木原音瀬さんのレビュー一覧

COLD LIGHT(新装版) 小説

木原音瀬  祭河ななを 

まるで昼ドラ!

二人は甘々~な暮らしをしているので、「さて、どんな展開になるのか?」と思っていたら、藤島の過去から始まります。
こんな家庭、本当にあったら怖い!
肉親愛にしか価値を見出さない母、その母から歪んだ愛情を一心に注がれる藤島。
そして妻への仕返しに血の繋がらない子供を認知する父。
すごい…ドロドロの家庭です。

藤島が育った家庭環境と、二人を結ぶ過去がこの話でやっと判明します。
驚きでした…

6

さようなら、と君は手を振った 小説

木原音瀬  深井結己 

幸せは永遠に続かない

従兄弟同士のお話。
啓介が田舎から上京してくるところから物語は始まります。
誠一は啓介とは同い年で従兄弟の関係。しかし十年前興味本位で二人は体の関係を持ってしまい、誠一が田舎を離れるとき啓介に「高校を卒業したら迎えにくるから」と言い残しそれっきりだった。
誠一は母親に言われ無理矢理啓介を迎えに行くのですが、啓介の格好がとてもダサく、なにより容姿を気にする誠一はうんざり。
しかしまた啓介に会…

5

薔薇色の人生 小説

木原音瀬  ヤマシタトモコ 

救われてるのは・・・ロンちゃんだと思う

いかがわしさの漂う舞台で、こうも純粋に一人の人を愛せる。そうなるまでに大変な人生があった訳ですが、自分の欠けた部分を埋めてくれる人に巡りあえてよかったね。というお話だと思います。じわじわと泣けます。

6

秘密 小説

木原音瀬  茶屋町勝呂 

何処か欠点があるふたり

主人公・啓太は自分の家に帰りたくなかった。何故ならそこには死体があるから。自分が殺した元恋人の柳沢が…

そんな風に始まるこの物語。啓太は家に帰りたくない一心で街をさまよう。誰でもいいから今夜泊めて欲しい。セックス込みで構わない。そんな時に出会ったのが杉浦充と言う男だった。子供のように喋る、少し間の抜けた不器用な男。最初は都合のいい相手だと思った啓太だったが次第に純粋で真っ直ぐ気持ちを伝えて来…

9

FRAGILE 小説

木原音瀬  高緒拾 

甘くない、リアルな狂気

思わず「ひぃぃぃっ!」と、叫んでしまう場面の連続に、精神的にとても疲れました。
レビューを書かれている方々の評価は高いのですが、私はちょっとダメでした…。
精神的に痛めつけられるひどい情景に、何度も目を覆いたくなりました。
この話のどこかに救いを求めたかったのですが…難しいです。

監禁生活で与えられる恥辱と脅迫の連続に、心底「怖い…」と思いました。
文章に甘さがないので表現もリアル、…

10

美しいこと 上 小説

木原音瀬  日高ショーコ 

後味の悪さは癖になる

まず一番度肝を抜かれたのが、主人公・松岡が「女装してストレス発散」するというのです。
「は?女装…?」と、しばらく話の方向が見えなくてドキドキしながら読み始めました。
女装癖の男がどうやって恋に落ちるのだろう…と、とても興味をそそられました。
松岡が嘘に嘘を塗り堅め、正体がバレることを恐れ警戒しつつも、寛末という男に会ってしまう。
付き合いたい寛末と、その気のない女装・松岡との、攻防戦にも…

4

美しいこと 下 小説

木原音瀬  日高ショーコ 

読み終わってほっとした…

松岡の気持ちが報われるのか・・・。
報われます!
しかし、気持ちが通じ合うまでの道のりが遠すぎる~!
結婚式での再会は、ドキドキしちゃいました。
だって逆襲の松岡なんですもの!
しっかし、寛末ってニブイんだなぁ・・・、もっと早く気づけよって言いたくて仕方なかったです。
もう胃がいたくなるほどじらされました。
最後は今までの辛さを埋めるみたいに甘々で、たまりませんでした。
この続きは…

13

秘密 小説

木原音瀬  茶屋町勝呂 

木原作品は別格で好き

50歳のすすけたオッサンとかイヤミなデブとかを萌え対象に変えてしまう偉大な木原音瀬さん。
今回もパッとしない男が主人公の相手役です。でもやっぱり萌えた。
この作品はネタバレしたくないです。
あらすじにサクッと触れると、人を殺して冷凍庫に詰め込んでアパートに帰りたくない主人公の啓太が、セックスを条件にバーで知り合った杉浦の家に泊まることになる。愚鈍な杉浦に、少しずつ惹かれていく啓太。
一人の人間のな…

10

さようなら、と君は手を振った 小説

木原音瀬  深井結己 

痛いよっ

【カップリング】従兄弟同士

派手な身なりで格好ばかりの誠一と
素朴で物静かな啓介は従兄弟同士。
若気の至りで啓介を抱いてしまった夏・・・
「迎えに来る」と約束して別れたものの
夏が過ぎ自分の環境が、変わると啓介を忘れてしまった誠一。
時は過ぎ、お互い社会人になった二人は再会する。
若気の至りと、約束を破ってしまった後ろめたさを抱えて再会したのに
啓介は、誠一を責めることもなじる…

4

美しいこと 下 小説

木原音瀬  日高ショーコ 

読者も罰をうける下巻

寛末基文は、騙されていた。
自分が恋した女“江藤葉子”が男だと知った。
容姿に惹かれたわけじゃない
彼女が、おばあちゃんでも子供でも何者でもかまわないと思った。
でも・・・“男”であるとは思わなかった。
ゲイじゃないという松岡洋介が自分を好きな気持ちがわからない。

松岡洋介をどこへも位置づけられないまま・・・
いつも彼を思っている。
こんなに誰かのことを考えたことはなかった。

17
PAGE TOP