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表題作ラブデリカテッセン

山江恒
大食いタレントとして活躍する元同級生
由良嗣巳
テレビ番組にも出る料理研究家26

その他の収録作品

  • ラブグロッサリー
  • あとがき

あらすじ

嗣巳は高校の同級生だった山江と仕事先で再会する。
大好きだったのに大嫌いになった相手からは思いもよらない言葉を聞かされて……?

作品情報

作品名
ラブデリカテッセン
著者
栗城偲 
イラスト
カワイチハル 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
ISBN
9784403524783
2.4

(40)

(2)

萌々

(8)

(11)

中立

(5)

趣味じゃない

(14)

レビュー数
9
得点
80
評価数
40
平均
2.4 / 5
神率
5%

レビュー投稿数9

ストーリーは悪くないんだけど…

表紙の可愛いさに惹かれて購入しました。
本当に可愛いイラストで、さぞかしスイーツのような甘々ストーリーかと思いきや?


料理研究家の嗣巳(受)は高校の同級生・大食いタレントの山江(攻)と仕事先で偶然再会する。嗣巳は高校時代、山江の事が好きだった。けれど山江の心無い言動に傷つけられ、逃げるように海外へ留学。それを機会に料理研究家となり活躍していた。
山江は「友達になれるチャンスをください」と、過去の言動を謝罪。実は嗣巳の事が好きだったと告白してくる。
過去の事を引きずりながらも、仕事を介して少しづつ2人の距離は縮まっていき…ー。


再会ものBL、さらに拗らせもの!…と聞くと、基本萌しかないのですが、こちらは少し違いました。

なぜなら嗣巳が、拗らせ過ぎてるから(泣)

いくら何でも拗らせ過ぎてて、読んでてイライラしてしまう。そんなに山江を疑うのは、無理やり話を延ばそうとしてるだけなんじゃ?とストーリー以外の事や設定にまで口を出してしまいそうになり、残念ながら楽しく読む事が出来ませんでした。

ただ、気に入らなかったのは嗣巳の性格だけで、他はキャラクターなども本当に良かったです。
時々入る挿絵もとても可愛くて、ビジュアルだけなら嗣巳も最高でした!

変に勘ぐらなければ、可愛らしいイラストと相まって楽しく読む事も可能かと思います。

1

可愛いのですが、

嗣巳は高校時代までぽっちゃり体型。自分で作ったお弁当に興味を持った山江が話しかけてきた事がきっかけで、仲良くなり嗣巳は恋心を寄せる。2年生でクラスが変わると疎遠になってしまい、それが理由だとおもっていたのに、体型のことで山江から悲しいことを言われ、意図的に避けられていると思った嗣巳は卒業式の日、自ら拒絶をし離れた。。。

嗣巳は留学し、ダイエットをして痩せ、料理研究家になって日本で活躍。TVにも出るほどの知名度になるが、撮影の時に大食いタレントをしている山江と再開。
過去に傷つけられている嗣巳だが、そこまで根に持つものか?と思うほど、傷は深いようで、その感覚が読んでいて違和感でした。
山江の過去のことを、収録現場にいる人にまで話して拒絶したり、山江が好意から引き起こしてしまった過ちだと明かしても、踏み込めないでいるなど、少し過剰な気がしてしまいました。挿絵の嗣巳が可愛くて好みなだけに残念でした。
想い伝わった後の2人はとても良かったです。
山江が嗣巳のことを、可愛すぎて仕方がないと言うのが伝わりました。甘々なのもいい!

