碧暗い水さんのレビュー一覧

初恋の嵐 小説

凪良ゆう  木下けい子 

ダサ眼鏡ガリ勉の俺様

ギャグ、ラブコメ。受け視点が二編で、攻め視点が一編の計三編です。
攻めは俺様、腹黒、ダサ眼鏡、男前。
受けはヘタレ、美人、健気。
(作品ではダサ眼鏡とされているけど、最近ではおしゃれな人というイメージがあります、眼鏡)
ダサい男前俺様って、新しい。素敵キャラです。
攻めは理論武装が完璧かつ毒舌な俺様だけど、気遣ってるように見せずに気遣うスマートな男前。
受けは学生時代は普通のお坊っちゃ…

8

欠けた景色 In Plain Sight 小説

ジョシュ・ラニヨン  小山田あみ 

大人の緊迫感

答えて姐さんで書いてくださった情報で知りました。
翻訳ものM/M初心者です。
成熟した男たちを、緊張しながら眺めている気分で読みました。
儚さから始まる冒頭から目が離せませんでした。侘び寂びの儚さとは異なり、鮮烈な痕跡をもつ儚さだと思ってます。
二人とも、ごく普通のただの男という点が切なさを喰らわせられました。
グレンが生真面目で静謐な男だというエピソードはところどころ出ていますが、結末…

13

さよならのない国で 小説

高遠琉加  葛西リカコ 

不思議な世界の疲労感

攻め視点、受け視点とところどころ変わります。
受けは、攻めの叔父に片思いしていました。その叔父が亡くなっていてというお話です。
受けは、幸せになりたくないとか、笑いたくないとか、食べ物の好き嫌いが多く歳上なのに未熟な行動を遠慮なくしています。無意識に、攻めがいる安心感があるからそういう行動をしていたのかな、と。
私は、SFのようなファンタジーという印象が強いです。
時間感覚の曖昧さにぼんや…

1

ラ・エティカの手紙 小説

名嘉あいか  yoco 

炙り出された十年愛

全編受け視点です。幼馴染の同級生。
表紙絵は高校生の頃と現在とが自然に織り込まれていて、ラテン的な色彩です。
田舎の保守的な家族、性的マイノリティへの偏見、カミングアウト、この三つが避けられない環境下をベースに生きてきたお話です。
二人とも、高校生にして簡単ではない決意をします。受けはその苦い決断をなかったことにして、自分の道を切り拓きなんともなかったように生活する。だからなのか、静かな流れ…

2

てのなるほうへ 小説

栗城偲  小椋ムク 

切なくあたたかい和ファンタジー

攻め視点、受け視点、攻めの親友視点と三編です。
作家買いです。
切ないファンタジー。キャラはモブを除いていい人たちばかりで安心できます。安心できる王道だけど、じわじわと変則的。
攻めは顔無しがなによりのコンプレックスで、それが嫌で仮面を装着しています。
受けが良い子なのですが、なにが良いかって攻めが顔を隠したがる習性を否定しないところ!
顔を出したくない人に無理矢理前向きな行動を強制しな…

8

恋人代行、八千円 小説

栗城偲  有紀 

王道のようでいて冷や冷やする

お勧め頂いた作品です。全編受け視点です。
露文学講師の柳(攻)の家政夫として、幹太(受)がアルバイトに通うお話です。家政夫といっても、実態は便利屋。
大学では講師と学生として、攻めの自宅ではお客様と家政夫としてほぼ毎日顔を合わせます。にもかかわらず、くっつくまでは綱渡りのような関係性に冷や冷やします。
家政夫といっても便利屋なので、友人代行果ては恋人代行も事業として引き受け可能。ただし、社則…

1

COLD HEART in NEWYORK 小説

木原音瀬  麻生ミツ晃 

凶暴な純真

受け視点と攻め視点両方あります。
まずは、楠田(受)はよく生き耐えてると思います。秋沢(攻)のしたことははっきり言って犯罪です。だけどややこしいのは、秋沢にまったくの悪気がないところ。
件の凌辱シーンは吐き気すら目に浮かびます。
だけど、秋沢なりの純真も真実なので、複雑な気持ちで読み進めました。
楠田の苦痛に配慮せず突き進む悪質なセックスモンスターが、終盤ではセックスできなくなった楠田のた…

4

追憶 コミック

小山田あみ 

即買い

小説の挿絵ではあまりにも有名です。小山田あみさんのオリジナルコミックじたいが貴重ですね。たまたま見つけ、即買いしました。
絵は美麗で力強く、小山田さんの黒髪受けの奥ゆかしさと男らしさに眼福です。
攻め受け両者ともに、男らしい絵とキャラが好きです。
表題作は大正〜昭和初期だと思われる文豪もので、同時収録は幼馴染のアスリートものです。

4

嘘つきと弱虫 小説

久我有加  木下けい子 

地味な流れだけどしずかに波乱万丈

二篇で受け視点、攻め視点と両方あります。
ふたりとも関西弁で話しますが、東京にいます。
あまあまで一見地味だけど、むっつりエロエロでした。せつない心理描写中心ですが、その想いが互いに貫通したときに、エロが決壊するラブラブです。攻めが受けを愛するあまりに抱きたい、という心理描写がストレートに表されています。
麦人(攻)は容姿端麗だが目立ちすぎない設定で、日常感があります。
音也(受)は地味で…

7

Life is Beautiful 小説

伊勢原ささら  斑目ヒロ 

ツンデレキャラの戸惑いが丁寧に書かれたデビュー作

この作品は、クリスマスまで積読しておけばよかったです(笑)もちろんいつ読んでも素晴らしいです。
瑞生(受)が高く大きな崖で、自殺しようとする場面から始まります。
作中で瑞生が綾部(攻)に「失業したぐらいで死のうなんて人生舐めてるって思ってるだろう」と、いかに追い詰められていたかを訴える場面があります。いくら辛くても自分が死ぬというのは怖いものだから、その怖さを上回るほどのもので侵食されているか…

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