尾上与一さんのレビュー一覧

彩雲の城 小説

尾上与一   

「生きててよかったって言わせてやる」

「蒼穹のローレライ」で感涙し、(しばらく立ち直れず他の小説を読む気にならならないほどでした)続けて「碧のかたみ」→そして今作、「彩雲の城」という順で読みました。
前作、碧のかたみの月光ペアが随所で登場したりして、月光ペア好きの私としてはラッキー。
しかし前作を読んでいなくとも全く問題ありません。

今作は、婚約者に逃げられた谷藤十郎(攻)と、ある理由からラバウル基地へ(左遷)されてきた緒方…

2

彩雲の城 小説

尾上与一   

期待をはるかに上回る!!

蒼穹→碧→天球儀、そしてこの彩雲の城の順で読みました。「蒼穹の。。。」が余りにも悲痛で心に深く残ってしまい、しかも一番に読んでしまったもので、この作品は特に期待をせず読んだのですが、想像していたより全然良かったです。伊魚の過去(藤十郎のはそんなに酷くないと判断)はありますが、全体的に二人の会話などが微笑ましい場面が多く、背景には戦争がありますが、4作の中では一番ハラハラせず読み進めるのではないかと…

4

天球儀の海 小説

尾上与一   

失ったものはあるけれど

シリーズ第一弾という事で読み始めたものの、冒頭の"誰かの身代わりに特攻に行く、そして笑みがこぼれるほど嬉しい"、そして"恋の始まりがとても幼い"という点が私の心を開かず、読み切らずに放置していました。。。その後、「蒼穹のローレライ」「碧のかたみ」を読んでハマり、この「天球儀」に戻りました。私的には、希の兄が出てくる「碧のかたみ」を先に読んでこちらという順番が…

2

蒼穹のローレライ 小説

尾上与一   

「孤独から、三上へ。」

ああ、塁。。。やっと孤独の闇から抜け出せたのに。。。
そして三上には、塁の戦う意味が変わったことにもっと早く気づいて欲しかったなあ。。。
でもそのもどかしさがこの小説の味わい深さなのだと思います。
話の展開のわからない冒頭から、三上の号泣とともに涙し、クライマックスの場面では涙が止まりませんでした。

1

蒼穹のローレライ 小説

尾上与一   

たしかにあれは、紛れもない恋文(ラブレター)だった

刹那的とも言える時間の中で、こんなに深い情愛を感じる小説は今まで読んだことがありませんでした。
これまで、「泣けるbl小説」という触れ込みの小説をいくつか読みましたが、せいぜいが少しうるっと来る程度で、こんなに心揺さぶられて、堪えても堪えても涙がボロボロと落ちてくる小説は読んだことがありませんでした。同じような題材の「永○のゼロ(一般小説)を読んだ時も泣くことはなかったのに…

この作品を読…

8

さよならトロイメライ コミコミ特典書き下ろしSS小冊子「シャツ」 特典

弓削くんが隠そうとしたものは…

コミコミスタジオさんで購入するといただける、おなじみの小冊子。A5サイズで、本誌と同じ絵柄のカラーの表紙+モノクロの表紙+小説部分7P+裏表紙の合計12Pの小冊子でした。

もう、表紙の美しさにうっとり。本誌よりもちょびっと大きいサイズなので隅々まで美しい絵柄を堪能しました。

で、内容はというと。すみません、ネタバレを含んでいます。ご注意を。





時系列は弓削が18歳で…

4

さよならトロイメライ 小説

尾上与一  笠井あゆみ 

切ないけれど、それだけじゃない。

尾上さんの新刊という事で楽しみに待っていましたが、挿絵が笠井さんと知ったとき正直びっくりした。笠井さん大好きなんですよ、絵師さん買いするくらい。でもイメージがちょっと合わなかったので。

でもでも、読後は笠井さんの挿絵しかイメージできないほどストーリーにぴったりだった。美しく、儚く、そして切なく。笠井さんの挿絵が萌え度を確実にアップしました。

内容はすでに書いてくださっているので感想を。…

10

さよならトロイメライ 小説

尾上与一  笠井あゆみ 

遠い昔に閉じ込めた夢の欠片

待ち遠しかった尾上さんの新作。
表紙の美しさにまず打ち抜かれ、口絵の扇情的な様にうひょーっと舞い上がる。
本の厚みに期待いっぱいに読み始めるともうダメでした。
何度も何度もこみ上げてくるものを飲み下しながら一気読み。

時代は大正、貿易商を営む宗方家に執事見習いとして奉公に上がった弓削は、そこの跡取り息子である鉄真と強く惹かれ合います。
少年特有の淡い恋心をお互い胸に秘め、ゆっくりとそ…

19

「さよならトロイメライ」初回特典書き下ろしペーパー 特典

宗方家のトロイメライ

少年時代の鉄真視点の話。

弓削に淡い恋心を抱く鉄真が大変可愛らしく、この先二人に待ち受ける運命を思うと何とも切ない気持ちに。
弓削は登場しませんが、当時の鉄真の弓削に対する想いはひしひしと伝わってくる内容です。

本編読後に読むことをお薦めします。


内容:
宗方家で昔から飼っている、ベニコンゴウインコという大型の鸚鵡。
鉄真はこの鸚鵡に、最近やって来た執事見習いの少年・弓…

4

さよならトロイメライ 小説

尾上与一  笠井あゆみ 

夢のあと

大正時代、貿易商と執事の十数年の歳月を描いた作品。
大正のビジネス界における一商家の一進一退も描かれており、大河小説のような壮大な物語が展開されます。

あらすじ:
文官の父を亡くし、執事見習いとして貿易商の宗方家で働き始めた弓削(受け・14歳〜)。
嫡男の鉄真(攻め・15歳〜)、弟の一誠と打ち解け、将来の夢を語り合う仲に。
しかしある夜、宗方家当主の部屋に呼び出されたことから、弓削の…

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