ふばばさんのレビュー一覧

両手に美男 小説

鳩村衣杏  乃一ミクロ 

一兎を諦めて三兎を得た男

ワンランク上の仕事、親友、その上恋人を得る幸運男?
「両手に美男」。何とも浮ついたタイトルではありませんか。
しかし読み進めてみると、これがどうして切なさがある!
主人公はゲイの後藤。モテるけれど1人の愛する人を欲している。今はフリー。
片手の美男は、彼の初恋の男で今は親友の榊原。(ノンケ)
もう片方の手の美男は、榊原から仕事絡みで紹介された榊原の後輩、弓削。(ノンケ)
決まった相手の…

4

におう桜のあだくらべ 小説

久我有加  佐々木久美子 

人情ものってやっぱりいいですね

本作は「頰にしたたる恋の雨」の関連作、というか前日譚の位置付けですが、「頰に〜」に出てくる真寿市師匠がまだ駆け出しの頃の、真寿市(当時は真太)の兄弟子真吾の恋模様です。
より昔(明治中期)の時代で、言葉も柔らか。今のTVで見る芸人さん達の使う言葉とは色々と違います。
見た目は地味だけれどじっくりと噺を聞かせる上手い真吾と、華やかで明るい芸風、出てくるだけで目を引くような椿丸、そんな個人の持って…

6

エスケープジャーニー 2 コミック

おげれつたなか 

実に正統的

おげれつ先生のコミックは一応全て読んでいますが、高い画力と、例えばDV、例えばハチャメチャなエロ部活、といった一癖ある設定が魅力ですね。
で、この「エスケープジャーニー2」。
ものすごく正統的だと感じました。
一癖も二癖も何もなく、若いカップルが普遍的に遭遇するつまずきのはじまりを正面から描いておられる。
お互い好き合ってるのにかみ合わず、話をしても想いは行き違う。
多分太一が重すぎる……

8

言ノ葉便り 小説

砂原糖子  三池ろむこ 

伝えるための言葉を紡ぐ。

「言ノ葉」シリーズ第1作、「言ノ葉ノ花」の同人誌・小冊子・ペーパー・全サ等々のまとめの一冊となっております。
同人誌など追えないファンにはプレゼントのような作品ですね。
内容は、長谷部x余村の、巡る季節と共に深まる甘々な、切実な、そして激しく濃いH、が中心です。(心の声はもう聞こえていません)
「言ノ葉」シリーズの他作品で、パラレルワールドにおけるシュウxカズヨの切なさに戸惑った身としては、…

6

上質な男とH コミック

未散ソノオ 

新感覚。愛と信頼の物語

これは驚きの読後感……BL、に限らず漫画でも小説でも、読んだことがないです。
未散ソノオさんは初読みですので、この作者様のいつもの作風なのか、あるいはこの作品が奇跡の一作なのか。??

全ての章が「上質な男と〜」で始まる色んなシチュでのH絡みの関係性。
はじめのうちは、エロ目的の攻めと何考えてるのか分からない醒めた受け、がただ流されてHしてる、ように読んだ。
しかし、中盤「上質な男と初め…

7

GUN&HEAVEN コミック

こだか和麻 

殺し屋の甘い愛し方

実は、KIZUNAシリーズは全く読んでおらずコレだけいきなり読んでしまったわけですが、大変面白かったです。
黒と白のコントラストのはっきりした絵柄、クドい顔つきの男性(オジサン?)陣、劇画っぽいストーリー展開。
特に、状況説明や設定の背後関係などはついクドクドしくなりがちなものだと思うのですが、清々しいほどあっさり省略の後場面転換があったりして、確かにわかりづらい面もあるのですが、独特のスピー…

5

神さまには誓わない 小説

英田サキ  円陣闇丸 

「間違いはない。選択があるだけ」←名言

「ファラウェイ」の続編。
前作でアモンと行動を共にしていたアシュトレトが主人公となります。
皮肉屋で人間を下に見ているアシュトレトは、当然人間の珠樹に恋をしたアモンをバカにしていましたが、何故か珠樹の家や珠樹が作る家庭料理に和み、しょっちゅう日本に来ています。
そこである事件が起こり、アシュトレトは今までの体を捨てて、新たに牧師のアシュレイの肉体に入る…冒頭からかなりの急展開。
そして、ア…

7

サクラ咲ク 小説

夜光花 

事件+トラウマ+復讐+愛の力

関連作「忘れないでいてくれ」と、構造的には似ていると感じました。
過去大事件があり心に酷い傷を負った主人公が復讐を考えて、結局愛情に救われる、というような。
「忘れないで〜」にチラリと登場し、だけど結構インパクトのあった「花吹雪先輩」こと櫻木拓海と、中学時代の後輩早乙女怜士の物語。
櫻木は常人では計り知れない個性の持ち主で、家は大金持ち、自分も2代目社長の肩書きなのにフラフラと世界を回って、…

7

忘れないでいてくれ 小説

夜光花  朝南かつみ 

プチオカルト+サスペンス+エロ+恋愛

夜光花さんといえば、オカルト風味やサスペンス調とエロとの融合という作風で定評があると思うのですが、今作も、中学生の時に両親を殺されたという究極の体験をした後、人や物に触れるとその記憶が視える、という特殊能力が芽生えた男が主人公です。
主人公の清涼はその能力を使って、違法スレスレの記憶操作(というか催眠術)のクリニックをやっていて、そこで婦女暴行事件を追っている刑事の秦野(ゲイ)と出会います。

3

君を抱いて昼夜に恋す 小説

久我有加  麻々原絵里依 

大正、大阪、博徒、彫師、廓にピンときたら。

既読「頬にしたたる恋の雨」で近代(明治〜大正〜昭和初期あたり)の大阪言葉の柔らかな美しさに惹かれ、本作を手に取りました。加えて大好きな彫り物モノ!
舞台は大正時代の大阪、博徒の源太x彫師の八束の物語。
表題作「君を抱いて昼夜に恋す」は、彫りの技術も絵の技術もありながら、心を揺り動かす「情」に欠けている彫師八束が、野生の獣のような博徒源太に出会って、彼に惹かれ、惚れて、抱かれて、何より大事な「艶…

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