Sakura0904
最後まで丁寧に2人の言動が描かれていて、満足度の高い下巻でした。自分のセクシャリティと金江に抱いている感情について、じっくり悩んで結論を出した灰賀。もっと大人でも悩んでいる人がいるなか、大学1年生でこの壁にぶつかって、金江に対して誠実に接し続けた灰賀は、自分では頼りないと思っているみたいだけれどいい男だなと思いました。受け身で控えめな言動も、その場のノリや考えなしな行動で相手を傷付けたくないから…
表紙からダークな雰囲気を想像していましたが、実際は軽音楽部に所属する大学生同士の、爽やかな青春シーンも多いからっとした空気感の作品でした。4年生の金江が風俗店でバイトしているのも何か悲劇的な理由があるわけではなく自分の意思からで、そこにやってくる1年生の灰賀も自分のセクシャリティに迷っており、導入からちょっとした台詞、挙動まですべて大学生らしくリアルでした。
性欲がないわけではないけれど…