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表題作蒼穹のローレライ

三上徹雄・整備員・24歳
浅群塁・零戦搭乗員・21歳

その他の収録作品

  • 幽き星に栄誉あれ

あらすじ

「敵機を墜として俺も死ぬ」
浅群のその願いを、三上の整備魂は許せなかった―――。
要保護の軍神・浅群塁と、整備に燃える三上の青春の日々。


戦後十八年目のある日、三上徹雄のもとを病死した旧友・城戸勝平の息子が訪れた。
彼は城戸が亡くなる直前に、三上へ一通の封筒を預かったという。
封を開けると、中には戦死した零戦パイロット・浅群塁に関する内容がしたためられていた……。

―――時は太平洋戦争中期。
ラバウルに向かう途中、三上が乗っていた一式陸攻は敵の攻撃に遭い、不思議な音を響かせて戦う一機の零戦に助けられる。
着任後、命の恩人を捜していた三上は、「ローレライ」という二つ名を持つ、声の出ない、碧い目の搭乗員に出会う。
彼こそが三上たちを救ってくれた、零戦乗りの浅群塁一飛だった。

作品情報

作品名
蒼穹のローレライ
著者
尾上与一 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
蒼竜社
レーベル
Holly Novels
シリーズ
天球儀の海
発売日
ISBN
9784883864416
4.7

(182)

(167)

萌々

(4)

(4)

中立

(1)

趣味じゃない

(6)

レビュー数
16
得点
864
評価数
182
平均
4.7 / 5
神率
91.8%

レビュー投稿数16

「聞け。ローレライの声を。」





新版が出るということで、とても楽しみです。

どうか塁に芽生えた気持ちを大切に、三上と育むために帰ってきてと祈らずにはいられませんでした。

塁にとって三上との日々はかけがえのない日々となっていくのを読んで行きながらめくるページが少なくなっていくのがもう苦しくて。 最後は名誉のためにでは無く、三上を守るためにあの選択をしたことに三上が気づけた、これだけで救われます。

読後の『月と懐中時計』
三上の心が届いていたことを嬉しいと思えて、いつかの再会に想いを馳せる月夜の一幕。
辛くて悲しいだけじゃない、塁の生きた証が刻まれてました。

『蒼穹のローレライ』には辛くて悲しいだけじゃない、塁の生きた証が刻まれてました。
三上を大切な人を守りたいと願ったローレライの声が読了後も響いてます。
いつかのふたりの再会に想いを馳せて。

1

毎年夏に読みたくなる…

購入してから数年、夏になると何度も繰り返し読んでいます。
この物語に触れてから、人を心から愛する思いに真剣に向き合う事ができたような、そんな思いです。読んで数日は余韻が凄すぎて立ち直れませんが、価値観を変えてくれる愛しい物語です。

個人的に、ですが、Aimerの「RE:I AM」を聴きながら読むと感動が2倍になります。

0

切ない、、だけど優しくてあたたかい。

1945シリーズは中々怖くて手が出せませんでした。シチュエーションは好ましいけど、時代だけに悲しい結末ならいやだなと。気持ち落ちたら中々立ち直れないので。しかし読んでみると前3作は安心な結末でした。
が、しかし、ついに今回は死ネタでした。
他とは違い表紙が1人だからおかしいなと。レビューで確認していたのでなかなか読む迄覚悟がいりました。手元にはあるし読みたかったし、不思議と皆様納得の様子だったので勇気を出して。


