にまた綺來や藤にも出会えたら嬉しいです(*^^*)

6

綺來に惹かれる理由が良くわかる

まず捲って思ったこと。
絵が綺麗〜〜!!
既刊全て読んでますが、一段と線が綺麗で好きです。
それだけでウットリ楽しく読めました。

山を舞台にしたお話で、男に有り金全部持ち逃げされて自暴自棄になった綺來(受け)が、呆然と着の身着のまま、登山道へ入り遭難寸前となったところを登山者・藤(攻め)に助けられ、一夜を共に……というやつ。

私は綺來のキャラが好きです。
前の男にひどい目に遭わされたり輪姦されたこともあって結構悲惨な目にあってるのだけど、それでも人嫌いにはならず、素直で明るくて、そして生来の懐っこさみたいなものがあって宿屋の入谷にも、駐在所のおまわりさん達にもすっととけ込んで可愛がられている。

私が一番好きなシーンは、車内で「やりたいのか?」と藤に言い当てられ赤面してから「そりゃそうだけど‥‥」と認めつつも「藤さんの気持ちが俺に向いてからがいい」という綺來の見開き2Pです。
多分、ゲイである自分に対して自己肯定が低くて、ロクでもない男としか付き合ってこれなかったと思うんです、綺來は。
だけど、彼本来の純情さが良くでていて、いじらしくて切なくて、胸がキュンとする……。

藤は無愛想だけど困った綺來を見捨てておけず、なかなかいい人なのかも?と思いきや、山を降りて借りたお金を返しにきた綺來に対して「正気になったらお前みたいなバカビッチとはやる気も起きない」「後悔している」なんて残酷な事を言うので、わぁ……酷い言い方……と読んでるこっちもショックを受けたのだけど、でも読み進めていくとなぜそうやって綺來を突き放す必要があったのかわかります。

それにしても藤はおまわりさんなんだけど制服姿のかっこいいこと。
綺來の「制服姿ずるい」に100%同意!

そして攻め受けどっちも筋肉の付き方が綺麗で、過剰感はないけれどしっかり男の身体って感じで、そんな二人が身体を重ね合うシーンは相変わらず最高です。

5

孤独な男たちが愛を手に入れるまで

町屋さんの描かれる、ちょっと色香の漂う男、が非常に好きなのですが、今作品に登場する男たちも男の色香と強さにあふれたナイスな男性たちでした。





主人公は22歳の綺來。
付き合っていると思っていた男に有り金を全部持っていかれ、振られてしまった。
傷心のまま電車に乗り、気まぐれで降りた場所で山に登ろうとするが、そこを一人の男に止められる。無視して登山を続けようとした綺來だが、崖から転落してしまう。そのピンチを、その男・藤に助けられるが―。

綺來という男の子がちょっとアホな子です。
無計画だし、人のアドバイスを聞く気もない。

そして一方の藤も。
綺來が振られたのは「男」だと知り、そのまま慰める体で綺來を抱いてしまう。

と書くとどちらも不誠実な男のように思われるかも。

が、そこから少しずつ見えてくる彼らのうちに隠した思いが、なんとも切ない。

綺來は、いい子なのに男を見る目がないんです。
過去に、たくさんの男たちにひどい目にあわされている。が、それを恨んではいない。ひたすら、自分にも非があったのだと思っている。

明るく振舞う綺來ですが、そこには、彼の自身の性癖に対する葛藤があるのかも。

そして藤も。

おまわりさんであり、山の安全のために自主的にパトロールをして回るナイスガイ…、に見えて、彼は序盤はかなりの外道です。
綺來に、「(抱いたときは)どうかしていた」「お前みたいなビッチは願い下げ」みたいなことをさらりと言ってしまう。

おおーい!
綺來が可哀想なんだけど!

