chikakumaco
前作の吉宗さんの過去編があまりにも重く、陰鬱なものだったので。
源路の恋はどうなるんだろう?と、思い悩む間も無く。高校生のリビドー恐るべし。
源路は吉宗さんを抱いて抱いて抱きまくる。吉宗さんは悪い大人にレイプされた事がトラウマになっているが。きっと源路で上書きさせたいのだ。狂おしくも求められれば応じる。
そんな身体だけの関係じゃ無い、確かな繋がりを欲しいと願う源路。源路、めっちゃ男前です!
…
吉宗さんの悪魔っぷりにもメロメロなんですが。吉宗さんの健気な奥の奥の奥の気持ちにはまだ気付く術も無い源路。
『付き合おうと言ったら断られ、離れようとしたら寄ってきて。吉宗さんは悪魔のよーな男です。』
そりゃもぅ、血気盛んなヤリたい盛りの高校生。隙あらば触りたい。けど、源路はただヤリたいだけの男では無い。無いんだけども。吉宗さんも薄々それを分かっていて。
自身のトラウマに悩まされてもいる。恐怖…
吉宗さん、カッコいいんですよ。そりゃ。けど、ヘビー過ぎて。なので、この連作が終わった後となっては、表題作の「恋と椿」。今となってはもはや前座。という短編のが、気楽に笑えて、楽しくて好き。最もホッとさせてくれる癒しの作品となっている。
全然不良じゃない、ちょっと、いやだいぶ喧嘩の強いイベリコこと入江。不良グループと一括りにされるが、入江を慕う学生達で結成されたグループは街のゴミ拾いをし、文字通り街…
◆Non Tea Room(表題作)
『ジンと猫は呼ぶと来ない』に収録の『残像』より先に、こちらを読みました。適度に笑えるポイントもあって、いつものSHOOWA先生らしい適度なゆるさもあって、だけどどこか寂しい、そんな空気感がとても印象的でした。序盤、ケンタはクールで無気力に見えるし、連次は精神的に幼そうに見える。でも読み進めていくと、ケンタは結構感情が豊かで、連次も子供っぽい言動の裏に危うさ…
◆ジンと猫は呼ぶと来ない(表題作)
『向日性のとびら』で脇役だったジンの物語、というよりは、彼の腐れ縁であるマリの物語だったという方がしっくり来ますね。情報屋という職業柄、ひと所には落ち着かないジンを少し離れた距離感で見守りつつ、彼の行く先を案じるマリ。マリだってジンのことをとやかく言えるほど、落ち着いた生活はできてないのだけれど。2人とも本当は1人の人間を本気で好きになれる人達なのに、臆病だ…
物語全体の雰囲気と、ファンタジーとリアルさのバランスのとれた設定はとても好みでした。冒頭のシーンがラフな修羅場だったので、そのままほのぼのした空気感が続いていくのかなぁと思いきや、銃や人体実験というワードも登場するなど、想像を遥かに超えてシリアスな作品でした。年の離れたシスの元に、突然やって来たカイ。彼を取り巻く謎が物語の肝となってくるわけですが、その答えも非常に練られていて、構想が素晴らしかっ…