Sakura0904![]()
よしなが先生の作品って、冒頭からその世界観に静かに引き込んでくれて、不思議と登場人物達をひっそり近くで見守っているような気分になります。その引き込まれ方が自然で、心地良いなぁと改めて先生の才能に惚れ惚れしました。個人的には表情の妙や、間の取り方、余白の使い方などがそうさせるのかなと感じています。こちらの作品も、序盤から教師・井田の魅力に惹かれ、小林は当て馬かぁと一旦残念に思いながらも井田の本命で…
テンポも良く、ほのぼのした笑えるシーンとシリアスなシーンの配分もバランスが良い、木下先生らしい軽快な作品でした。誠志郎の父親が政治家で、同性婚を認める法律を可決させられるか、というのが物語の1つの軸になっていて、そこも今の時勢を反映していて良い題材だなと思いました。本当に1日でも早く、同性婚が認められて欲しいですね。不幸な人間を生み出す法律ではなく、幸せな人間を増やす法律だ、この考えが広まって欲…
矢代が表面上はヤクザでなくなったこと、百目鬼が矢代の下からいなくなったことで、これまでとはがらりと雰囲気の変わった巻でした。と言いつつも、根底に流れているものは変わらない。矢代は三角と繋がっているし、三角は矢代に組を持たせたがっている。七原は矢代の下で働いていて、百目鬼は矢代の近くに戻りたがっている。変わったようで変わっていない、様々なシーンでそれを感じさせられました。
百目鬼を捨てた、…
永井先生の目の描写にすごく引き込まれます。何も映していないようで、物事の深淵を見ているような、空虚と叡智が共存しているような瞳が好きです。1巻ではとにかく柳田の抱える闇の深さが際立っていましたが、2巻では奔放な少年に見える渚も、いろいろな柵や大人の汚さに絡まれながら生きていることが分かります。立ち居振る舞いは常に堂々としているけれど、それは感情のダメージを軽減するために自然と現れる彼の防衛本能の…
小冊子も込みで萌2評価です。本編だけだったら今回は少し甘さは物足りなかったですね。杉木、鈴木双方にとって5、6巻は大きな転換期だったんでしょう。鈴木にパトロンがついたり、新しいパートナー・ノーマンが現れたり、鈴木の周りは杉木の陰のお膳立てによりどんどん世界が広がっていきます。もちろん、それらはすべて鈴木の確かな才能があってこそ得られたもの。杉木はあくまで鈴木がより多くの人の目に留まるよう尽力して…
◆よなよなもしもし(表題作)
突然の痴漢電話から始まる恋。結局最後まで会わない展開や、会ってみたら醜男だったという展開も覚悟していたのだけれど、ザ・イケメンではないにしろ見た目も爽やかで性格も気持ちのいい相手で安心しました。そんな太田にも地味顔と評される受け・田中ですが、丸っこくて大きな目が可愛らしく、私も太田と同じく可愛いと思いました。田中が慣れてないのでぐいぐい迫りはしないながらも、押すと…
お互いの好意を理解し、結ばれてからの一悶着。そこまでひやひやはしませんでしたが、業界が業界なので蔦丸達に別れなさいと言われた時は、やはりそうきたかと思う反面、残念でしたね。でも、蔦丸達自身が源介と惣五郎の関係に嫌悪感や抵抗を覚えたわけではなかったので、そこには安心しました。
こういう時は意外にも惣五郎の方は物分りが良く、やはり別れようかという方向に考えて始めるところは結構大人だなぁと。逆…
恋愛面が楽しめるのはもちろん、活動内容はめちゃくちゃだけど部員同士での団結とかわいわいした雰囲気などの青春を味わえるのも、このシリーズの醍醐味だなぁと改めて感じました。前半は鹿谷メイン。教師松村の言いなりになっている鹿谷を、普段は反発してばかりの遠野が最後まで助けようとするところがいいなぁと。鹿谷自身は何ともないように振る舞っているけれど、皆彼の本当の気持ちはちゃんと分かってるんですよね。普段は…
カシオ先生の作品はシリアス寄りのものしか読んだことがなかったので、こんなに面白いラブコメも描ける先生なんだ!と新たな発見に嬉しくなりました。少女漫画でもBLでも王道と言えるような展開が多いのですが、絶妙なタイミングで挟まれる気の抜けるシーンによって、ハイスペック×実は庶民な美人というこちらも王道な攻め受けの組み合わせでも鼻につくようなキラキラ感はなく、どこか落ち着きすら感じられるような雰囲気の作…
いろんな人間の夢の中に現れる謎の男の子、とばりちゃん。なんとも不思議な世界観に、最初は物語に馴染めるか少し不安を覚えましたが、読み進めていくうちに実は彼はあらゆる人の身近な存在であることが分かり、すぐに親しみを感じるようになりました。夢は幻や物語ではなく、現実の延長線上。この言葉がとても印象に残っています。時にはまったく知らない土地や知らない人間が登場する夢も見るけれど、現実を少し歪めたような夢…
