えすとえむさんのレビュー一覧

やがて、藍になる コミック

えすとえむ 

繰り返し迫られる選択

刺さる…セリフの1つも、セリフのないコマもとにかく刺さる。「藍」や「ズレちゃいけない」に込められた思いがびしびし伝わります。

・大青(藍染を営む実家の実子 兄)
・紺太(義理の弟)
大青の会社員時代に男性とホテルにいるシーンが妙に生々しくて好きでした。直接的描写はないのですが、あぁ大青はゲイなんだなぁというのが伝わってきて。
最終話のラスト、大青の穏やかな笑顔に胸が熱くなる。
BLら…

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ハッピーエンドアパートメント コミック

えすとえむ 

幸せ通り

えすとえむ先生の中でもかなり好きな作品。
アパートメントで暮らす住人たちを描くオムニバスです。
物語がテーマになっています。どこまでが作品の中のノンフィクションで、どこからがフィクションかは分かりませんが、どこまでも皆が幸せであるといいのにと願う作品です。読後感も大変いい。ただ完全なる幸せに包まれるというよりも、少しの寂しさが残ります。

映画っぽい、作品のことを思えば小説っぽいというのが…

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ULTRAS コミック

えすとえむ 

短編集

表題作は初めてケツイキできたくらい体の相性が抜群で、お互い惹かれ合うもお互い敵対同士と知り……というフーリガン同士のロミジュリ愛です。
仲間の兄の婚約者が敵対チームのフーリガンだと知り婚約破棄騒動になったり、小学生同士でもそれが原因で虐めたりみたいな描写が出てきて、フーリガンの熱狂具合が怖いというよりもたががサッカーでアホくさと思ってしまう自分がいますが……。
でも、彼らにとっては「たかが」で…

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やがて、藍になる コミック

えすとえむ 

じわじわ染まっていく

藍染めを家業とする一家に生まれた大青と、そこの養子になった幼馴染の紺太。
義兄弟となった二人が、藍染を通して交わす思い……。

言葉少なく淡々と道を極める職人の世界が描かれていますが、言葉少なめな分、モノローグが光るんです。

「1mmでもズレたら 先には大きなズレとなる」という藍染の型紙制作の教えを自分たち義兄弟に当てはめている二人。
「兄弟」という枠から1mmでもはみ出さないように…

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equus コミック

えすとえむ 

異種間の愛はどうしてこうも美しいのか

 世界観が本当に素敵ですね。えすとえむ先生のタッチにもよく合っている。関連作品に非BLの『はたらけ、ケンタウロス!』がありますが、世界観が同じなだけで、あちらで登場したキャラがこちらにも登場するということはありませんでした。あちらはケンタウロスと人間との健全な絆を描いたもの、対するこちらはケンタウロスと人間、もしくはケンタウロス同士の愛を描いたものということですね。私はこの独特の雰囲気が好きなので…

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非BL作品

はたらけ、ケンタウロス! コミック

えすとえむ 

ごくごく普通のケンタウロスとは

 数ある生き物の中からなぜケンタウロスを…と戸惑いながら読んだんですが、なんでしょうこのしっくり感は。犬猫を除けば、やはり人間と最も密接に関わってき動物は馬だからかもしれない、なんて思いました。厳密にはケンタウロスと馬は別物なのだけれど。人間社会に溶け込もうと必死で働く彼らが本当に存在しているように思えてくるんですよね。

 そして、とても愛おしくも感じました。一生懸命な表情と、必死に上半身を…

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恋のしっぽをつかまえて 小説

L.B.グレッグ  えすとえむ 

NYのアートシーン!

モノクローム・ロマンス文庫2冊目の出版だった本作。
このシリーズは、ほぼ全部読んでいるのですが、この本だけどうも手が出なくて。

合衆国の素人探偵はどうしてこうも『ぼやき君』が多いのでしょうかね?
私はこの『シニカルな自虐を飛ばしながら頑張る素人探偵』が大好きなのですけれども。
本作のシーザーも例に漏れず、クローゼットに隠れたまま自分との恋をない事にしてしまっている(おまけに俳優として成…

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海に眠る 小説

葛城ちか  えすとえむ 

耽美の雰囲気が味わえます

独立した3作品が収録された短編集。
小説の短編集は珍しい。
以前にBLニュースでおススメされていたのを見つけた。
何というか、やっぱり時代を感じる。
文庫化されたのは10年前だけど、その時点で、BL以前の耽美の香りを持った過去の作品を集めて書籍化されたらしいので、初出はさらに10年前後遡る。
平成も終わろうとしている今のBLの基準や気分からは、表題作の設定も結末も、まず、各方面から許して…

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「情熱の国で溺愛されて」購入特典・書き下ろしペーパー 特典

「恋するマタドール」その後

クリスティアーノと付き合うようになってから怪我をしなくなった流依。
それは数週間前、マスコミの取材で起きた出来事。
流依の怪我の説明をしながらクリスティアーノが、その場でこっそり絶妙に流依に刺激を与える悪戯をしかけ、この上なく恥ずかしい思いをしたからです。二度と怪我をするかと決意する流依。

図らずも辱めを受ける流依の様子が何とも言えず、二人の攻防はある意味微笑ましいです。
クリスティア…

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情熱の国で溺愛されて 小説

華藤えれな  えすとえむ 

騎馬闘牛士は初めて知った

華藤えれな&えすとえむのスペイン闘牛物と言ったら、これはもうお馴染みのテッパンです。
美貌の闘牛士に絡むのが医者だったり医学生だなんて設定も、これもお馴染みな感じで、そんなテッパン作品が2作品に加えて、ちょっと毛色の変わった、騎馬闘牛士と馬のお話の詰め合わせ。
短編のオムニバス形式なので、それぞれの作品がちょっと駆け足なのがちょっと物足りないともいえるし、ギュッと濃縮された違う味わいのエッセン…

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