ふばばさんのレビュー一覧

パラスティック・ソウル -おわりの章- 小説

木原音瀬  カズアキ 

逃避行、のち…。残酷な運命を突き抜ける

「パラスティック・ソウル」の完結編。

「Girl and Dog」
娼館で下働きをしている少女ミア。理不尽に両親を殺され、貧民窟で自分で自分を守って生きている。一緒に生活しているのはフェードアウトしたハイビルア、スタンリー。
スタンリーは実は第1話の八尋の兄。八尋が迎えに来る。意地っ張りのミアが「スタンリーが好きなの、連れて行かないで」と懇願する……

「god child」
第2…

3

パラスティック・ソウル -はじまりの章- 小説

木原音瀬  カズアキ 

コノハラ流、残酷なファンタジー

姐さんのおすすめをいただいて読みました。
木原流ケモミミ、と言ってしまうには余りにも壮大。

「プロローグ」
ある老人ブロイルスの死、使用人?のライヴァン。ライヴァンは「ビルア種」という犬の耳と尻尾のある人種である。
ブロイルスの葬式に4人の人間が参列する。その4人が、この叙事詩の登場人物、ビルア種の八尋、芭亜斗、ミア、ニコラス、である。
ライヴァンはこの4人に「何でも望みが叶う薬」と…

6

どこにもない国 コミック

草間さかえ 

大人のBL。官能を感じる

「どこにもない国」
戦場では部下に庇われる腑抜けの隊長竹内。敵襲の後負傷を装っている。誘う時は腑抜けの腑の字も見せず、眼の力が違う。
なんのエロシーンも無いのに、誘い受けの濃厚な気配……
「パラダイムロスト」
復員後、早川を探す家族を見つけるが、無視して自分の家に連れて行ってしまう竹内。早川を手放したくない。私はこんなにも心ない人間だったか?
早川も分かっていて竹内の罪悪感を嗤って吹き飛…

0

「ヤリチン☆ビッチ部1」描き下ろし小冊子 特典

欲しいのは官能

本編では意外とエロシーンは少なくて、この小冊子でエロ補給、という感じなのでしょうか。
一年生の田村くん(今のたむ先輩)が部則に従って輪姦されてしまう(!)お話ですが、ページをめくるともうたむ君は剥かれてて、口にはギャグをかまされて、というお姿。当然抵抗してるけど全然ダメで、百合君にチュウされた隙にズンと。入れられちゃいます。もうあとはお汁+擬音+喘ぎイッパイのエロシーンな訳だけど、私はこのシーン…

1

双極 コミック

芽玖いろは 

デレだけの2人が読みたいなあ

学年トップの兄と、補修常習者の弟。
中学の時にベッドで触られて、拒否って、こじれて。そして5年。家の中でも目も合わせなくなった2人。
その導入から弟が逆襲?をはじめ、勉強で兄を追い抜きそして兄と性交する。中学生の時にしたかった事を…
その後も自宅で、学校の階段の踊り場で、来賓用トイレで、ヤリまくる。
弟の意図は、自分がテストで手抜きして再び兄がトップに返り咲く事を引き換えに、兄に自分から『…

4

アンノウン コミック

たらつみジョン 

漂う痛みを掴んでみたい

予備知識無しで購入。
短編集で、ラストの一作以外バッドエンドでした。そして読後に帯を見たら「こんなバッドエンドが見たかった」。
そうだね!その通りだ。
この需要と供給を見ると、BLの多様化を感じます。
BL黎明期のバッドエンドは禁断の恋でお別れ、みたいな、死んで結ばれる、みたいな。今求められている世界とは違うよね…それからハッピーエンドがフツーになって、ほんとに色んな設定が出てきて、いつの…

4

カラーレシピ 1 コミック

はらだ 

自分色に染める処方箋〜執着男の場合

事前知識なく、「はらだ」さんの作品ということで購入、読んでみたのですが、なーんてことなく読み進み、ストーカー登場で「ん?面白くなってきたんじゃないのお?」と思い始め、フンフンとエロシーンをクリアし、りくちゃんの何気なーいセリフまで来て………

え。
そういう話だったの〜?!は〜!全然気付きませんでしたよ。
びっくりして、ゾ〜ッとはしたけど「サイコパス」ってほどではないのかなあ。ストーカー野…

1

秘密 小説

木原音瀬  茶屋町勝呂 

胸が詰まるような2人

まず、茶屋町勝呂さんの暗い色合いの、切り絵のような表紙・挿絵の迫力が凄いです。題名の「秘密」との相乗効果で、追い立てられるような、色のない作品世界が迫ってきます。

(ネタバレ注意)

知的障害っぽい攻めと統合失調症っぽい受けの物語。
攻めの杉浦充の障害は、実際はディスクレシア。識字障害というものです。知能指数的には決して劣ってはいないけれど、その違いのわからない厳格で権威主義の父親から…

4

色男のイロゴト コミック

藤崎こう 

安心の両想いラブ!

この作者様の作品は、いつも同じタイプのお二人が繰り広げるラブラブ劇のよう…
つまらない、というのではありません。逆に大いなる安心感を持って読むことができます。しかも内容はいつでもストロングな両想いのラブストーリー。攻めも受けも体格・スタイル共に素敵なハンサムガイ、しかもスーツが似合うことが多いです。攻めは受け一筋で、誠実に愛を語る。受けは、一途だったり勝手に浮気を妄想して浮き足立ったり、というパ…

1

深呼吸 小説

木原音瀬  あじみね朔生 

視点の変化で人間まで変わったような。

表題作が受け視点で、後日談あるいは同時系列が攻め視点、というパターンはBL小説ではよくあると思われます。そしてもちろん視点は違えど破綻などはないのが当然…
ですが、この「深呼吸」。
表題作「深呼吸」と後日談「深呼吸2」では、視点の変化とともに受けも攻めもまるで別人のように立ち現れる。
「深呼吸」では、リストラされて今はお弁当屋さんでバイトの40代谷地が、その向上心のなさや慣れに流されていく勤…

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