藤たまきさんのレビュー一覧

アナトミア コミック

藤たまき 

珠玉の言葉で紡がれた愛と救済の物語

愛がアンビバレンツな物で出来ているなら 
愛は本来辛いものなのかもしれない

エバ、愛ってさ…
ただ一緒に居続けるって事なんだ――
生きてる時も死んだ後も…

言葉のチョイスがいつも詩的で素敵な藤たまき先生ですが、
愛のアンビバレンツさというのは先生の色んな作品に共通するテーマの1つのように思います。
特にこの作品は繊細でグロテスクで、暗くて、
エバの過去は痛々しくて、読んでい…

0

カフェオレ・ランデブー 小説

栗城偲  藤たまき 

元カレがかなり電波でやばい。

なんでこの本買ったんだっけ??と思いかえしてみたら、「ヘタレで健気なワンコ」が大好物ゆえに、「ヘタレ」「健気」にチェックを入れて詳細検索したらこれがヒットしたからポチったのだけど……。

でも読んでる最中に、うわぁヘタレ!とか、うわぁ健気!!って思うことは一度もなかったなぁ……。
そしてワンコ感も特になく……。
どヘタレ攻めや、ワンワン物語を読みすぎたせいで麻痺しちゃってるのかなぁ…。

2

蛇崩、交差点で コミック

藤たまき 

思春期には重すぎる背景

途中、円のターンが曖昧なまま進み、どういうこと?何が描かれるの?と思いましたが、タイトルを思い出し、ああ、出会った場所で再会するのね、と思ったんですが。

それが、オレンジを落として偶然居合わせた相手が拾うくだりの再現での再会とは。
ちょっとそれは都合良すぎだし、そこ?!と思ってしまいました。

大人になって再会して振り返ってみたら、高校生の円には重すぎる家庭環境で、ああだったのも致し方…

0

カフェオレ・ランデブー 小説

栗城偲  藤たまき 

珈琲の味と香りの描写が秀逸

二部構成。
 カフェオレ・トワイライト
 恋する喫茶店

珈琲好きが読むと、飲んでみたくなる描写が連発。
久能の恋愛の展開より、関心は、平北が提供する珈琲に釘付け。
どんな風味なのか、想像してしまう。

美貌の主人公、久能は、同じ会社に勤める上司、笹野と 秘密の恋をしている。
24才から交際する有能な上司で年上の恋人を 久能は独身だと思っていた。
近日転職をする予定で、それにも…

3

カフェオレ・ランデブー 小説

栗城偲  藤たまき 

年下の魅力

主人公の久能が初めて付き合った恋人・笹野との別れを決めた直後、レトロ純喫茶「東風」を発見したところから始まる、優しくて誠実なラブストーリーです。でもエチはガッツリ?ガツガツ?しててそのギャップがたまらないですね。

受けが好きなんですよね。笹野の仕打ちに傷ついてなお、彼との恋で得た素敵な時間や経験だけは大切にしたいと思っているところ。元恋人への未練から少しずつ脱却して、自分が恋愛そのものや笹野…

3

この喝采を彼に 小説

T・A・ウェブ  藤たまき 

ラストとタイトルが好き

エイズを扱った作品。エイズ支援活動に精力的なドラァグクイーンと一人の記者が、最後に心を通わせるシーンが良かった。

現在と過去で構成される物語は、マシューがなぜそうなるに至ったかの過程に重きが置かれている。たった一人愛した相手がエイズに罹り、姿を消した。

題材は重いが軽くまとめてあって読み心地はさらさら。流行というのも変な言い方だが、一時期エイズ絡みの話は大量に創られたんじゃないかな。ゲ…

1

ALASKA 小説

キム・フィールディング  藤たまき 

二人の二十年の物語にじわっとくる

どうしようもない子供二人が別々の道を歩み、お互いを精神的な支えにしてどうにか生き抜き、最終的に……というお話。1993年から始まった物語は2013年にエンディングを迎える。二人の二十年の結末がこうなってくれて本当に良かった。

幼少期を共に過ごしたスコットとマルコは、その後クリスマスに二度会っただけ。ふらっと現れた一度目と、偶然出会った二度目と。マルコの生活は常に家族を養うためだけに消費され、…

3

ALASKA 小説

キム・フィールディング  藤たまき 

ふたりの20年間

レビューしている方がいた。
おまけにあらすじ紹介が綺麗。
なのでどんなお話なのかは、ふばばさまに乗っかってしまって感想だけ書きます。

あたし、こういうお話に徹底的に弱いんですよ。
日常に追いつめられているふたりが「ここではないどこかに行こう」って約束しちゃうお話。
自分らを囲む現実は過酷で、向き合う相手を何とか救いたいのに、あまりにも自分は非力。だから「アラスカに行こう」って言うんで…

3

ALASKA 小説

キム・フィールディング  藤たまき 

聖夜の愛のクロニクル

つらい境遇を生きる2人の少年・スコットとマルコの愛のクロニクル。

養護施設をたらい回しにされているスコットと。
祖母と幼い妹2人と暮らして身動きが取れないマルコ。
2人は離れがたい親友であり、兄弟のようでもあり、とにかく魂で結びついている。
マルコは、拠り所のないスコットを救いたいし、
スコットは縛り付けられているマルコを自由にしてあげたい。
その象徴が、アラスカ。
2人でアラス…

4

ホライズン コミック

藤たまき 

愛がエゴになるかは相手次第

 神学校が舞台ということもあり、重厚な雰囲気の作品でした。『ミスター・シーナ』シリーズのスピンオフのようですが、そちらが未読でも問題なく読めました。ジョナサンの境遇は性的虐待を含む、痛々しいもの。サニーとの関係性は『バナ◯フィッシュ』や『残酷な◯が支配する』などを彷彿とさせます。ああいう雰囲気の作品を探している方には合うかと。

 悪いのは常に大人であって、本来大人のなすがままになるしかない子…

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