嗣巳の性格だけが、どうても私には合わなかったのかなぁ。。。

2

同級生、再会、両片想い拗らせもの


お互い好きだったのに、攻めが素直になれず酷い言葉を投げつけたせいで決定的に仲が拗れ、数年後仕事先で再会した後は攻めが誠心誠意謝罪してやっと恋人になる話。

<あらすじ>
カナダ留学中に料理動画投稿で活躍していた由良嗣巳(受け)は帰国後は動画投稿に加え、料理研究家としてテレビに出演するようになりました。
出演した番組で残った料理が廃棄されることにストレスを感じていた嗣巳でしたが、ある番組で大食いタレントとの共演でたくさんの料理をすごい勢いで全てを味わって食べてくれたことに感激します。
が、忘れたと思っていた人物と再会してしまいます。
その大食いタレントの一人が過去自分を傷つけた高校の同級生・山江(攻め)だったのでした。
山江は嗣巳が好きだった人であり、嗣巳にカナダ留学を決意させたトラウマ相手です。
その時のことをなかったかのように話しかけてくる山江。
嗣巳は拒絶しますが、何度も謝られ連絡先を教えて欲しいと頼まれ、嗣巳は仕方なく連絡先を交換するのです。
それからは、何度も食事に誘われたりと以前とは人が変わったような態度に嗣巳は戸惑ってしまいます。



嗣巳は実家が農家であったこともあり、周りに食べ物が溢れていて、高校までは3桁の体重を保持するほど太っていました。
小さい時はそのことでいじめられたこともありましたが、高校になってからは虐められることもなくマスコット的な扱いを受けていたのですが、その中で特に親しくしていたのが山江でした。
嗣巳が作る料理をおいしいとたくさん食べてくれる山江を次第に恋愛の意味で好きになっていったのですが、クラスが変わってから付き合いもなくなり、3年で再び選択クラスが同じになったときには無視されるようになっていました。
何故そんな態度を取られるのかわからず戸惑っていたのですが、友人と進路の話をしていた時に、進路のことや太っていることを馬鹿にするような言葉で否定されたことで、1年の時は太っていることを好意的に思っているような話をしていただけに酷く傷つき、逃げるようにカナダへと留学したのでした。
留学先のホストファミリーの協力で現在ではすっかり痩せることができたのでした。
料理動画に加え料理研究家タレントとしてテレビに出演することも増えてきたことで山江と再会し、昔の傷が疼くとともに、まだ山江に気持ちを残していたことを思い知るのです。

山江は4人兄弟の末っ子という立場から常にお腹を空かせていて、嗣巳が作る料理が大好きでした。
嗣巳への想いが恋愛に変わったことに驚き、それを嗣巳に知られないようにすることに頭がいっぱいで自分の行動に嗣巳がどれほど傷つけるかということに考えが及びませんでした。
進学に対して酷い言葉を言ったのも、自分と同じ進路に誘導したかっただけだったのに、それは嗣巳を決定的に傷つけただけでした。
卒業式でそのことを思い知らされ、後悔と自己嫌悪で泣き崩れることになるのでした。


嗣巳視点の表題作に加え、山江視点の短編「ラブグロッサリー」の2編になります。
嗣巳視点を読んでいた時は、山江のやったことをなかなか許せなくて、好きだという言葉が信用できない気持ちがよくわかりましたが、山江視点を読むと自業自得だとは思いながら、若かったし苦しんだんだな(いまだにその時の夢をみてうなされるくらい)とちょっと可哀そうな気もしました。


何度謝られても許せないというのはすごく理解できるし(これは虐められた経験のある人にしかわからないかも)、謝罪され続けて許さない自分が悪い気分になるのが嫌だという嗣巳の気持ちはとてもよくわかる。
嗣巳がこの時点で山江が自分のことを好きだとは知らないので、自分の気持ちを軽くしたいためだけに謝罪を受け入れてほしいと思っているようにも受け取れるから余計に受け入れたくないのではないかと思いました。
ただ、他の大食いタレントの女性二人やディレクターがいる前で告発みたいにしてしまうのは山江のイメージが悪くなるのでちょっとやりすぎかなとは思いますが、この二人の援護がなかったら性格的に嗣巳の方が不利なので、仕方ないかな思いました。
こういう話の主人公って謝罪をすぐに受け入れたり、罪を許したりするのでいつももやもやするので、私個人としてはこれくらいのほうが人間味があると思いました。


「虐めた方は忘れてても虐められたほうは覚えてるもの」
「昔のことを水に流していいのは被害を受けたほうだけ」
と大食いタレント女性がいうことは真理だと思いました。

結局、山江は許されましたが、嗣巳には小舅として守ってくれる兄貴分が二人もいるので(幼馴染でオネエタレントの鈴子・ホストブラザーのダスティン)、この二人が再度山江がやったことを非難していましたが、これからもきっとちくちく山江をいじってくれることでしょう。
オネエのときは美人で男性の時は美形という鈴子さん。
がっしりした人を組み敷くのが好きという彼の恋愛が気になります。
条件的にダスティンがぴったりのような・・・


