黒沢要さんのレビュー一覧

積木の恋 コミック

黒沢要  凪良ゆう 

救済の道しるべ

小説が原作とのことですが未読です。
元が小説ということもあり、心理描写や情景表現がとても繊細で丁寧。しっとりと落ち着いたテイストでストーリーが流れていく中、激しく感情が揺さぶられていく詐欺師・蓮の心情変化が映える作品です。


カモにしていた相手との恋愛が芽生えていく時間の流れは非常に穏やか。荒んだ蓮の気持ちを包み込んでくれる加賀谷の真っ直ぐな愛が随所に光ります。蓮の心を溶かせにかかる、温…

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ユレカ コミック

黒沢要 

狭間

ずっと静かに物語が進みます。
大事なことは言葉にしつつ気持ちの全てを言葉にするのではなく、間や空気感などで心理描写が散りばめられている気がします。
言葉や考えの端と端の狭間というか…その描写が丁寧な作品だと思いました。
精巧なオルゴールのような繊細な作り、という印象です。


個人的にシュクのお母さんはステファンが帰ってこないことをわかっていたような気がします。
それでも「もしかした…

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ユレカ コミック

黒沢要 

ユレカ=見つけた。

黒沢要先生、水の春以来〜2冊目だけど、イー話書くなぁ、大好きです。。。
ステフの風貌が、ドラキュラらしいドラキュラでカッコよかった。
やっぱり、吸血鬼はこうでなくちゃね。

トーンは白黒調だけど、とても静かな雰囲気で温かい救いのあるストーリーだった。

ステフが人間の家族との交流や、シュクを解放する為に、自らを差し出すシーンを見ると人柄が窺える。
たった一度の誤ちだったんだろな。

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水の春 コミック

黒沢要 

静かに紡ぎ合う愛の形

ストーリーの流れがとても静かで、落ち着いていますね。
奪い合うことも無く。
押し付け合うことも無く。
ただ各々が出会い〜お互いの中に、相手の存在が大きくなっていく流れが、自然で素敵です。
描き方が上手い!

四ノ宮が、澄を思っていた期間が1年。

春原父が、基を思っていた期間が2年。
こちらの2人は、両片思いだったな。

時間を掛けてゆっくりゆっくり、心の中で温めていたもが形…

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二月病 小説

尾上与一  黒沢要 

難しい

なんというか、切ない、でもなく、ツラい、でもなく、もちろん萌える、でもない。
ラブストーリーというにはちょっと若田の視点に納得いかず。

あれだけ犯人?と接触できているなら、高校生の二人には難しくても、元新聞記者ならもっと知恵を使えば?って思ってしまったので、そこから物語に入り込めなかったのが敗因かも知れません。
警察だって馬鹿じゃ無いんだし、駐在さんに言うなんてことじゃ無いんだから、いく…

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お医者さんとお花屋さんのまいにち交換ノート 小説

椹野道流  黒沢要 

何気ない日々にある幸せ

本シリーズはお花屋さんとリハビリ科医、
そして理学療法士とコッペパン屋さんのお話です。

本作はプラチナ文庫のHP企画だった
「働くおにいさんブログ」を書籍化した
「働くおにいさん日記」の続刊になります。

レーベルが休刊になったので
こちらは既刊と違って完全新作なのかな?

形式は既刊と変らず2組のカプ4人が
それぞれの視線で1年間の日常のあれこれを
綴っていくと言う形で…

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お医者さんとお花屋さんのまいにち交換ノート 小説

椹野道流  黒沢要 

交換ノート

黒沢先生の挿絵が見たくて購入。既刊の番外編とでもいうべきご本で「ああああ久しぶりにやらかしたー既刊読んでねーよー」でしたので、萌どまりです。既刊読んでおられる方はもっと嬉しいはず。交換日記みたいな部分が250Pほど、小編が18Pほど。

内容は1月1日から12月31日まで月曜~土曜(日曜は休み)の4人の日記です。1日一人担当で順番はまちまち。9~13行ぐらいのその日のエピソードを各々のキャラが…

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ユレカ コミック

黒沢要 

暗転を好転へ

 関係性や過去の経緯が込み合っていて若干解釈に戸惑うところもあったのですが、世界観、雰囲気にはとても引き込まれました。吸血鬼が登場しますが、吸血シーンも少ないし、吸血によって快楽を感じるようなBL的に美味しい要素はほぼありません。これはもっと深い、人と人との繋がりによる運命を描いた物語。人間同士だった頃の、あるいは異種間ならではの行き違いを抱えて、今を生きる登場人物達。贖罪のために生きているステフ…

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水の春 コミック

黒沢要 

タイトルのまま

◆水の春(表題作)
 所々で萌えを感じるシーンはあったものの、全体的にはちょっと惜しいような、雰囲気に頼り過ぎていて2人の心情描写が物足りないような印象でした。描き込みも台詞もシンプルですらすら読みやすい分、表情で魅せるシーンやもう少し丁寧なモノローグを挟んでも良かったかも。まだ2人とも未熟な子供ですから多少は勢いで進んでいくのも自然かとは思いますが、さらさらと読み終えてしまった感じでした。

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ユレカ コミック

黒沢要 

ネタバレ注意

発売から日が経ってますし、一読ではやや詳細が掴みにくいかと思いネタバレを残しておきます。ご注意ください。解釈が誤っている可能性が十二分にあるのでご容赦いただきたく。

タイトル
ユレカ=eureka=ギリシャ語の感嘆詞「見つけた」「分かった」

ザンナ
吸血鬼に噛まれ15歳で加齢が止まった亜種。
村では、吸血鬼が2人の人間を殺し、その吸血鬼(ステファン)とザンナの間に生まれた子がシュ…

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