水原とほるさんのレビュー一覧

夏陰 -cain- 小説

水原とほる  高緒拾 

バイオレンスなデビュー作

1冊ぜんぶ表題作です。雪洋(受け)の視点でストーリーは進みます。

初版2003年とのことで、水原先生のあとがきもイラストの高緒先生も初々しいです。そして、お二人の現在の活躍を予感させる見事な1冊です。

滅多にモノを欲しがらない。
一度欲しいと思ったものは、どんなことをしても手に入れる。
そのかわり、欲しいモノを手に入れるといつまでも大事にした。

そんな岡林(攻め)はカッコイイ…

3

たった一人の男 小説

水原とほる  金ひかる 

じれったく切ない

1冊ぜんぶ表題作です。暁生(受け)の視点で進んで行きます。

暁生と基弘(攻め)は恋人同士でしたが、会社を独立するにあたり、基弘から別れを切り出されて社長と秘書の関係になります。それから3年、基弘は女性と付き合いそれを暁生はサポートをしていましたが、暁生にも恋人ができ…という話です。

第一章<現在の二人>、第二章<過去における二人>、第三章<未来へ向かう二人>と分かれているので読みやすい…

3

恋情の雨音 小説

水原とほる  ヤマダサクラコ 

遣らずの雨

雨が印象的で雰囲気がとてもよかったです。しっとりしたラブストーリーでした。切なめでしたが、切なすぎる感じでもなくて読みやすいと思います。物足りない感はあったかも。
それと、濡れ場では受けが女性的で戸惑いました。言葉遣いが女っぽいです。

受けが特殊な能力持ち、攻めが刑事ということで、読む前に勝手にミステリっぽいのかなと思っていたのですが、ミステリではありませんでした。事件を解決していくってス…

2

たった一人の男 小説

水原とほる  金ひかる 

「たった一人」の理由がやや弱いかも

あらすじ:
情報処理会社の社長・基弘(攻め)と秘書の暁生(受け)は、3年前に別れた元恋人同士。
弁護士の佐賀と関係を持つ暁生だが、基弘への想いも捨てられず…。

元は同じ会社の上司と部下で、恋人同士だった二人。
しかし、二人で独立し仕事上のパートナーとなったことを機に、公私混同を避けるため別れてしまいます。
自分から別れを切り出したものの、暁生は基弘にまだ未練が。
弁護士の佐賀と関係…

10

The Shoemaker -ザ・シューメイカー- 小説

水原とほる  沖麻実也 

ピッタリこない

面白いのかもしれない。
靴職人、を題材としたところはなかなかいい。
しかし、初っ端の神父に云々の話から躓いてしまって、
その後も細部で「ん?」と躓きがあって、
面白さを味わえないまま、読了。


一流イタリアブランドの靴部門を担当する靴職人・尚吾。
ミラノで修行し仕事をしていたが、父の死をきっかけに帰国し
日本の下町に工房を構え、順調に活躍していたのだが、
イタリアの父として慕…

3

奪還する男 小説

水原とほる  小山田あみ 

中東の描写は詳細ですが…

中東に赴任予定の外交官・直実(受け)は、中東出張中に遭遇した爆破事件で、民間警備会社勤務の元警察官・加賀谷(攻め)と出会う。
帰国後、偶然再会し身体の関係を結ぶ二人だが、中東某国で邦人誘拐事件が起こり…

水原さんが実際に訪問された中東の街を舞台としているだけあり、現地の描写は大変活き活きとしています。
直実や加賀谷が語る外国への憧憬や海外情勢も、水原さん個人のお考えや経験が多分に盛り込ま…

13

唐梅のつばら 小説

水原とほる  山本タカト 

挿絵込みで完璧

初読み作家さんです。
BLではあまり見かけない、何とも言えない耽美な絵柄と表紙に惹かれて購入すること早ウン年……。
表紙の手触りも少し変わっていて、眺めては温めてと繰り返していると、あっという間に10年近く経ってました。
いや、2段組といい厚みといい挿絵といい、何だかちょっと読むのを躊躇うような濃厚さが漂ってたので、これは気合い入れて臨まなきゃ!と思ってたもので。

そんなわけで、漸く読…

11

初恋 小説

水原とほる  片岡ケイコ 

??でも、じわるのです

水原とほる先生の十年前の作品になります。ふと手に入れて、読む前にちるちるで検索してみたら攻め受け紹介が秀逸でした。ちょっと失礼して抜粋しますね。
攻、独占欲の塊ドクター(と)慎みすぎな海の男。受、流され続ける乙女くん。
思わず笑いました。上手いなあ、これどなたが書いたんでしょう。もちろん、彼らにはちゃんと名前があります。ドクターが隆晴、海の男が洋人、乙女くんが多伎、彼ら三人の十五年ほどに及ぶ長…

2

面影 小説

水原とほる  タクミユウ 

なかなか美味しいです

水原とほるさんの作品は結構拝見しています。
母子家庭でそだった瑞希くん。唯一のお母さんが亡くなってしまったので、知らされていなかったお父さんを探しに旅立ちます。
父親候補かな?という堂島さんの麻薬取引に偶然居合わせてしまい、カモフラージュのために抱かれてしまします。
それから逃亡生活。
そこは、二人しかいないので密着あまあまです。
そしてもう大丈夫かな〰と思って帰ってきたら、瑞希くんが拉…

2

異母兄のいる庭 小説

水原とほる  あじみね朔生 

共依存ではないところが◎

兄弟モノがあまり好きな設定ではなく、なんとなく「日本家屋で繰り広げられるロマンポルノ的な監禁モノ」っぽいタイトルとあらすじと表紙絵に少々ビクつきながら読み進めましたが、とても面白かったです。神率が50%近いのも頷ける、面白い小説でした。

お話は一つだけですが、おおよそ三部構成になっていると思います。あらすじは第一部のさわりの部分だけを表していて、ここから徐々に変化(成長)していく二人とその関…

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