久我有加さんのレビュー一覧

酸いも甘いも恋のうち 小説

久我有加  志水ゆき 

小藤くん、かわいいです

上方芸人シリーズに連なる作品。
落語編の3冊目は、舞台が現代になりました。
シリーズ物とはいえ、落語の一門の名前や芸能事務所などの設定が前作を踏まえている位の繋がりなので、この1作だけ読んでも全然大丈夫です。

TVのバラエティもそつなくこなすと二世落語家のハイスペックボーイと、現代生活とは全く無縁にひたすら古典落語の道を究めようとしている無自覚地味ボーイ、この二人の若手落語家が、お互いに…

1

幸せならいいじゃない 小説

久我有加  おおや和美 

どっちが譲る?

中編2話+SS1話

「幸せならいいじゃない」直登視点
脚本家の直登(受)は仕事につまると毎晩コンビニでゲン担ぎに好きでもないオムライスおにぎりを買っています。店員の北見(攻め)にたまたま外で会った時、もっと体にいいものを食べた方が良いと言われ、定食屋に連れて行って貰います。
社会人だからと奢ってあげたお礼にと食事を作ってくれると言いだし、直登の部屋で食事を作ってもらうことになります。食事…

4

におう桜のあだくらべ 小説

久我有加  佐々木久美子 

人情ものってやっぱりいいですね

本作は「頰にしたたる恋の雨」の関連作、というか前日譚の位置付けですが、「頰に〜」に出てくる真寿市師匠がまだ駆け出しの頃の、真寿市(当時は真太)の兄弟子真吾の恋模様です。
より昔(明治中期)の時代で、言葉も柔らか。今のTVで見る芸人さん達の使う言葉とは色々と違います。
見た目は地味だけれどじっくりと噺を聞かせる上手い真吾と、華やかで明るい芸風、出てくるだけで目を引くような椿丸、そんな個人の持って…

6

若様のヨメ 小説

久我有加  麻々原絵里依 

誰もが認める若様の人柄

とある地方都市に転校してきた光は小学四年生にして『若様』と呼ばれる同級生の兼城にプロポーズされてしまう。
それから12年余り、再び転校していった光が就職で桃栗市役所の広報課に配属されたのを機に戻ってきたところで、再会を喜ぶ若様に『嫁』呼ばわりされ続けて周囲にデレまくり。

ちなみに兼城家は、大名制度のあった時代から現代も桃栗市で絶大な勢力を持つ一族だったりする。
それなのに、若様ってば威光…

5

夜間逃避行 小説

久我有加  絵津鼓 

色々と考えさせられました。

社会派BLとUFOを探しに行く事とどんな結びつきが…??と
読む前は多少身構えてしまうところもあったのですが
読み始めたらもう、とにかく先が気になりました。

想像していたより重い題材で
こうしている今もきっとどこかで誰かが苦しんでいるのかと思うと
胸が締め付けられるようでした。
信じていた人に裏切られるツラさ、
愛する家族を失う出口の無い悲しみ、
普通の生活が一変してしまうよう…

6

酸いも甘いも恋のうち 小説

久我有加  志水ゆき 

お砂糖のように甘いけど噺家たちの落語にかける熱い思いがイイ!

落語を巡る世界観がイキイキと描かれていて、とても面白いです!!
他の作品とリンクしているようですが、私はその作品は未読ですが、楽しめました。
攻めが受けのことを甘やかしててまさに溺愛なのでお砂糖のように甘いですが、ただ甘いだけでなく、お互いに自分にない才能に嫉妬して苦悩しながらも、高めっている様子に非常に爽やかな気持ちになりました。
顔に表情が出づらくてストレートに思ったことをそのまま言っち…

1

酸いも甘いも恋のうち 小説

久我有加  志水ゆき 

落語家シリーズ、今回は現代モノ

『頬にしたたる恋の雨』『におう桜のあだくらべ』に続く落語家シリーズ三作目。
昭和、明治ときて本作は現代の話です。

単独でも読めますが、
前作『におう桜〜』の二人と同じ亭号(栗梅亭×山川)を受け継ぐ落語家カプの話なので、
既刊の流れを知っているとより楽しめるかと思います。

あらすじ:
落語バカの山川小藤(本名:富秋。受け)は、二世落語家タレントの栗梅亭真遊(本名:満。攻め)とバラ…

6

酸いも甘いも恋のうち 小説

久我有加  志水ゆき 

『恋の雨』『あだくらべ』読んでいると楽しさ倍増です♡

激しいネタバレはないですが一応ネタバレあり設定にしておきます…!

フラゲしてきました♡ 落語家モノの新作ということでとっても楽しみにしていました!
芸人シリーズを追っているわけではないのですが、落語家モノの『頬にしたたる恋の雨』『におう桜のあだくらべ』は読了しています。

前2作と違い、今作の舞台は現代。前作までは(丁寧に解説されているとはいえ)馴染みのない単語が非常に多く読むのに時間…

11

君を抱いて昼夜に恋す 小説

久我有加  麻々原絵里依 

大正、大阪、博徒、彫師、廓にピンときたら。

既読「頬にしたたる恋の雨」で近代(明治〜大正〜昭和初期あたり)の大阪言葉の柔らかな美しさに惹かれ、本作を手に取りました。加えて大好きな彫り物モノ!
舞台は大正時代の大阪、博徒の源太x彫師の八束の物語。
表題作「君を抱いて昼夜に恋す」は、彫りの技術も絵の技術もありながら、心を揺り動かす「情」に欠けている彫師八束が、野生の獣のような博徒源太に出会って、彼に惹かれ、惚れて、抱かれて、何より大事な「艶…

3

頬にしたたる恋の雨 小説

久我有加  志水ゆき 

色と艶の一編

昭和初期の大阪が舞台の芸事BL。
主人公は落語家の栗梅亭もず、こと絹谷文彦。呉服屋の末っ子で育ちが良くて線も細い。
寄席の席亭である瀬島頼秋に、落語は諦めて娯楽の新しい風である「万歳」をやってみないか、と誘われる。
「お仕事BL」としての「芸」への取り組み方とでもいうのかな、百舌と団子の2人はとても真面目でいつもお互いを敬い、周りに気を遣い、一つのネタを客席との呼吸とも合わせながら練り上げて…

6
PAGE TOP