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挿絵、あとがき無し。
『恋』、『朱い熱』も含めて、3冊読んでの評価です。
「神」評価。
是非とも、『朱い熱』まで読んで欲しい。
そして、最初に戻って再読して欲しい。
初見ではわからなかったことが、見えてきます。
あ、ここで、そこに繋がるのか、、、、と。
この物語、捉え方は人それぞれとは思いますが、やはり最後の『朱い熱』に繋るための、前2冊があると私は捉えました。
本作では、櫻丘寮の悪魔で、意地悪な姉その一だった松嶋の行動が、『恋』では人間的な部分がクローズアップされ、『朱い熱』では彼の懊悩や激情がガッツリと露に描かれます。
前2冊があるから、『朱い熱』の内容が胸に響きます。
是非、3冊とも手に取って欲しい。
そして読み返して欲しい。
学園寮で暮らす高校生同士のお話です。
にぎやかな明るい学園生活が読みたい方にはちょっと違うかもです。
キラキラした「青春!」テイストではなく、こちらはしっとり静か。派手さはありませんがじっくり読ませてくれます。
「騙された」と思ってスパッと切ってしまえる旭くんの男らしいこと!だけど感情はついていかなくて未練残りまくりなのがせつない。
「騙すなら騙しきってほしい」のセリフにせつな萌でした。
同じ学校の生徒に見守られ(?)実況中継される中でも告白が出来ちゃったりとか、卒業後に再告白を狙ってるしたたかさとか…攻の伊達くんもメンタル強め。
サブの登場人物もみんなそれぞれキャラが濃くいい味出してました。
橘紅緒先生の作品を読むのは二作目になります。
以前読んだ『Over The Rain』で、先生の書かれる独特の文体にすっかり魅了され、他の作品も読んでみたくなり今作を手に取りました。
読んでみて、やっぱり好きな書き方をされる作家さんだなと思いました。
さらりとしていて、でもどこかウェットな空気と言いますか…。勝手な想像ですが、先生は雨とか水がお好きなのかなと思います。湿度の高い日に読むと、より作品世界に没入出来そうです。
ストーリーもとても楽しめました。
高校の寮を舞台にしたお話ですが、受けと攻め二人の出会いから恋人になるまでは意外と早く、その過程は爽やかでキュンとしました。
攻めの伊達くんが落ち着いていて誠実な少年だったので、安心して二人の恋を見守れます。
しかし中盤から雲行きが怪しくなりトラブルが生じてからは、読んでいて胸が苦しくなる展開に。
受けの旭の早合点や誤解、二人のすれ違いが切なくて苦しくて…。
「それは誤解だよ!」とか「ちゃんと話し合って!」とか心の中で叫びまくりました。
でも、この切なさ苦しさがBLの醍醐味と思ってる人間からしたら最高に充実した時間でした。こんな胸の痛みを待ってた!といった感じです。
読後感も良いですし、ラストでは思いがけず嬉しい真実みたいなものも明かされ大満足で読み終わりました。
誤解からすれ違いが生じ、好きあっていた二人が別れてしまう展開が好きな方には、自信をもっておすすめできる作品だと思います。
うーん…学園寮モノって難しいなぁと再認識しました。
学園(寮)モノの特徴の一つは登場人物の多さにあると思います。メインのお話に絡まないキャラクターが多くて、それが読む楽しさに繋がる作品もあれば話がとっちらかってしまったような印象を受ける作品もあります。自分の場合、今作は残念ながら後者でした。
烏丸はいわゆる「無意識に男を惹きつけるフェロモン垂れ流し系」のキャラクターで…その設定自体でちょっと萎えたというのもあるのですが、肝心の烏丸と伊達がどこで惹かれ合ったのかイマイチ分からず恋愛部分の焦点がはっきりしなかったように思います。伊達も最後までどんな男なのか掴めなかったな…。結局、その烏丸のフェロモンにやられただけじゃないのかなぁ。身も蓋もないけど。
終盤、寮長とルームメイトが実は恋人同士というネタばらしも唐突に感じました。
何が良かったというと、はっきりここが良いとは言えないのに、すごく好きだと思えた作品でした。何が良いかと言うともう雰囲気としか…。
読みながら、何かどこかで読んだことあるな~と感じたんですが、これと似たストーリーを知ってるというわけではなく、10代の頃読んだティーンズ・ラブノベルみたいな懐かしい雰囲気がして、特に告白のシーンは本当にツボで若返ったみたいに/笑 ドキドキしました。
人気者の攻めと誰にもなびかない無愛想な受け。人気者に自分も惹かれているけど周りと違って顔には出さない、というシチュエーションが好きです。
前半で初めて口を利き、恋が始まって、中盤はちょっとだらだらした印象があったのですが後半で意外な展開…。
だたその意外な展開というのも画期的なほど大したストーリーかと言うとそうでもなく、全体的にすごく面白い!って感じでもなかったのに神評価に近い萌×4です。そのくらい雰囲気が好きでした。
信じていたのに騙されていた、そういう展開って、BLで少なくないですが、このお話の主人公・旭の、「騙すなら騙しきって」という台詞が何だか新鮮で心に残ります。
騙されていたと知って伊達と距離を置く旭ですが、伊達が一切の言い訳をしないところは何だか釈然としませんでした。
結局長い痴話喧嘩を読んだともとれます。
ラストシーンで冒頭の出会いが実は…というネタバレがあるのですが、そこまで考えられたラブストーリーだったのは驚きでした。
ちょっと残念に思ったのは、キャラクターが非常に多い上にせっかく好きな北畠さんのイラストなので、主役の2人以外のイラストも入れて欲しかったという事です。イラストで状況説明が分かり辛かった。
ですが、他キャラのイラストは続編で楽しもうと思います。
蛇足ですが、花火のシーンを書くために、一人で花火をしたという作者さんのコメントが面白かったです。
こにしそるさま
こんにちは、こにしそるさま(*^^*)
わたしは橘さんが大好きなのですが、仰るようにこのシリーズの雰囲気って昔のコバルト文庫とか(ご存知かわかりませんが、クララ白書とか)懐かしい雰囲気がどこかありますよね。
個人的には二冊目での忍のイラストに「あれ?こういう感じだったのか」となりまして、わたしも先にもう少し知りたかったです。
ただ、北畠さん特有のあの白黒なイラストは雰囲気ピッタリでしたね。