高遠琉加さんのレビュー一覧

三千六百五十日の抱擁 小説

高遠琉加  一夜人見 

10年の軌跡。

表紙の2人と題名に惹かれて購入です。
題名から想像できるように、知り合ってから恋人となるまでの2人の10年の軌跡のお話。

16歳、高校のクラスメートとして出会う。
受け様の逢沢はモデルをしている華やかなイケメン。
攻め様の樫本は、剣道部所属の堅物の朴念仁。

逢沢が剣道部の見学に訪れたことで話すようになり、逢沢が東京へ引っ越してからは電話で繋がってきた。
樫本が大学進学で上京して…

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ラブレター 神様も知らない(3) 小説

高遠琉加  高階佑 

切ないけどこれしかないか

三巻通してですが、最後はこうなるしかない、こうなるのがせめてもの救い、なんでしょうね。
攻めと受けのストーリーと思えばこれが一番良い形だったんだろうな。

司の選択というか生き方は、実際その立場だとそうなる人もいるよねって思う。流の無念さは計り知れないけど、あの時…という気持ちをそれぞれが持っていて、一つでも変わっていたら、違う選択をしていたらもっと違う未来があったのかも知れない。
でも、…

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三千六百五十日の抱擁 小説

高遠琉加  一夜人見 

この時代だからこそ

もう、二人が純粋で、涙目になりながら読みました。
最初の方は逢沢をイマイチ好きになれませんでした。でも、16歳なんてこんなもんだったのかも。

この時代って、もう友達も恋人も家族も文字でのコミュニケーションがほとんど。電話で声を聞くって、実はとても必要なことなのかもしれないなって思わされました。
そして継続は力なり。受け止める方も情がなければ、短時間であっても毎日なんて難しいと思う。

1

ここは限界ハウス 小説

高遠琉加  三尾じゅん太 

崖っぷちな人たち

ちょっと前に避難所のような場所に集う人達のお話を読んで、こちらを読み返したくなりました。

受け様は、ブラックな職場で頑張ってた羽瀬。
初恋の友人の借金の連帯保証人となったら、その友人がトンズラしてしまい、借金の督促が来るようになり。
友人から騙されていたことを知り、ギリギリ保っていた糸が切れ、フラフラと線路に飛び込もうとしたところを攻め様である神薙に助けられる。

風体は良くなかった…

1

終わりのない恋をあげよう 小説

高遠琉加 

起承結は神!転はどうしたコレ……

攻めの葦原がとても魅力的で、かなり早い段階から引き込まれた。最初はストーカーを疑ったり裏がありそうだと思ったりして、何かがありそうに見えたが、どちらに転んでも良い男には変わりないと思えるくらい好きになる。
受けの槇は人間味がなさそうでちゃんとある感じが良かった。

ストーリーは地に足が付いているので安心して読める。二人の関係性同様、葦原が物語を引っ張っていってくれる。強引さとあざとさを見せな…

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三千六百五十日の抱擁 小説

高遠琉加  一夜人見 

恋心を描かせたらピカイチ

書影が上がってきた時からどんなお話なんだろう〜と楽しみにしていました。全くファンタジー要素のない、同級生もの。しかも高校時代から10年間、二人の愛のメモリーを追っていくスタイルなんですよね。

主人公たちが恋を自覚していく段階を、それぞれの視点に寄り添いながら切々と描かれるこんなお話は、作家様にしか書けないんじゃないかな…と思ってしまった今作。メインカプのどちらかが芸能関係者なんですけど、身近…

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「三千六百五十日の抱擁」出版社ペーパー 特典

誕生日の夜に

本品は『三千六百五十日の抱擁』の
フェア店特典ペーパーです。

本編後、樫本視点での後日談になります。

霞が関で働く樫本の日々は忙しく
やってもやっても仕事が次々と湧いてくる状態です。

今日も議員レクの準備が終わらず
明日の早出しないとと思いながらも帰路につきます。

それでも樫本にはどうしても今日は
なるべく早く、せめて日付が変わる前に
家に帰りたい理由があったので…

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三千六百五十日の抱擁 小説

高遠琉加  一夜人見 

誰とも違う存在に気付くまで

今回は高校の同級生である国家公務員と
モデルから俳優へと転身した芸能人のお話です。 

友情で始まった関係が10年の時を経て恋として実るまで。

攻様は代々続く酒屋の長男です。
頑固な祖父が師範をしていた道場にも通わされ
剣道とともに礼儀や精神面もみっちり鍛えられた故に
かなり堅い性格に育ちます。

入学した高校でも剣道の実力は群を抜いていましたが
主将に他人と関わろうとしな…

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三千六百五十日の抱擁 小説

高遠琉加  一夜人見 

声で守る

細い細い糸を必死で繋いで。3650日。
声に守られて。

とっても良いお話でした。
積み本は持ってるけど初めて読む作家さんです。

自分をしっかり持っていて、周りに左右されず、こつこつと頑張り屋で武士のような樫本。
両親の不仲や自分の顔が嫌いで自分に自信がなくて、周りから勝手なイメージでもてはやされ、応えることに必死な逢沢。

逢沢の子供の頃の誘拐事件、今でも恐怖の影を落として。…

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三千六百五十日の抱擁 小説

高遠琉加  一夜人見 

片思いということ

高遠さんは片思いの切なさを書くのが上手い作家さんのひとりだと思います。
登場人物が本当に想いを口にしないのね。
そしてじっと見ているのですよ、相手を。
得てして彼らはその気持ちを恋だと認識しておらんのです。
だからただ見ているだけ。
で、ある日気づくんです。「恋だ」って。
そして大きく動揺します。
でもやっぱり彼らは佇んで、想い人を見ているだけの様に感じるんですよ。

表面はとて…

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