中原一也さんのレビュー一覧

悪辣色男 小説

中原一也  奈良千春 

『可哀想な受け』がお好きな方にオススメ(オヤジだけど)

電子書籍で読了。挿絵あり。奈良画伯のイラストは暗くてやるせないお話のムードにぴったりでした。

いい加減な軽口ばかり飛ばしているけど実は力があるオヤジが活躍するコメディあるいは人情ものを描く中原さんを『白中原』とすれば、このお話は『黒中原』。イメージとしては『淫雨』に近いトーンです。攻めが必要以上に拗くれていて、受けがとても可哀想な目に遭う所とか。

可哀想は可哀想なんですが、川崎さんには…

2

負け犬の領分 小説

中原一也  新藤まゆり 

アダルトと腹モフとハードボイルド

安定の「中原節」とも言える渋オヤジ攻め(推定40前半らしい)モノです。
主人公は、ネット通販会社のクレーム処理担当・神木(31)。←示へんに申すの神です。変換できない。
会社では厳しいクレームも穏やかに的確に処理する、頼れる主任。しかし実際は客には頭を下げ、社員には疲れた顔は見せまいとし、そんな日々のストレスを酒で紛らわす。しかも何度も飲みすぎて保護される警察署では有名人…
そんな神木がまた…

2

美獣とケダモノ 小説

中原一也  國沢智 

無理矢理だけど私色に染まってね

電子書籍で読了。挿絵有り。国沢さんの絵を見るのは久しぶりですが、こんなにくせのある絵でしたっけ?電子だと見え方が違うような気がします。

受けの阿立は、日常では辛辣なのにベッドでは「奪われたい・従いたい・喰われたい」という人。だから男鹿(『男鹿』ってすごい名前だよね。雄の鹿。たしか鹿の角って精力剤じゃなかったっけ?)をケダモノに変えるために図る策略がコメディベースでくり広げられます。
このお…

2

妖精ハンター×DT〜四十歳童貞男の逆襲〜 小説

中原一也  國沢智 

先輩妖精ハンター組が気になる

お母ん系年下ワンコにガッツリ胃袋つかまれちゃって、ついついほだされて受け入れちゃった年上上司は、サラリーマンと妖精ハンターの二足の草鞋で忙しい。

先ずは、妖精ハンターってなんだよ!ってトンチキな設定の緩さがとっても夏向き。
あんまり難しいことは考えずに、胃袋方面からじわじわと落とされていくオジサンの葛藤を楽しめば充分。
とにかく、犬山が滔々と紡ぎだす妄想官能小説が楽しい。
そしてそれを…

5

はだれ恋 ~拾われ男の妄想~ 小説

中原一也  小山田あみ 

了くん、昭和の漢だねぇ……

電子書籍で読了。挿絵有り。いつも思うのですが、小山田画伯のイラストは電子でもとても美麗。

自動車整備工(それもこだわりのクラシックカーだっ!)で愛妻家の八尾、被虐待児(と言っても内にこもるタイプではなく『昭和の不良』の香り)で家出中に八尾に拾われる了、この二人に無償の愛を注ぐ、病弱な八尾の妻芙美。こんな登場人物で構成されるお話を中原さんが書いたら、面白くないわけがないじゃないですか!

3

淫雨 小説

中原一也  國沢智 

中途半端な印象で

BLにどんな形でもあれ、相手への想いを求める私にとって、このお話は、手下にやらせる(しかも途中抜け。やらせといて、好きなら最後まで見たら)から始まり、ちゃっかり、最後は自分も凌辱し、受け様も、あっさり、金庫の番号を吐くなど、なんだかな…の思いに、読み続けることが苦痛になりました。
理不尽な扱いを受けても、何故そこまでっていう受け様の攻め様に対するポジティブシンキングに、共感できず、変に直也を気遣…

1

ふしだら者ですが 小説

中原一也  小山田あみ 

幼馴染がビッチだったら

エンタメ上手な中原一也先生。
本作も突拍子もない設定ながら、テンポよく笑いながら読み進める事ができます。
何しろ、冴えない・仕事に熱意無い・貞操観念無い、の38才・皆川が、子供の頃に「妖精に同性に言い寄られる魔法をかけられた」と信じきっており、チ○ポが付いてれば誰でも来るもの拒まず、名前も覚えずカラダだけの関係を持っている、という設定。
いつも男との別れ話の尻拭いをしてくれる幼馴染の高森とだ…

1

淫獣~媚薬を宿す人魚~ 小説

中原一也  小山田あみ 

一番面白かったのが・・・

赤尾の店に、ある晩ずぶ濡れの男・久白がやってきます。
無銭飲食をした久白を店で働かせることにした赤尾でしたが、時々いい匂いがする久白のことが気にかかるようになり・・・

生まれ持った特異な体質のせいで追われる久白と、そんな彼を理解して丸ごと全て受け止めて愛してくれる赤尾。
久白の”狩られる者”という運命から逃れるため、二人にどんな試練が?!困難が?!と設定に惹かれたのですが、そういう話では…

2

闇を喰らう獣 小説

中原一也  石原理 

2度美味しい!①兄編②弟編

中編2編収録。この2編は本編+スピンオフで、二つで一つの作品ワールドという感じです。

「闇を喰らう獣」
中原一也さんの2006年の作品。
そしてお得意の、ヤクザ攻め。
中原さんの「ヤクザ攻め」って、とことん極道で、大人で、標的にされたら絶対に逃れられないヤクザ幹部としての権力と男の魅力を持っているんですよね。
この物語の攻め・綾瀬貴範も正にそんな危険な男。
綾瀬にロックオンされたバ…

4

悪辣色男 小説

中原一也  奈良千春 

タイトルに偽りなし

一言で言うと攻めの異常なほどの執着物で、そうした作品は大好物なのですが、一筋縄ではいかないです。
前半は受けがとにかく不憫で可哀想。。
攻めも好きな相手なら、何もそこまでしなくても。。というほど受けを貶めて惨めさを増長させます。
特に最初の頃は全く愛を感じられなかったので、受けもここまで惨めにされて好きになるという心情って何なんだろう。。という素朴な疑問。
吊り橋効果で好きになる的な??

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