木原音瀬さんのレビュー一覧

ROSE GARDEN -ローズガーデン(1) 小説

木原音瀬  禾田みちる 

天使に憎しみが芽生えた

悪魔が哀れで切なくて、
その気持ちをことごとく裏切る天使に憎しみを覚えた。

天使が好きになれなくて、それでも悪魔の真摯さに心打たれて、悪魔の幸せを願わずには居られない上巻です。

被害者は天使なのかもしれないのに、何時までも必死な悪魔の顔が、慈しむ悪魔の表情が胸を締め付けて離さない。

どうしてわかってくれないのか・・・!!

不安を覚えつつ下巻に・・・たぶんそれで正解!
木…

1

COLD LIGHT(新装版) 小説

木原音瀬  祭河ななを 

束の間の甘い夢にたゆたう

藤島の母親の性格が壮絶で、全ての元凶はこの人から始まったと結論づけたいです。
藤島の意思の弱さも中にはあったかもしれませんが、幼い頃からの洗脳教育で、恐れを抱いていた母親に逆らえるかというと、そう簡単に逆らえるものじゃない。
救ってくれるヒーローなんて誰もいない世界がただ悲しくて、リアリティーを感じさせました。

思いもよらない藤島の過去よりも、更に妻がいて子供もいたという事に驚かされまし…

3

COLD FEVER(新装版) 小説

木原音瀬  祭河ななを 

現実のはじまり

私は、甘い夢が覚めて、ようやく現実が始まったという印象を受けました。
シリーズ中で一番好きなのはこの巻で、この透です。
捻くれてねじ曲がった愛情不足の彼がそのまま愛しいです。
大好きなお兄ちゃんに裏切られてから、心からずっと血を流し続け、愛情を求めてさすらっていた気がします。

前回読んだ時は藤島に同情しきりだったんですが、藤島が残酷な気がしました。
過去の記憶喪失中の透をまだ追ってい…

9

COLD SLEEP(新装版) 小説

木原音瀬  祭河ななを 

あり得たかもしれない未来

一番最初に手に取った木原作品です。
美形でもなんでもない年上男の可愛さに、初めて芽生えた話でもあります。
性格がいじましい、ちょっとした所作が可愛い、不器用さが愛しい。
じっとよく読まないとわからない感じが、藤島への慕わしさを生むのかもしれません。

こんな風に生きられたかもしれないもう一人の透の姿かなと思いました。
どこかの世界で、ケーキ屋勤務の透×ケーキ好きの藤島が生きているという…

2

セカンド・セレナーデ full complete version 小説

木原音瀬  北畠あけ乃 

大満足!

水のナイフもセカンド・セレナーデも性格の悪い2人が素の自分をさらけ出せる相手を見つけて、好きになっていくみたいな話でした。

水のナイフは正直、砂原はなぜ明智を好きになったかよくわかりません。
何度も「好き」を繰り返されると好きになっていくということでしょうか。
まぁ確かに分からないでもないですが、同性ということを踏まえたら砂原はノーマルだったわけですから何か恋に落ちるにはあと少し何か欲し…

2

牛泥棒 小説

木原音瀬  依田沙江美 

木原作品の中では万人向け。

木原作品の中では、誰にでも読み易い作品になっていると思います。

淡々としていて静かに物語が進んでいくような印象を受けます。
ぐぐっと惹きこまれるわけでもなく、大きな事件が起こるでもなく。
でも、逆にそれがこの作品の良さかなと思います。

「初心」「健気」「主従」「時代もの」「ファンタジー」など、
個人的に好きな設定が多かったわりには、すっごく萌える!という感じではありませんでした。…

5

COLD SLEEP(新装版) 小説

木原音瀬  祭河ななを 

COLDシリーズのプロローグ

COLDシリーズ第一巻、全体のプロローグ的作品ですね。記憶を失った透の視点で語られるため、読み手の側は、何も分からない、異質で不気味な世界に突然投げ込まれたような寄る辺なさや孤独、不安を彼と共に体感することになります。藤島の寡黙さは、さらにそれに拍車をかけます。透は、そうした不安感の中で時に藤島に反発しつつ、また途中明らかになった過去に怯えつつも、手探りで前に進もうとし、藤島が不器用ながらそれを支…

4

リベット 小説

木原音瀬  藤田貴美 

共に生き続けるとは?

やりきれないが、絶望だけの話では決してない。

この物語は、私が普段目をそむけようとしている不条理へと焦点を向けさせようとする。世界は不条理に満ちている。そして、「なぜ自分がこんな目に合わなければならないのか?」という叫びのような問いかけに対して、理性で説明することはできない。著者は、そうした不条理を、オブラートに包むことなく、残酷なほど赤裸々に描いて行く。

主人公初芝は、親友だった男に…

15

恋について コミック

大竹とも  木原音瀬 

小説とは手法を違えた感動の嵐…これぞコミカライズ☆

大まかなストーリーは木原先生の小説と同じでしたね。
ですが、やっぱり小説と漫画では一冊にまとまる量がちがうので、
ちょっと早送り感は否めないし致し方が無いかなぁ…という感じでした。
それにしても笹川さんは、小説の方では「なんて冴えないヤツなんだ!」という印象でしたが、
コミクスではひたすら、優しそうで温和そうで…とにかく癒し系でした♪

小説にあったら「?」となってしまうであろう、漫画…

3

恋について コミック

大竹とも  木原音瀬 

終わりよければ全てよし♪

もどかしい、このやろう、なんでだよ、って思いながら、小説も読んだし「ergo」の連載も読んでいましたが、コミックスとしてまとめて読んで、“となりにいた旦那にも読ませたくなるほど”いい後味の作品になっておりました。
後味がいいって重要かなと思います。
あと、カバーイラストも最高におしゃれだ。カバー裏もね。

どうにもこうにもヘタレな公務員・笹川と、
真面目・自己完結型のブライダルコーディネ…

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