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木原音瀬 茶屋町勝呂
まりぽん812
ネタバレ
表題作の「秘密」は、ある秘密を抱える大学生・啓太と、幼い言動に似合わずセックスがうまい充が、夜に飲み込まれるように惹かれ合っていく話で、啓太の視点で書かれています。 緊迫感あふれる独白から啓太の混乱ぶりが伝わってきて、読んでいるこちらまで混乱してしまいました。この混乱こそが彼の抱える秘密に深くかかわっていたことを知ったのは、最後のどんでん返しで。充が隠し続けていたある秘密も、明らかになります。ホ…
木原音瀬 糸井のぞ
表題作の「期限切れの初恋」は、地味で内向的な宇野が、落ちぶれた片思いの相手・村上を偶然見つけて自宅に住まわせる話で、宇野の視点で書かれています。 タイトルが謎かけのように思えました。「初恋」だから、大学時代に宇野が村上に抱いた初恋のことなのでしょうけど、それは社会人になり会わずに何年たっても、全く終わっていないのです。 大学で村上が作ったキャンプサークルに誘われ活動を共にするうち、村上を好きに…
木原音瀬
本編「深呼吸」の隙間を埋めるようなサイドストーリー四編。谷地と榛野の関係がとても甘やかで、何回読んでも胸がいっぱいになります。 「エアメール」 本編で谷地がロンドンの榛野を訪ねた理由が明かされます。 毎週谷地にエアメールを送ってくる榛野がいじらしくて。時間のかかる静かな手紙のやり取りだからこそ、谷地の中に少しずつ榛野への情が育っていったのでしょうね。甘えてきた猫の寝顔を「榛野に似てる」と…
木原音瀬 小椋ムク
表題作「リバーズエンド」は、「キャッスルマンゴー」の十亀の高校時代の話。 アル中の父親、借金漬けの暮らし。姉は工場で働き十亀はアルバイトに励むが、暮らしは一向に楽にならず…。 夜中、橋の上で泣く姉を黙って抱きしめる十亀の優しさが、たまらなく胸に沁みました。 姉は暗い川面を見ながら話します。父は母が好きだった映画「リバーズエンド」をまねて母の遺骨を海に流したのだと。このとき姉が映画のタイトルを…
hepo
1、2巻まとめてのレビューで失礼します。 タイトルの「マンゴー」に食べ物センサーが反応して購入したこちら。 初回から4カ月あけて再読してみたら、「しゅみじゃない」→「萌2」に変わりました。 最初に読んだときは主役2人の性格が受け付けなくて…。十亀がさんざん万に失礼なことをしておきながら、弟の貞操の危機!となっただけで「お前は謝らないのか」って何様やねーん!と嫌いセンサーが作動。万も自…
木原音瀬 彩景でりこ
パンチパーマかつら社長・堀内と、新入社員・渋谷。年の差20歳以上。誤解から始まった男同士の交際が、両想いにたどり着くまでの物語。 堀内と渋谷が深刻に悩めば悩むほど、切ないのに、二人のかみ合わなさが可笑しくて。コメディなのか、シリアスなのかハッキリして!と思いながら、最後まで一気に読んでしまいました。木原先生、ギャグも容赦ないのですね。ジーンとなる結末にとても満足でした。 渋谷が勤めるペット…
木原音瀬 水壬楓子 和泉桂
さぼ
「群衆」という「モブ姦」をテーマにした、本書と同じメンバーによる合同誌を読了後に、Amazonにオススメされて手に取りました。 こちらは、「両性具有」がテーマです。 神評価にしましたが…… 正直な感想としては、別に両性具有にしなくてもいいんじゃない?というもの。 特に、後半の2作品。 和泉さんと水壬さんの作品。 ストーリーは、ものすごく良かったんですけどね。 逆に、木…
和泉桂 木原音瀬 水壬楓子
この本の存在は、木原音瀬さんの作品として、随分前から知っていました。 表紙の雰囲気からでしょうか? なぜか非BLと思い込んでいて、手に取ることはなかったのです。 この際、読んでみようとDLしてみたら…… 作家買いしている和泉桂さん、水壬楓子さんの名前が。 そして、モブ姦 の文字。 そうです、モブ姦アンソロジーだったのです。 なんてこった! こんな大好物な作品をスルーしていた…
タイトルの副題 Original sin 原罪。人が生まれながらに持つ、どんな罪について書かれているのか。どきどきしながら読みました。 「罪と罰」 整形外科医の棚田のもとに、大けがを負った若い男・松雪が運び込まれる。松雪を繊細で優しい男と思い込んだ棚田は、親身になって世話を焼く。 次第にあらわになる松雪の嘘つきで冷酷な人間性。しかし、棚田はなかなかそれを受け入れられない。 松雪が連…
fandesu
電子書籍で読了。挿絵はありませんが(一般書ですしね)短編のタイトル下にイラストがあります。 「ラブセメタリー」を読んだ後に友達が「あの話の後に豪腕をもって幸せにしてくれるのが木原さんの醍醐味なのにね~」と言っていたのですが、この本の感想はまさにそれでした。 私は木原さんの書く、主人公のくせに、いわゆる『正しさ』から大きく外れた人が、あるいは『The King of カス野郎』が、それでも幸…