感想です

泣く方が多い中、私は涙腺がかなり固い方なのでこれも泣かないかと終盤手前まで思ってましたが、最後の最後で崩壊しました。
最後の「幽き星に栄誉あれ」で最後まで零戦に金具をつけていたのは三上を信用してない、家の為、三上の気持ちを裏切ったわけでなく、ただ三上を守りたかった塁の気持ちが三上に伝わった時、誤解が解けた時(小野さん、心からありがとう!!)いっきにきました。そして冒頭の三上が城戸息子から塁の電報を受け取って涙するシーンに戻って、三上、城戸、塁の其々の気持ちを考えては泣き、SSペーパーの「月と懐中時計」みてさらに号泣。また頭から全部読み直して号泣。シニタクナイと電報を打った塁の気持ちを何度も考えてしまったりして。また三上の気持ちを思うと。はぁ、きついですね。。帯の通り、読後私にしっかり浅群塁の名は刻まれてしまったし、魂ももっていかれてしまった。あー、、これはまずいな、やっぱりしばらく戻って来れそうにないなぁ。というか、戻りたくない。まだ三上と塁の世界にまだ自分もいたい、が正しいかも。

不思議です。痛くても、こんな気持ちなのに読まなきゃよかったなんて少しも思わない、むしろ読んでよかった。これを読まないなんて!!とすら思う。この、引きずり方はよくあるBLモヤっと感とはまた違うんですよね。2人への思いや好きが増すというか。

塁はシリーズの誰よりも強烈な人生だっただけに戦後2人で幸せにくらさせてあげたかったな。
でも、こうだったから1945シリーズの中でも読んだ人の心の中で三上と塁は別格に位置付けする方が多いんなんだろうな。どのカップルも大好きですが、私にもやっぱり塁は特別ですね。
塁を死なせたくなかったなぁ。でも、塁が命張ったから三上や基地が守られたわけですもんね。。切ないな。。けどとても優しい物語。


もし、これからこのシリーズを読まれる方は一冊に1カップルなのでどこから読んでも大丈夫ですが、前作カップルが脇で登場したりちょいちょい皆んな繋がってるので順番に読まれる方が楽しめるかと。

それと、作者様も順番はちゃんと考えてらっしゃるのかも、というのは1番最初に蒼穹のローレライを読んだらなかなか抜けられなくて、戻ってこれずに他が読めない危険がある気がします(私だけかもしれないですが)4作目であえてズドンとくるのをもって来られたのかなと。違ったらすいません。

叶うならもう売っていない同人の「青空のローレライ」が読みたい。1人暮らす三上の元を一夜だけ塁が訪れる話があると聞いたので。
この際ファンタジーでもなんでもいいですよ。死に別れだけに2人が一夜でも再会できて幸せならなんでもいいです。あー、よみたい!!



レビュー数日後のつけたしです。
皆さま朗報です(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
尾上先生が1月15日のツイッターにて呟いておられました。同人の青空のローレライの再販あるかもらしいです!再販があるなら春のJガーデンとコミコミさんらしいですよ。情報違ったら怖いのでツイッターで確かめて頂けるとありがたいです。
現実になるならかなり嬉しい(><)

2

死ネタちょっと...って思ってた

『死ネタはちょっとなぁ〜...苦手なんだよ...』と大好きな尾上与一先生の作品にも関わらず買ったわいいものの読む勇気が出なかったこの作品...。私と同じことえお思う人もいるのではないでしょうか。

だがしかし!!!!!!!

思い切って読んでみて下さい。
正直、私はシリーズで一番と言っていいほど泣きました。
死ネタではあるものの不思議とハッピーエンドではないか
と思えてくるのです...。

この作品はこれまでの作品と違って
整備士×搭乗員なんですね...。
2人とも搭乗員なら戦闘中も一緒だけど
整備士は搭乗員が生きて還ってくることを
地上で待ってなくてはならない。
これがまた...。

読後心にぽっかりと穴が空いたような感覚になったこの作品、
買うことを、買ったはいいけど読むことを躊躇している人には是非
読んでほしい。死ネタちょっと...は読み終わってから言いませんか?
私は言えませんでしたが。

5

「孤独から、三上へ。」

ああ、塁。。。やっと孤独の闇から抜け出せたのに。。。
そして三上には、塁の戦う意味が変わったことにもっと早く気づいて欲しかったなあ。。。
でもそのもどかしさがこの小説の味わい深さなのだと思います。
話の展開のわからない冒頭から、三上の号泣とともに涙し、クライマックスの場面では涙が止まりませんでした。

1

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