沙野風結子さんのレビュー一覧

月を食べて恋をする 小説

沙野風結子  小山田あみ 

終わりは突然やってくる

電子書籍。新装版より「君といたい明日もいたい」を電子化して、書き下ろしショートストーリー付きでお得な気がします。

本作はモヤモヤしたまま終わりました。実印はどこに隠したか、家と土地の書類は回収できたか、啓太の就活はどうなったか、須藤は恐喝罪で逮捕されないのか。須藤以外の疑問は既刊のエピローグに解説されました。

既刊を削って、サイドストーリーがなくて、本作を楽しめなかった。

小説の…

9

兄弟の定理 小説

沙野風結子  笠井あゆみ 

お兄ちゃんを求める心と弟を愛しく思う心

笠井先生だし沙野先生だし購入。兄弟ものの良さがようやく分かってきた気がしたので萌2.ドロドロしいとは思わないものの、兄弟ものの味わいが濃いと感じるので、苦手だと思ってる方は難しいかもしれないです。そう、恋人なんだけど、ちゃんと兄弟、「兄ちゃんと可愛い弟」だと感じました。全編書き下ろし、本編250P弱+あとがき。二人にめっちゃ絡んできたサブキャラというか当て馬のお話も、今後書かれるとのことでした!楽…

12

月を食べて恋をする 小説

沙野風結子  小山田あみ 

残酷で美しい物語。真相はいかに。

深い水の青と、薄暗い月のオレンジ。
表紙のイメージをそのまま纏ったような、切なく美しい物語。

3年前に父親を事故で失った恵多は、父方の叔父である章介と暮らしている。
父親の死にショックを受けた恵多は、心因性なのか?中高生あたりの記憶がところどころ欠落している。
さらに溜まった水とセックスに対して何故か強い拒絶反応を覚え、ひどい頭痛と体の麻痺を伴う身体的発作を起こしてしまう。
そんな恵…

17

融愛 Melt Down 小説

沙野風結子  水名瀬雅良 

再読したら。。。

昔読んだことを忘れて再読。序盤で気づきましたが最後まで読めました。

しかし、作家買いしている作家さんなのですが、何か文章がこなれてなくて、最後まで斜め読みしてしまった。Hシーンももうお腹いっぱいって感じで。。

なんか、ストーリーが箇条書きされていて習作というかプロットを読んでいるみたいな印象なのです。急いで書かれたのかな。あるいは、自分が色々な作品を読むようになって目が肥えたのか?

3

兄弟の定理 小説

沙野風結子  笠井あゆみ 

萌えより切なさが強い

先生初めてのディアプラス本だそうです。
ディアプラスは現代のリーマンなど、
どこにでもいそうなB達のLを描くことが多いレーベルな印象があるのですが、だから今回は現代物兄弟なのかな〜と思っていました。
でも実際は三角関係物…の方が表現があってるかも、というくらい当て馬さんがグイグイでてきます。
以下ネタバレです。

この当て馬氏が一筋縄ではいかず、
売れっ子イケメン俳優とスペックが高く…

11

月を食べて恋をする 小説

沙野風結子  小山田あみ 

危うい均衡にゾクゾクします

こちら、2009年に刊行された「君といたい明日もいたい」を大幅改稿、改題の上、新装版として出されたものです。
旧版は未読になります。

で、叔父と甥と言う許されない関係もですが、ここに記憶喪失と言う推理サスペンス要素も絡み、ストーリーとしてかなり面白いと言うか、好奇心を掻き立てられると言うか・・・。
いやもう、サスペンス映画を見てるように、手に汗握らせてもらえました。

あとですね、攻…

22

月を食べて恋をする 小説

沙野風結子  小山田あみ 

一片の苦さがまとわりつく実に複雑なラスト

『君といたい明日もいたい』(2009年刊行)を加筆修正した物語です。
私は前作を読んでいないので違いは解りませんが、社会情勢等は全て現在の状況に書き換えられていて、所謂『古さ由来の違和感』は一切感じませんでした。

大変痛いお話です。
「この様なことが起きたらこうなってしまうしかないだろうな」という現実感に溢れています。
よく「BLはファンタジーだから」と言われますが、この『ファンタジー…

25

兄弟の定理 小説

沙野風結子  笠井あゆみ 

頭の良くない人間のレビューとなっております

ネタバレする前に、
兄弟モノがお好きな方は
新しい切り口を楽しんで頂けると思います!

三角関係がお好きな方は
十二分に苦しんで頂けると私は思います(笑)


さて、ネタバレ行きます!
兄弟、と言うよりもほとんど三角関係のお話と言っても過言では無いと思います。

兄弟の話は他のお姉様方にお願いするとして、私は式見君という第二の、いえ…

もう一人の攻め君

についてち…

26

兄弟の定理 小説

沙野風結子  笠井あゆみ 

隙間のない論理、清々しいモラル

まず最初に感想を一言で。
「沙野風結子さんの本はとても頭を使う」。
「まぁ、いいじゃないの。そんな感じで」という曖昧なまま、緩くまとまってしまうことを許さない。
登場人物達がとても潔癖だと思うのですよ、いつも。
いや、行為はいつもぶっ飛んでいらっしゃるのですけれど(毎回、異なる濡れ場を考えてくださって、その工夫に感心いたします。こっそり『当代一のエロティック・チャレンジャー』と呼び、尊敬の…

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兄弟の定理 小説

沙野風結子  笠井あゆみ 

私の知ってる兄弟もののセオリーを軽く超えてくる

すっっっごく面白かったですね!
もう最初からグッと引き込まれるストーリー運びで、ページをめくる手を止める事が出来ませんでした。

私は元々兄弟ものが好きで、攻めは弟で超執着していて欲しいとか妙なこだわりがあるのです。
が、そんな私の固定概念を軽く吹っ飛ばすと言うか、全然兄弟ものとしては好みの設定では無いはずなのに、圧倒的なパワーで読ませてくれると言うか。
兄弟ものはたくさん読んでるのです…

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