と思うのだけれど、彼は綺來に惹かれていく自分を戒める必要があった。
その理由が、なんとも切ないです。

綺來にしろ、藤にしろ、過去のことはさらりと流されているだけで詳しい描写はありません。
ないのだけれど、町屋さんの描かれる、なんていうのかな、ノスタルジックな絵柄が、彼らの哀しみとか哀愁をひっそりと漂わせていて、読み手の胸にぐっと迫ってくる。

ただ、もう少し踏み込んで描いてほしかったな、という部分も。

藤の知り合いで、綺來が住み込みで働き始める旅館のオーナーの入谷という男性がいます。

入谷が、このストーリーのキモになる人物ではなかろうかと思えて仕方がない。
藤の過去のトラウマは、友人を山の事故で亡くしていることが原因ですが、この友人が、入谷の恋人だったんじゃないかな。

読み始めたとき、亡き友人が藤の恋人だったのかと思ったんです。
なぜなら、藤は初めから慣れた様子で綺來を抱いたので。そして、綺來に心奪われないよう、自身で戒めているので。

が、この友人は、本当にただの友人だった模様。

ここをもう少し踏み込んで描いてほしかったな、と思いました。

入谷の話も描いてほしいし、ぜひとも続編を描いてほしいです。

展開としてはシリアス寄りな作品です。
人の死とか、裏切りを描いた内容。

ですが、そこかしこに描かれるギャグが、この作品をシリアス一辺倒のものにしていない。

時に笑い、そして落涙する。
孤独な男たちが、唯一無二の存在を得て幸せを手に入れる。

そんな温かく、そして優しい作品でした。

10

ポジティブゲイに、頑なな山男が動かされる!

大洋図書から町屋先生2冊目のコミックス。
3年半コミックスが出なかった間、筆を折ってしまったらどうしようと心配だったので、コンスタントに作品が続いて嬉しいです♪

前作『ちょっと待ってよ、花屋さん』は鉛筆スケッチ風な質感がありましたが、今作は線がスッとして綺麗になってます。
私はこちらの絵柄の方が、町屋先生の繊細なストーリーに合っていて好きです。


一冊まるごと、おまわりさんの藤と、ゲイの綺來のお話。

綺來は彼氏に金を持ち逃げされ、ふらーっと電車に乗り、山の看板を見つけ、なんの装備もせずに、気晴らしに山に登って、出会ったのが藤。

山に詳しい藤が止めるのも聞かずに、綺來は走り出して、崖から落ちてしまう。
それを藤が助けるのだけど、歩けそうだと判断しておんぶはしない、藤は合理的な厳しい男です。
綺來は、失恋にメソメソしてるのではなく、下山のために藤と結んだハーネスを拘束具だと妄想して、”えすえむぷれい” を楽しむお気楽さがありますw

そして下山途中で野宿することになり、綺來が寝ている藤にくっついて安心していると、藤がそれに応えてきて…
藤はゲイじゃないと思うのだけど、舐め合いから始まって、慣れてるというかテクニシャンな感じがします!


一夜限りのゆきずりの関係、でも綺來は「金を返す」と約束して、何かが始まる予感がしたのだけれど、、、

藤がおまわりさんをしてる田舎までやってきたのに、藤は綺來に冷たい…
それでも綺來はめげずに、地元旅館で住み込みのバイトをしながら、自転車で山を越えて藤に会いにやってくる。
冷たく突き放されても、好きな男に好きだってアピールし続けられる綺來のパワーと素直さがすごい!

藤は、救助で同僚を亡くしているから、気軽に山にやってくる綺來のような奴は迷惑だと思ってるし、自分が生きていることにどこか負い目を感じている頑なさがあります。
でも、そんな藤の頑なさを紐解くのは綺來の素直な明るさなんだと思う。

藤は自分では気づいてないけど、どうしようもなく綺來に惹かれて、綺來を大事に想うようになってる。
そして綺來も藤に助けてもらえたことで、自分も誰かを助けてあげられるようになりたいと成長してる。
町屋先生らしい、優しさと繊細さを感じるストーリーでした。


あと町屋作品は、優しさ溢れるストーリーには驚くくらい官能シーンがエロいのが特徴ですが、本作も回数はそれほどではないけれど、野宿エッチは69をしちゃってるし、気持ちが通じあってからは騎乗位からの仰向け寝バックで、男同士がカラダを繋げてる感がたっぷりでドキドキしました~♥

エッチシーンは、『ちょっと待ってよ、花屋さん』でも感じた鉛筆スケッチ風な質感が残ってましたが、登った頂上から山の峰が開ける景色、山の中の樹々、背景が綺麗で見惚れました。
とくに、秋の山の中でキスをするラストシーンは印象的です!


あとがきによると、綺來がバイトをしていた旅館のオーナー・入谷の話を先に思いついたそうです。
綺來の良き理解者であり、藤の気持ちを見透かしていた入谷。ここまで物分かりがいいのはそれなりの経験をしてきたからだろうなって思うので入谷の話も読んでみたいです。

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