茶屋町勝呂さんのレビュー一覧

背徳のマリア 上 小説

綺月陣  茶屋町勝呂 

時代を超える問題作!!

ー狂おしいほどに響く君の呼び声ー

T大医学部付属病院の外科医たちの
悲哀と狂気に満ちた愛のかたちを描く衝撃の医療サスペンス。
上巻には3編収録。

受・佐伯彰
T大医学部付属病院長の一人息子。
眉目秀麗、気が強くて一途な青年。
自身の結構披露宴で圭介がくれた言葉
「女だったら絶対に女房にしようと思った」により
自死ではなく男である自身を抹殺することを選択するが、
その過程…

1

夏の塩 小説

榎田尤利  茶屋町勝呂 

榎田先生の作品で一番好き 夏の子供と二冊通してのレビュー

榎田先生の作品は何作か読みましたが、この作品が一番心に残るものになりました。

まず、装丁が素敵です。きれいで透明感があり、でもどこかつかみどころのない感じが、主人公魚住のようでした。本を開く前に眺め、読みおわった後にまたじっくりと眺めたくなるような、そんな装丁です。

二冊ともかなりボリュームがありますが、一冊の中に、様々な登場人物にスポットを当てたいくつかの短編が時系列に沿って連なって…

2

夏の塩 小説

榎田尤利  茶屋町勝呂 

幸福で溢れる作品

『夏の塩』『夏の子供』榎田尤利先生 読了

BLですって一言でくくってはいけない一作でした。これは愛と、孤独と、憎み、それから温もりで詰まった、生きる感覚を蘇る人間の物語なのです。

そもそもBLってなんでしょう。私のイメージでいうと、今時感が溢れる男、あるいは男の子たちの恋愛話にあたるものです。BLとなると、やはり個人的にある範囲のファンタジーが許されるので、それもBLの楽しみの1つ…

5

秘密 小説

木原音瀬  茶屋町勝呂 

失読症は中々のネタバレでは?

檻の外→美しいこと→と読んでの秘密!
めちゃくちゃ良かったです〜(´༎ຶ۝༎ຶ)

描写の感じから、んっ?あれ?って感じてたんですが、でも木原さんだしなぁ。。
って色々構えつつ読んだけども本当にもう良かった(。>﹏<。)

色々抱えてた二人だから、幸せになれたことがただただ嬉しい。
破れ鍋に綴じ蓋とはまさにこの二人の事だと思いました ٩(ˊᗜˋ*)و

秘密2からの秘…

2

秘密 小説

木原音瀬  茶屋町勝呂 

表紙の画とはうらはらに

表紙の暗い感じと、読み始めで殺人の空気が漂い、木原作品でこれはきっと病んでるに違いないと、購入はしたもののずっと放置したままでした。最近になり木原音瀬中毒が再発、恐れながらもこの作品を手にしました。これがなんと、期待を(いい意味で)裏切る心温まるストーリー。痛く悲しい場面が全く出てこないというわけではありませんが、充と啓太が両想いになってから(充はずっと一途でかわいい)の二人の関係は確固たるものだ…

4

帰宅 小説

剛しいら  茶屋町勝呂 

これがデビュー作

これが剛しいら先生のデビュー作。
時代的なこともあると思うけど、かなり暗くシリアス。いわゆるBL的な、攻めがいて受けがいて、恋愛関係があって、ラストは何らかの決着がある、という展開ではありません。
もっと文芸的、といってもいいかもしれない。
3作品が収録されています。

「ぴすとる」
家にも学校にも居場所のない中3の秀明。今夜もどうせ母親はいないからゲーセンに行って…と考えていたら、昔…

5

秘密 小説

木原音瀬  茶屋町勝呂 

秘密のあるところには…

表題作の「秘密」は、ある秘密を抱える大学生・啓太と、幼い言動に似合わずセックスがうまい充が、夜に飲み込まれるように惹かれ合っていく話で、啓太の視点で書かれています。
緊迫感あふれる独白から啓太の混乱ぶりが伝わってきて、読んでいるこちらまで混乱してしまいました。この混乱こそが彼の抱える秘密に深くかかわっていたことを知ったのは、最後のどんでん返しで。充が隠し続けていたある秘密も、明らかになります。ホ…

5

ジロウ コミック

茶屋町勝呂 

物語の力を実感する

最近は描かれていないのでしょうか、茶屋町先生?
…のかなり古い作品。短編集で、すべてエロ無しです。でも雰囲気が強めなお話ばかり。物語の力を感じます。

「もみぢ」
ヤクザの組長だった父親の死の床にて。
若頭と坊の行き違う想い。そしてバッドエンド。
短いけれど、いや短いからこその映画のような物語。

「Green Step」
ちょっと昔の、英国上流階級の学園ものっぽい。
主人公ベ…

1

世界の果てで待っていて -嘘とナイフ- 小説

高遠琉加  茶屋町勝呂 

読まなきゃよかった(泣)

かなり神よりの萌2をつけさせて頂きました。
というのもこの作品、この続巻を読んで初めて知ったのですが、かれこれ7年以上も続きが出てなかったんですね(泣)。基本的に堪え性のない人間なんで、そのことを知ってたら読まなかったのに~と後悔しております。あと、ぶっちゃけ、イラストは前作の雪舟先生の絵の方が、繊細な作品の雰囲気と合っていて、私は好きです。

ミステリーとしては、今回の方が俄然面白くなって…

4

世界の果てで待っていて -嘘とナイフ- 小説

高遠琉加  茶屋町勝呂 

世界の果てで待っているのは、誰?

BL小説のなかで最も続きを熱望している作品の一つです。
元刑事で現在は探偵の統一郎と、刑事の雪人が織り成す物語。
探偵事務所に持ち込まれた事件を解決に導くパート、統一郎の妹である澪子の事件の核心に迫っていくパート、そして二人の関係性を主にするパート。
三つの主要な軸が絡まりあって複雑で味わい深い物語を形成しています。
サスペンスや警察小説としても充分に面白いのですが、やはり肝は二人の切迫…

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