評価に「中立」が多ですが、私は良かったと思います。
片方が原因があるとはいえ二人ともが傷ついてしまった過去があるので、楽しく読めたとはいえませんが、ちゃんと二人とも前を向いて進もうとしていた姿が好感がもてました。
でも、カナダに留学している間に一人くらい恋人作っていてもよかったのではと思いました。あんなに傷つけた嗣巳の「はじめて」を全部山江にあげるのはちょっともったいない。
自分のせいで嗣巳の「はじめて」が貰えなかったことを後悔して相手に嫉妬して教訓にしてほしいというのはちょっといじわるすぎますかね。
まぁ、今でも十分いろんな人(犬にまで)していますが・・・

イラストもカワイチハルさんの素敵な絵が話にとてもよくあっていました。
太っていたころのマスコットな嗣巳もかわいいです。
できれば、鈴子さんとダスティンも描いてほしかったな。

4

受けに魅了が無い

栗城先生の作品ということ、同級生再会ものということでかなり期待して読み始めました。
けれどもあまりの受けのウジウジさに、受けが好きになれませんでした。
プロデューサーにセクハラを受けて攻めに助けてもらった後に、注意されてその言葉に過剰に反応して喧嘩になります。
攻めが無神経ってよりは、受けがたんにしつこく面倒くさいだけで読んでて疲れて来ました。
どこに魅了があるのかが分かりません。
受けの方が酷いという印象です。
幼馴染のりんちゃんが魅力的だったので、彼が主役のスピンオフが読みたいです。

3

おちない

カワイチハル先生の挿絵狙いで購入。こんな可愛い表紙、激アマでろ甘に違いないと思っていたのに、思った以上に受けがおちない頑固者(訳ありで当然の仕打ち)だった上に、色々ツライ部分もあってなかなか甘く感じられず、萌より中立でした。本編160Pほど+攻め視点の後日談50P超+あとがきです。

小さい頃からの色々な積み重ねでテレビにも出る料理研究家になった嗣巳(つぐみ)。テレビ用に料理を作るのはいいものの、出番が終われば捨てられてしまうのを知っていて、「ご飯は全部美味しくいただいてほしいーーーー」とどうにもこうにもツライ日々。そんな中ある番組で大食いタレントさんと一緒になったのですが、その一人が突然嗣巳の名前を呼び・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
鈴子(受けの幼馴染、オネエタレント)、テレビのプロデューサー、テレビ共演者、後日談の方でカナダでお世話になっていたホストブラザー等。鈴ちゃん、良い方です♡

**萌え萌えになれなかったところ

高校時代に仲良くなった攻め受けが、すれ違って仲たがいしたという過去経緯がありまして。
そこには3桁の体重だったという受けさんの容姿のエピが絡むんですが・・・

初めて同性に恋してしまったという攻めの動揺はめっちゃ分かるし、高校生ならではの余裕の無さもよく分かるんだけど、やっぱり好きな人に「嵩高い」と言われるのはキツイよな・・・とかなり落ち込み。
すっきりダイエット(カナダ留学時代に1回2時間の犬散歩を2回/日)し、めちゃんこ可愛くなっていて、容姿としては完璧になっている今でも、その過去の傷ついたという受けの気持ちにとてもシンクロしてしまって、受けさん同様に、攻めさんを全面的に受け入れる気持ちになかなかなれなかったです。

大人となった今では、攻めさんはすっかりカッコいい良い男になっているので、「水に流せ!」と思うんですけどねえ。。。
後日談の方でダメ出しみたいに高校時代のその別れ部分を振り返るので、もう一回心に血を流す気分でした。

すれ違いで傷つきたい気分の時には良いかも、と思う一冊でした。ああチハル先生の絵はめちゃくちゃ可愛いくて癒されるのに(涙)お話が個人的にはキツかった。

7

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