槇えびしさんのレビュー一覧

唇はワザワイのもと(新装版) 小説

遠野春日  槇えびし 

身体から始まる両片想い

偶然駅でぶつかって、印象最悪だった男は、ライバル会社の営業マンだった。その晩、その男と今度はバーで再会。
1日に何度も同じ人に出くわしたら、なんの運命のイタズラかと思いそう。でも正純も通哉もそういうロマンチックな感じにはならず、週末だけの割りきったセフレ関係になる。

二人ともバイというか、どちらも男性経験ありなせいか、そこのところサクッと話がまとまる割には、違和感はあまりなかった。
両方…

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みずのいろ。 コミック

槇えびし 

この世界観にハマりたかった、けど

「天国」という無法地帯で生きる殺し屋と記憶を失くした少年。
BL版LEONかな?純愛かな?と思ったらどうやら単純な話ではなさそう。

これ↓構成通りではないので名前とか思いっきりネタバレなんですけど、世都に関わる人物を時系列で。

虐待する母親、その後「天国」に捨てられホームレスとなった世都(セツ)、
その世都を拾った立夏(リーシア)、
立夏後の世都を拾ったロマネ、
殺し屋になった…

2

ホーリー・アップル -虹色のスチーム- 小説

柏枝真郷  槇えびし 

ずっと君のそばにいる

「ホーリー・アップル」の3作目。

本作では、制服警察官のハリーと相棒のジェフリーが前作の「DODO」ナイフショップ事件の解決に貢献した事で刑事への昇格を打診される展開となります。
ジェフリーはともかく、ハリーは「本物の」捜査、追跡や発砲や死体や、そんなものへの気後れと臆病風で即答することができない。
その上、刑事になったらドイルとコンビを組むことが前提なので、オンとオフがうまくいくのかも…

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ホーリー・アップル -ドードー鳥の微笑- 小説

柏枝真郷  槇えびし 

穴ぼこNYの罪深い領域は…

「ホーリー・アップル」2作目。

登場人物は、前作「穴だらけの林檎」と同じ。主人公は制服警察官・ハリーと、刑事のドイル。
そしてお互いの相棒・ジェフリーとミルズ、そして大学生のルカとアリエルです。

舞台は80年代ニューヨーク、汚くて危なくて、クールだけど泥臭い。そんな街で起きる犯罪を絡めて、ハリーとドイルの恋が描かれます。
と言っても甘い恋愛模様の空気は薄く、隠れゲイ警官が日常の仕事…

1

ホーリー・アップル -穴だらけの林檎- 小説

柏枝真郷  槇えびし 

甘さ控えめ。翻訳ものみたいな空気

2009年発表、設定は1980年代NYの、刑事と警察官の物語。3巻もの。

本作は、BL的なLOVE観点は薄い。
警察官と刑事の立場の格差、世間的にゲイを隠さなければ生きづらい風潮、大都会で日常的に起こる軽犯罪・傷害事件・発砲事件に立ち向かう警察官の奮闘…
主人公の警察官と、分署を移籍してきた刑事が共に(偶然)ゲイで、これまた偶然に同じアパートの住人となって、周囲に隠れて関係するようになる…

1

きみにあげる。 コミック

槇えびし 

壊れ物のような空気感

 メイン2人の出会い方、距離感、正反対な性格なんかがとても素敵な作品だなぁと思いました。恋人に裏切られた挙句借金を肩代わりさせられ、人生に疲れ果てた諒一が1人彷徨い歩いていたところに、1枚のチラシが飛んでくる。書いてあった言葉は「君に座席をあげる おいしいお茶を淹れてあげる」。切羽詰まっていた彼に、唐突に与えられた居場所。この序盤で心を掴まれてしまいました。

 天然で人の悪意に疎くて何でも信…

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きみにあげる。 コミック

槇えびし 

不思議な受け

なかなか独特な絵柄ですね。最初に黒い!と思いました。

諒一が元恋人の借金の連帯保証人になり取立て屋から逃げて逃げてたどり着いたのが蓮のお茶屋さん。

美味しいお茶を頂くもお代を払えず居候兼従業員に。

色々蓮にも深い事情があるのですが、なんというか二人の(律も)展開がいつも唐突で。それが味なんでしょうが???ハテナで。

諒一の借金や元恋人のことは割りと早めにどうでもよくなってい…

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みずのいろ。 コミック

槇えびし 

ところどころ理解が追いつかない

 全体を通してとても重厚感のある物語でした。この作品でいう「天国」というのは、他の地域よりずっと治安が悪くて、犯罪が蔓延している上にそれが当たり前で誰も文句を言わないようなエリアです。ファンタジーではないのにどこか異世界チックな雰囲気が漂っていました。

 読み終わった後に、この作品は登場人物の世都の過去を清算することがストーリーの主軸だったのかなぁと感じました。母親に天国でなら存在することを…

1

黄昏に花が舞う 小説

樹生かなめ  槇えびし 

怪作その2

「黄昏に花」の続編。
こちらも大変シュールな笑いに満ちた作品ですが、1作目の免疫があったせいか衝撃度は低く感じました。
とはいえ、業務課の女性社員パワーは相当凄まじく、真砂の失恋譚はもう全くもって理解不可能。
樹生かなめ先生の女性を見る目が、冷たいんだかあったかいんだかわかんない。
一方BL小説としての柱(のはず)の、小田原と岩井課長の仲はどうやらモダモダとして、岩井のEDも治るのか治らな…

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黄昏に花 小説

樹生かなめ  槇えびし 

笑撃の怪作

答姐にておすすめされて読みました。
かなり!衝撃的……!

「黄昏に花」
冒頭、美中年の岩井課長が女性部下のフ○ラを受け、全く変化しない。そう、岩井はイ○ポ。
かつて出世街道を走っていたエリート銀行員の岩井は、過労で倒れた後リストラで子会社に出向、勃たなくなり離婚、出世欲も性欲も食欲も失って、見た目の涼やかさはそのままに、45才にして何もかも枯れてしまった…
ならば岩井の悲哀物語かと思…

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