Sakura0904
◆オイシイオトコ(表題作)
焼肉店で働く受けが発する匂いに攻めが惹かれる、というBLファンタジー感満載の作品でしたが、それが気にならないほど2人の掛け合いが面白くハマりました。焼肉の匂いってかなり強いと思うけれど、それに消されないほどの匂いって一体どんな?と気になっちゃいますよね。戸惑う受けに付け込んで攻めが序盤から強引に迫るところは高久作品にありがちですが、一見流されやすいだけに見える受けも…
淡々と、しっとりと。これはきっと絵津鼓先生にしか描けない物語だなぁと思う。木内の心に沈むもの。中城に出会ってからの木内は一見普通で、薬を見つけなかったら絶対に病気だなんて分からないくらいですよね。きっと鬱病ってそういうものなんですね。元気な日もある。365日四六時中沈んでいるわけではない。でも波が激しくて、沈む時はただ落ち込むというレベルを超えて沈む。日常生活に支障が出たり、好きだったことができ…
あ〜ymz先生のこの空気感! 『ヒゲと鈴としゃぼん玉』が帰って来たような、カップリングは違うけれど、あのほのぼのと笑いとちょっぴり切ない感じが絶妙に混じり合った雰囲気にまた浸ることができて最高でした。マウントとりたがりキヨシのこともとても気になっていたので、こうしてメインで読めて嬉しいです。自信家で何に対しても迷いのない行動が眩しいのだけど、恋愛に関しては与えるばかりで隙がないからか、振られた経…
徐々に決着をつける日が近づいてくる、嵐の前の静けさのような巻。マレーネとリリーの2人に関してはもう、互いの気持ちを疑う余地は1ミリもない信頼関係を築いているので何の不安も感じません。ガーランドとヴァラヴォルフの闘争に対してどんな決断を下すのか。与えられた猶予はもうほとんどないのだけれど、きっとこの2人なら大丈夫だろう、という安心感があります。
今回はアレン大活躍回でもありましたね。常識人…
◆風待ち休暇(表題作)
都会暮らしで溜まった鬱憤を、まったく景色の異なる田舎で晴らす。誰しも一度はやってみたいと思ったことがあるのではないでしょうか。そうしてやって来た山岡を釣りやBBQに誘いつつ、強引に連れ回すわけでもなく来てくれたら一緒に楽しむ。そんな緩いスタンスで親しくなる年下のアキラの存在が、とても癒しに感じられました。感情の伝え方も素直で、山岡との環境の違いも意に介さず、かと言って不…
商業BLの原点を思い出させてくれるような、瑞々しい青春らしさもありつつ、若さ故の無鉄砲さ、愚かさも描き出した、いろんな要素が詰まった作品でした。序盤で友哉が好きではない人に最後まで犯されてしまうシーンがあり、想像とかなりギャップがありました。それも、いきなり押し倒されて乱暴に強姦されるのではなく、その前に友哉が食事の誘いに乗り未成年にも関わらずお酒を飲んで、相手の家までついていってしまうという拒…
木下先生の描く、ほぼ同じスペックのリーマン同士の恋愛も素敵だなぁと思いました(攻めの方がスペックが高いことが多い気がするので)。性格も保孝の方は割とずけずけものを言う感じで、惚れた弱みもあるのか陸郎の方は落ち着いていて控えめという印象でした。陸郎は職場でもあまり変わらないようなので、根っからの常識人なのかもしれませんね。
10年もの長い間、保孝に片想いしていた陸郎。3巻完結のシリーズなの…
今までより万次と百だけではない、2人の周りにも焦点を当てた部分が多かった巻かなと思います。千の狂おしい恋愛事情だったり、百のいた陰間茶屋で人気だった少年の物語だったり。千と兆の関係性も、ここから変化があるといいなぁ。まだまだ続きそうなシリーズなので、この世界観に深みを持たせる良い構成でした。
メインの万次と百については、この巻ではもう安定感たっぷりという感じで、互いの確たる気持ちの強さを…
笑いとエロと萌えがバランス良く詰まった、1冊で存分に楽しめる作品でした。中川先生の作品は久々に読んだのですが、行哉も柊も今までにあまりなかったビジュアルのキャラクターで、2人とも見た目だけでがっつり心を掴んでくれました。そして、お互いも認めていますが、セフレの時の性格ややりとりがまた魅力的で。割り切りと言いつつハマりかけている片鱗は覗いていて、でも、あくまで行哉は大人びた落ち着きを、柊はエロだけ…
『未来の記憶』の後日談的作品ではあるのですが、短編続きの構成でありながら結構波乱もあって、単なる甘々な日常ではなく読み応えがありました。この2人に甘いばかりの日々なんて訪れないんでしょうけれど(笑)。結婚、家庭、家族との折り合い。男同士で添い遂げようとする道に密接に絡んでくる様々な問題に、毎回逃げもせず喧嘩しながらも2人でなんとか乗り切っていく強さが素敵だなと思いました。
どちらかという…